資産運用って難しそう。どこから手を付けていいのかわからない……。本連載ではそんな皆さまのために、資産運用や投資の基礎についてわかりやすく説明します。(毎月第4月曜日更新)

資産運用とは、預貯金だけでなく、投資や保険などさまざまな方法でお金を管理し、将来に備えること。
皆さんが投資といって真っ先に思い浮かべるのは「株式投資」だと思います。

株式の仕組みを15秒で説明すると、

株式とは、企業が資金を集める手段のひとつです。
企業は資金を得る代わりに、株式を保有する人(株主)へ、会社の重要な方針を決める決議への参加や、利益の分配を受け取る権利などを渡します

となります。
説明としては簡潔ですが、イメージはつかみにくいですね。

かみくだいて説明すると、こういうことです。

社長:「よっしゃ、新しい商売を思いついた! でもその商売を始めるためには新たに社員を雇って、今より広いオフィスを借りなければいけない。パソコンや電話などの設備も必要だし、ものすごくお金がかかる。まだたいした実績のない我が社が全額を銀行から借りるのは難しいし、どうすればいいのか……」

投資家:「社長さん、いい方法があります。『株式』ですよ。新しいビジネスは、私も絶対に成功すると思います。ぜひ出資させてください。1000万円でどうでしょう?」

社長:「おお、その手があったか! 君ひとりで1000万円も出してくれるとはありがたい。じゃあさっそく株式を発行して、1000万円分買ってもらうよ。これだけの資金があれば、無事に新事業を始められそうだ」

投資家:「そのかわり、事業がうまくいって利益が出たら、その一部を配当としていただきますよ。最低でも1000万円の5%、年50万円くらいは受け取りたい。大もうけしたら、10%くらい出してくれてもいいですよね?」

社長:「そ、そうだな。確かに株主には、会社の利益に応じた配当を受け取る権利がある

投資家:「それと社長さん。私が出資した大金を使って間違った経営判断をされたら困るので、大株主として、株主総会などを通じて会社の重要な決議に関与しますよ

社長:「わかった。君には株主として目先の利益だけ追いかけてもらうと困るから、会社が長期的に成長していくためのアイディアを考えてほしい」

企業は出資金を株主に返す必要がない

あらためて、株式の仕組みを詳しく見ていきましょう。

企業は、事業を運営するために資金を必要とします。この資金は、金融機関から融資を受けたり、広く資金を借り入れるための債券を発行するなど、さまざまな手段を用いて集めます。
ただし、銀行から借りたお金は、期日までに利子を付けて返さなければいけません。債券は対象が金融機関ではなく投資家ですが、こちらも金融機関の融資と同じく、期日までに返す必要があります。

株式の発行も、企業の資金調達手段のひとつです。企業は、仮に事業が上手くいかなくても、株式の発行により集めたお金を返す必要がありません。株式を買った投資家が責任をかぶることになります。ここが融資や債券との大きな違いです。

株主は、企業が倒産した場合には出資したお金が戻ってこない代わりに、企業の利益の一部を配当金として受け取る権利があります。

さて、この株式には実におもしろい性質があります。
株式は、株主同士での売り買いが認められています。特に証券取引所に上場している企業の株式については、証券会社を通じて、投資家が発行済みの株式を自由に売ったり買ったりできるのです。
株式を自由に売買できるということは、発行済みの株式に値段が付けられるということです。これがいわゆる「株式市場」です。

証券取引所が株式の売買をスムーズに

株主は、株式を手に入れたいと考える人に売ることで、株式をお金に変えることができます。しかし、株式を売るための条件に合う人を自分で見つけるのは簡単ではありません。

株式の売り買いをスムーズに行うための場が、証券取引所です。証券取引所は、株式などの金融商品の売買に関し、売りたい人と買いたい人を募るフリマアプリ「メルカリ」や「ヤフオク!」のような役割を果たします。

証券取引所で株式が売買されることを「上場」、その株式を発行している企業を「上場会社」と呼びます。上場には、株式の規模(時価総額)や株主数、企業の利益額など、一定の条件をクリアしていることが必要になります。国内最大の証券取引所である東京証券取引所には、2019年5月21日現在、3,664社が上場しています。

値上がりした株式を売却して利益を得る

上場株式は、証券会社を通じて売買できます。証券取引所における株式の売買価格が「株価」です。株価はさまざまな要因で変動します。例えば、会社の業績がよければその株式をほしいと考える投資家が増えるため株価は上昇し、業績が悪ければ下落します。投資家は、値上がりした株式を売却することで利益が得られます。

企業が株主に対して、「株式を保有してくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えるのが株主優待です。「自社の製品」や「優待券」、「金券」など企業によってさまざまです。例えば、日本マクドナルドホールディングスの株主優待では、バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの商品引換券が6枚ずつで1冊のマクドナルド優待食事券が、保有株式数に応じて受け取れます。
配当金だけでなく、株主にならないともらえない株主優待のために株式を持ち続ける人も少なくありません。

株主は、株式を保有することで、主に3つの権利を得ることができます。

1、企業の経営方針などを決める株主総会で決議に参加する権利

2、配当金や株主優待などの利益配分を受け取る権利

3、企業の解散時に、会社の資産を分配して受け取る権利

株価が10倍になった銘柄、なりそうな銘柄を「テンバガー」と呼びます。バガーは野球用語で塁打を意味し、一試合で10塁打(テンバガー)を記録するほどの勢いで株価が急騰し、10倍まで跳ね上がる銘柄を意味します。

株式は、債券や為替取引などに比べて相対的に値動きの幅が広い分、大きなリターンが期待できる金融商品です。株式投資は、企業の収益や株式市場での値動きに左右されるために不確実性が高く、ハイリスク・ハイリターンの投資になる傾向があります。

下記は、2019年5月29日の株価の値上がり・値下がりランキングです(ETFは除く)。
2018年のドル・円相場の1日の変動率平均が0.63%であったことと比べると、株式投資の値動きの幅が大きいことがわかります。

株式投資では、長期間保有して株価の大きな成長を待つ、短期間で売買を繰り返して値上がり益を積み上げるなど、さまざまな運用戦略を取ることができます。銘柄の中には値動きが比較的おだやかなものもありますし、個別銘柄ではなく、日経平均株価のような株価指数全体に投資するという方法もあります。

いずれにしても、株式の仕組みをきちんと理解したうえで、無理のない範囲で投資することが大切です。

(次回は6月24日を予定しています)


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