レポート提供:三井住友DSアセットマネジメント(2019年8月23日)

  • 米国や新興国で相次ぐ利下げ。ユーロ圏や日本の利下げも織り込む。
  • 転換点は、19年1月の米国の政策金利据え置き。さらなる利下げの拡大も。

【ポイント1】利下げ実施国・地域が急増

ユーロ圏なども利下げ織り込み進む

足元では、各国・地域が相次いで利下げに踏み切っており、「利下げドミノ」とも呼べる状況になっています。7~8月(22日まで)は、米国や豪州、ブラジル、メキシコ、インドなどが利下げを実施しました。

主要国・地域では、ユーロ圏や日本などはまだ利下げに踏み切っていませんが、市場では利下げの織り込みが進んでいます。

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【図表1】主要国・地域の政策金利
主要国・地域の政策金利
(注)データは2018年1月1日~2019年8月22日。
日本は(短期の)政策金利、米国はフェデラルファンドレート(誘導レンジの上限)、ユーロ圏は預金ファシリティ金利、英国はレポ金利、豪州はオフィシャルキャッシュレート。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

【図表2】足元で利下げを実施した主な新興国の政策金利
足元で利下げを実施した主な新興国の政策金利
(注)データは2018年1月1日~2019年8月22日。
ブラジルはSelic金利、メキシコは翌日物金利、インドはレポ金利、インドネシアは7日物リバースレポ金利。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

【ポイント2】米金融政策の転換が背景

利上げ→金利据え置き→利下げ

背景には、米中貿易摩擦などに起因した世界的な景気減速懸念が強まるなか、基軸通貨国である米国が金融政策を転換したことがあります。米連邦準備制度理事会(FRB)は、18年12月までは利上げを実施してきましたが、19年1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を当面据え置く方針を示唆しました。

その後、6月にパウエルFRB議長が講演で「適切に行動する」と表明し、7月のFOMCで利下げに踏み切りました。半年強で金融政策の方向性が180度変わったことになります。

【今後の展開】FRB議長の米ジャクソンホールでの講演に注目

一般的に、利下げは国債に加え、株式や社債、リートなどへの資金流入を促すとされており、こうしたリスク資産にもポジティブに作用するといわれています。

今後の展開次第では、利下げを実施する国・地域がさらに増加する可能性があるほか、利下げ実施国・地域の利下げ回数が増える可能性があります。

注目されるのが、米国の今後の金融政策です。FRBの利下げが、FRBの意図する予防的な利下げとなるか、それとも本格的な利下げとなるかが当面の焦点になるとみられます。米国のジャクソンホールで本日、開催が予定されているパウエルFRB議長の講演に注目が集まります。

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