消費税の増税が10月に迫っています。増税でかさむ生活費を節約する方法はいろいろ考えられますが、たとえば外食を控えて自炊を増やすのもひとつのやり方です。外食を自炊に切り替えることで、どれくらいのお金の節約が見込めるのでしょうか?

若い単身者のエンゲル係数は25%。生活費は増加傾向

今から1年ほど前に、日本の家計の「エンゲル係数」が上昇傾向にあることが話題になりました。エンゲル係数とは家計の消費支出に占める食費の割合のこと。一般に、家計の所得が増えればエンゲル係数が低下するといわれています。人々の生活が豊かになるほど、エンゲル係数は下がるという関係です。

総務省の「家計調査報告」によると、2018年時点において、消費支出のうち食費が占める割合は2人以上の勤労者世帯で24.1%、35歳未満の単身世帯で25.1%でした(図表1)。

【図表1】消費支出に占める品目別支出割合

2人以上の
勤労者世帯
単身世帯
(35歳未満)
2008年 2018年 2008年 2018年
食費 23.2% 24.1% 22.6% 25.1%
住居費 5.7% 5.8% 20.4% 21.3%
光熱・水道 7.7% 6.9% 4.0% 4.7%
交通・通信 13.2% 16.3% 16.4% 16.8%
その他 50.2% 46.9% 36.5% 32.1%

出所:総務省「家計調査報告(家計収支編)」

エンゲル係数は10年前の2008年時点より上昇しています。2008年といえばリーマン・ショックが起きた年であり、その当時よりエンゲル係数が上がっているわけですから、いくら政府が「景気は拡大している」と主張しても、私たち一般庶民が豊かさを実感できないのも無理はないのかもしれません。

もうひとつ指摘したいのは、「その他」の割合が下がっていることです。「その他」には教養娯楽費や交際費、被服費などが含まれており、食料品を含む生活必需品の割合が高まっていることが見て取れます。世知辛い世の中ですね。

増税の影響はわずか。自炊なら節約を見込めるけれど……

消費税率が8%から10%に上がれば、モノの値段は単純計算で1.85%上がることになります。

増税によって増える支出をどこで抑えるべきか。真っ先に思いつくのが、消費支出の4分の1を占める食費を抑えるという方法です。

図表2は、2人以上の勤労者世帯と35歳未満の単身世帯が、実際どのくらい食費および外食費を支払っているかを示した図です。

【図表2】1カ月の食費と外食費の平均金額(2018年、単位:円)

2人以上の
勤労者世帯
単身世帯
(35歳未満)
消費支出 315,314 162,833
食費 76,090 40,026
うち外食 15,429 10,653
食費に占める
外食の割合
20.3% 26.6%
増税後の
外食費(※)
15,715 10,850

※外食費に消費税増税分を掛けた値
出所:総務省「家計調査報告(家計収支編)」

外食は軽減税率が適用されないため、消費税率は10%となります。もし外食の支出が変わらなければ、勤労者世帯では1カ月あたり300円程度の、若い単身者の世帯では200円程度の支出増が見込まれます。年間でも数千円。これくらいなら少しの節約ですぐに元が取れそうな気がします。

将来のために可処分所得を少しでも資産運用に回したいという方には、やはり外食を減らして自炊に切り替えることが、お金の面では最も効率的な節約になります。特に単身者の方は外食や中食に頼る機会が多い傾向があるため、自炊による節約効果はより大きくなります。

自炊といっても、安い食材を使ってとにかくコストをカットしたいか、あるいは素材にこだわって本格的な料理をしたいかによってかかるお金はぜんぜん違うので、どれだけ節約できるかは一概にいえませんが、安くすませようとすれば、外食の半分以下に食費を抑えることも不可能ではありません。上記の表に沿うと、外食を自炊に切り替えれば、単身者の方でも月額5000円浮かせることはできそうです。

料理
自分で食材を買って調理する自炊なら、外食や中食に頼る場合より食費を抑えられるが……

ただし、自炊は時間と手間と心の余裕が必要です。夜遅く仕事から帰ってきたあとで、食材を切ったり焼いたり煮たりするのはなかなかたいへんです。そもそも残業が続けばスーパーマーケットの営業時間に間に合わず、安い食材を買うことすらままならない状況もありえます。昼食をお弁当にするのも、いくら冷凍食品を活用したとしても、ごはんやおかずを容器に詰めるだけでそれなりの手間がかかります。

最近は副業をする方が増えています。同じ時間を費やすのであれば、自炊で節約するより、仕事を増やして収入をアップさせる方が家計の足しになるから、食事はすべて外食や中食でかまわないという考え方もあります。

自炊はお金の面では確かに効率的ですが、時間を尺度に考えると、必ずしもそうとは言い切れません。それぞれのライフスタイルに合わせて、最も効率よく時間をお金に変える方法を実践することが、広い意味での資産運用といえます。


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