つみたてNISAで20年運用、年利4%なら1.5倍

積立投資は、いつ始めても遅すぎるということはありません。「やらないよりやった方がまし」という消去法的な理由ではなく、将来のことを考えたら「何かしらやった方がいい」という理由です。

たとえば、あなたが現在55歳で、退職まであと10年あるとします。
投資で得られた利益が非課税となる「つみたてNISA」を使って、非課税で投資できる上限金額である年40万円を、10年間投資し続けたらどうなるでしょうか。

年利 0.15% 1% 2% 3% 4%
結果 403.0 420.8 442.7 466.0 490.6

(単位は万円。毎月3万3333円を投資し続けた場合のシミュレーション)

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投資元本は400万円。年利0.15%では、10年間で3万円しか増えません。これが現時点での定期預金の限界です。
年利1%だと420.8万円。年利4%で運用できれば490.6万円と、10年で2割以上のお金を増やすことができます。90万円あれば、1年は持たないとしても、それなりの期間生活できます。

退職後も投資に回しているお金をすべて現金化する必要はなく、運用を続けるという選択肢もあります。
つみたてNISAでの投資を20年間続けた場合では、結果はどうなるでしょうか?

年利 0.15% 1% 2% 3% 4%
結果 812.2 885.5 982.4 1092.2 1216.8

(単位は万円。毎月3万3333円を投資し続けた場合のシミュレーション)

年利4%だと、投資元本800万円に対して運用結果は1216.8万円と、1.5倍以上にお金を増やすことができました。年利3%でも約300万円のプラスです。
これだけの運用ができれば、退職後の生活にとってかなりの足しになります。

使いながらでも運用を続けた方が有利

ただ実際には、退職後も退職前と同じように年間40万円をすべて投資に回すことは現実的ではありません。
そこで次のような場合を考えます。55歳から65歳までの10年間はつみたてNISAで年40万円の積立投資を行い、65歳から75歳までは新たな資金を追加せずにそのまま運用を継続する。さて、結果はどうなるでしょうか。

年利 0.15% 1% 2% 3% 4%
結果 409.1 464.8 539.7 626.2 726.2

退職後の10年間で、さらに大きく増やせることがわかります。

それではこのようなケースはどうでしょうか。65歳までの10年間は毎年40万円つみたてNISAで積立投資を行い、65歳以上は毎月4万円、年間で48万円引き出しながら運用を続ける場合です。結果はこのようになりました。

年利 0.15% 1% 2% 3% 4%
結果 -74.5 -40.1 8.4 67.1 137.5

合計80万円分よけいにお金を引き出すことになるため、定期預金並みの年利0.15%では、20年後の残高はマイナス74.5万円となってしまいます。18年目にお金が尽きてしまう計算です。年利1%の場合でも19年目にお金が底をついてしまいます。
年利2%だと、わずかですがプラスを保つことができました。前半の10年間で月3.3万円を投資して、後半の10年間で4万円を引き出してもプラスになったということです。つまり、運用しない場合に比べて、月額7000円程度よけいに使えるようになった計算です。
もし10年後の時点で運用をやめてしまうと、年利2%では10年後の時点での残高は442.7万円なので、年間48万円ずつ使っていくと、最後の1年でマイナスとなってしまいます。
後半の10年も年利2%で運用できるという条件ならば、使いながらでも運用を続けた方が有利なのです。

もちろん、実際の運用ではコンスタントに年利2%で増えていくものではなく、時期によって値上がりと値下がりを繰り返すものですが、10年単位の長期で考えた場合、平均で年利2~4%の投資成果を得ることは決して不可能ではありません。

50代から投資を始めた場合でも、これだけの成果を得られる可能性があります。今からでも決して遅すぎることはないのです。

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