GWから2週間が過ぎましたね。連休前から話題だった、「令和」という元号にも多くの人が慣れてきた頃かと思います。さて、そんな令和ですが4月30日から5月1日にかけては、改元の瞬間を特別なものにしようと各地でカウントダウンや関連したイベントが行われていました。
特に話題になっていたのが、東京の渋谷スクランブル交差点です。

何かとイベントごとがある時には、あの場所に人が集まります。私も東京都内に住んでいるのですが、今まで全くそういう気になったことがありませんでした。むしろ気になるのは、あの場にいる人たち。

スクランブル交差点に行く人はどんな人なのか?
なぜ、そこに行こうと思ったのか?

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平成最後の日なのに暇を持て余していたので、現地に行き8人の方に突撃インタビューで話を聞いてみました。

「ハチ公前」を中心にインタビューを開始

当日は23時20分過ぎ頃に渋谷駅に到着。5月1日の0:00を迎えた後で、「ハチ公像」を中心に、その周辺にいる人たちにインタビューをしていきました。


上記の空中写真の中央左が有名なスクランブル交差点。待ち合わせ場所として使われる「ハチ公像」は交差点の南東部にあり、インタビューは①~⑤の場所で行った

①きっかけは「広島カープ」(大学生・男性、18歳)

―大学生の方ですか?
はい。1年生です。

―1人で来たんですか?
いえ、友達と。
(と言いつつ隣にいる男性のほうを向く)
(友人の方も軽く会釈してくれる)

―どうも、こんばんは。ところで、なぜ今日、ここに来たんですか?
僕、広島出身なんですけど、一昨年広島カープが優勝した時、優勝パレードがあってその盛り上がりを見ていたんです。みんなハイタッチとかしている。そういう風に人が集まる雰囲気に触れてみたくて、ちょっと今日来てみました。

―なるほど。今日の写真もアップしたり? SNSって使い分けしてます? 情報の発信と受信みたいな。
発信はインスタ(Instagram)ですね。受信はツイッターですかね。
(友人も、“俺もそう”と答える)

―そうなんだ。なんでですか?
う~ん。なんかインスタのほうが画像だけだからやりやすくて? ツイッターは情報収集って感じだから?

―わかりました。ありがとうございました。

②ノリで来たけど、ちょっとがっかり(大学生・女性、友達と2人)

―2人は大学生ですか?
Aさん:はい。3年生です。

―今日は何時ぐらいから?
Aさん:11時ぐらいに着いて、そのまま。

―なぜ今日、ここに来たんですか?
Aさん:えっ、なんで? ノリで?
Bさん:「カウントダウンイベントとかやるのかな~?」って思って。

―今日、渋谷に行こうって決めた?
Aさん:今日行こうって決めました。
Bさん:でも、なんか、思っていたほどでも無かったなぁって。
Aさん:ねっ。ちょっとカウントダウンしたけど、それだけだし。

―なるほど。ありがとうございました


23:30頃のハチ公前。多くの人が、交差点を渡ることもなく「令和」の瞬間を待っていた

③渋谷っ子、交差点を渡れず立ち往生(大学生・男性、友達と2人)

―2人は大学生ですか?
Cさん:はい。1年生です。

―何時頃からいるんですか?
Cさん:11時40分ぐらいかなぁ。

―なぜ今日、ここに来たんですか?
Cさん:渋谷でご飯していて。それで、駅前に来たところです。
Dさん:彼の家があっちの方なんですけど、その辺で。
(と言いつつ交差点の向かい側、TSUTAYAのあるビルの方を指さす)

―カウントダウン目的で来たわけじゃなく?
Dさん:いや、特には。
Cさん:うん。

―じゃあ、何でわざわざこっち(ハチ公口)の方に?
Dさん:それはまぁ、「どんなもんかなぁ」って(笑)
Cさん:でも、人がいっぱいで(交差点を)渡れなくなっちゃって……。さっきも、突っ込んでいく人がいて、あぶないなぁって。

―じゃあ、この後はもう帰るつもり?
Cさん:はい。
Dさん:でも、こんなんだし。「どうしよっか?」って話してました。

―そうだったんですね。ありがとうございました。気を付けて帰ってください。
Cさん:お兄さんもがんばってください。

④大阪から来た男(社会人・男性、30代)

―社会人の方ですか?
はい。会社員です。

―なぜ今日、ここに来たんですか?
GWでヒマだし。大阪から新幹線に乗って今日来たんですよ。

―えっ!? 大阪から? いつ頃着いたんですか?
さっき、11時ぐらいに着いたんです。

―さっき!? こう言うとなんですけど、わざわざ?
今日思い立って、「行ってみよかな」って。

―今までこういう、カウントダウンみたいのに来たことは?
いや、ないです。

―楽しかったですか?
楽しかった。

―この後はどうするんですか?
東京にいる友達の家に泊まらせてもらいます。
(チラチラとスマートフォンを気にする)

―そうでしたか。ありがとうございました。


当日は傘が手放せない本降りの雨模様。傘で視界がふさがれて、反対側の様子はかろうじてしかわからない

⑤ヒッチハイクで名古屋から帰る(大学生・女性、友達と2人)

―2人は大学生ですか?
Eさん:私は大学生で、彼女(Fさん)は社会人です。
Fさん:普通に友達で。

―なぜ今日、ここに来たんですか?
Eさん:さっき名古屋から、ヒッチハイクで帰ってきたところです。
Fさん:着いたらこんなんなっててビックリしました。

―名古屋からヒッチハイクで!? え~、すごいですね。何時ごろ渋谷に?
Eさん:深夜12時まわったぐらいに着いて。名古屋出たのは17時ぐらい?
Fさん:車で駅近くまで来たんだけど、交差点通れなくなっちゃってて。人もいっぱいだから離れたところで下ろしてもらって歩いてきました。

―いつ出発したんですか?
Eさん:4月29日の夕方ぐらいに。用賀のインターチェンジの近くからスタートして。東京→名古屋→東京って。向こうでは漫喫(漫画喫茶)に泊まって、観光とかして。


ヒッチハイクの時に使ったスケッチブックを見せてくれた。手書きイラストも添えられ、かわいらしい

―車に乗せてくれる人いるんだ。どんな人が乗せてくれました?
Fさん:夫婦、カップル。女の人1人とか、男の人1人の時も。
Eさん:「行けるところまででいいんで」ってお願いして、パーキングエリアとかサービスエリアをつないで行って。

―女性2人でヒッチハイクって危なそうだけど、怖くなかったんですか?
Eさん:あんまり。
Fさん:あっ、でも停まってくれても、ちょっと話してみて、「なんかヤバそうだな~」って思ったら適当にごまかして乗らないようにした(笑)
Eさん:(笑)

―どうですか、交差点のほうに来てみて
Eさん:さっき、スミノフの空き瓶を道に捨ててく人がいて……。と思ったら、それを拾っていく人もいて、なんかおもしろかった。

―へぇ……。「捨てる神あれば、拾う神あり」的な?
Fさん:おぉー、さすがライターさん。

―いやぁ……(苦笑)。いろいろ聞かせてくれてありがとうございました。

渋谷に集まるのは騒ぎたい人……?

2018年のハロウィンでは交差点近くのセンター街で軽トラックがひっくり返されたり、先日もベッドを運んで動画撮影しようとしたYouTuber(ユーチューバー)が書類送検されたりと、最近、渋谷の駅前界隈は悪目立ちすることが多くなってきています。

「騒ぎたいだけの若者が集まっている」「パリピがたくさんいてナンパがすごい」というイメージを持つ人も少なくなく、「アホが群がっている」や「日本の恥」という厳しい意見もツイッターで散見されます。

実際に、5月1日の改元直後には、「車が通行します。交差点に進入しないでください!」という警察のアナウンスの中、「うおぉぉー!!」という雄叫びが聞こえてビックリしました。①で話を聞いた大学生の話では、交差点に突っ込んでいく人がいたみたいです。

また、ナンパしている人もけっこういました。かく言う私も、ナンパに間違われて、「この後、待ち合わせしてるんでぇ」「いえ、けっこうです~」と何度か断られました。トホホ……。


厳戒体制の渋谷。駅の反対側、「宮益坂下」交差点のビックカメラ前には大型輸送車が何台も停車していた

動画の「実況配信」や「親子参加」もいた!

でも実際は、偶然居合わせてしまった人や私と同様、人が集う渋谷のスクランブル交差点に来てみたかっただけの人も多かったのだと思います。何をするでもなく、1人で立っている人もけっこういました。なんだろ、「令和に渋谷なうwww」とかつぶやいてたのかな。

また、今どきだなと思ったのが、「実況動画」を配信している人がチラホラいたことです。自撮り棒にスマホを付けて、ひたすら自分を撮影し喋りながらハチ公前広場をウロウロするのは大変そうでした。

驚いたのは、小学生ぐらいの子供と保護者が一緒に来ている親子参加らしき人もいたことです。お母さんが「おもしろかった?」と聞くと、「おもしろかった!」と答えて帰っていく姿を見たときは衝撃でした。遊園地や動物園の感覚なのか……?

マスメディアやネットメディア、SNSを通じて、現代はいろいろな情報を手に入れることができますが、現場に行くからこそ知れることも意外と多いものですね。

そして、それはお金や節約、投資などについて勉強しようとするときも同じかもしれません。「○○って実際どうなんだろう?」と思ったら、セミナーに参加したり、金融機関やファイナンシャルプランナー、○○の窓口などリアルな現場に行ってみるのもアリでしょう。ただ、お金が絡むことについては、その場で即決断せず、家に帰って冷静に考えることが重要です。

今後も機会があれば、いろんな現場に紛れ込み、ルポのようなことをしていきたいと思います。

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