本連載は、日興アセットマネジメントの研修機関「日興AMファンドアカデミー」による、銀行や証券会社などで働く投資信託の販売担当者に向けたセミナー講義の内容を採録したものです。
〈記事提供:日興アセットマネジメント ※毎週火曜日更新

バランスファンドを選ぶのは難しい

ただ悩ましいのは、バランスファンドと一口に言っても、投信によって結構性質が違う点です。3×3のマスの複数を組み合わせているのがバランスファンドなんですが、その配分の仕方が投信によってかなり違うんです。大きな意味では安定運用を目指すのがバランスファンドなのですが、どの程度までのリスクを許容して、どの程度のリターンを目指すかという設計思想はそれぞれに異なっており、実は投信選びで一番難しいのが、このバランスファンドだと言えます。

〈投資対象は3×3のマスに分類できる〉

ですので、大きく2つに分けて考えることをお勧めしています。それは、株式比率が高めの「前向きバランス」と、値動きが小さくなることにより重きを置いた「守りバランス」の2つです。

「前向きバランス」と
「守りバランス」の2つがある。

「いくら『ぶれない土台』でも、預貯金とさほど変わらないような成果しか得られないのなら預貯金でいいじゃん。せっかくリスクを取るなら、バランスファンドとはいえ少しはリターンを期待したいよ」と考えるのは自然で、それが「前向きバランス」の役割です。コンクリ部分の預貯金がしっかりしていればしている人ほど、「土台」の方では守りよりも攻めの要素を強めてもいいという考え方です。

〈資産運用の「土台と柱と器」〉

それはつまり、バランスファンドの中でも相対的に株式比率が高いものを選ぶということになります。すでにお分かりの通り、株式比率が高くなればなるほど、日々の値動きのぶれが大きくなります。そのぶれを許容する代わりに、「土台」の高さが少しずつ高くなることを期待するわけですね。

そしてもうひとつが「守りバランス」です。その名の通り値動きが小さく、マイナス状態が続くようなことを避けるのを最優先した設計のバランスファンドです。その目的を達成する方法は投信によって千差万別で、何に投資するかという資産配分で行なうタイプもあれば、配分比率を変更するテクニカルな方法のところで行なおうとするものもあります。

一般に株式比率は低めになります。したがって、株式市場が好調な時などにはお客様に「何で私のこれは上がらないのよ!」と文句を言われてしまったりするタイプでもあります。しかし、それに対する答えはこうです。「お客様、“守りバランス”ですからそれでいいのです。今もし他と同じように上がっていたら、下がる時も同じように下がっている可能性が高いわけですから」あるいは「お客様、この投信の元々の目的を思い出してください。これは“ぶれない土台”のための投信でしたよね。だからこれでいいんじゃないですか

――やはり最初の設計図の理解が大事だということです。

第21回 株式ファンドの「丸ごと買い」って?
第19回 預貯金を含めた資産運用の設計