2050年、がんと共存する社会が到来する

「2050年までにはほとんどのがんが免疫療法で治療できるようになる」――。

2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授は、ストックホルムで行われた公式記者会見でがん治療の展望をこう語りました。

がんは日本人男性の3人に2人、女性の2人に1人が罹患する国民病とも言える病です。高齢者に限らず、働き盛りの30代、40代でがんになるケースも多く、ここ数年でも多くの著名人が若くしてがんで命を落としていったことは記憶に新しいところです。

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そんな恐ろしいがんを治療できる世の中が、あと数十年で訪れるかもしれないというのは、なんともうれしいニュースです。「2050年といわず、もうちょっと前倒しして2020年ぐらいになんとかなりませんか、本庶先生!」と言いたいところですが、がんと共存できる社会がそう遠くない未来に訪れることは、間違いなさそうです。

実は90%を超える乳がんの5年生存率

とはいえ、すでにがんは不治の病ではなく、部位によっては早期に発見し、適切な治療を行えば、高い確率で治療できる病気であることはご存知ですか?
国立がん研究センターによると、30~40代の女性が罹患するケースも多い乳がんの5年生存率は、実に90%を超えています。

【図表1】がんの2006-2008年診断例の5年後(2011-2013年)の相対生存率(地域がん登録によるがん生存率データ)
【図表1】がんの2006-2008年診断例の5年相対生存率

※参考文献
全国がん罹患モニタリング集計 2006-2008年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2016)
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書
出所:国立がん研究センター

次に乳がんを進行度合い別に見てみましょう。I期であれば5年の相対生存率は100%です。ところがIV期になると40%を下回ってしまいます。

【図表2】乳がんの進行度別にみた5年生存率
【図表2】乳がんの進行度別にみた5年生存率
出所:国立がん研究センター「2008-2009年 5年相対生存率集計の結果」より抜粋

このことからも早期に発見し、適切な治療を行うことが完治のカギを握ると言えそうです。

そうはいっても「完治するまでにはかかる費用は?」「長く入院しなきゃいけないの?」「仕事はやめなきゃいけない?」など、不安は尽きないと思います。

そこでMonJaでは、がんに関する知識や治療に伴うお金、がん保険の必要性などについて、シリーズで取り上げていきたいと思います。

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