手数料だけではない証券会社の個性

「株なんてどこで買っても同じだから、証券会社はどこでも同じでしょ?」
この認識は半分正しいけれど、半分誤っています。

確かに、株式という商品自体はどこで買っても同じです。たとえばトヨタ自動車の株式が、A証券で買ったものは値上がりしたけれど、B証券で買ったものは値下がりした、なんてことは絶対に起きません。どこで買っても価格は同じように動きます。
それでは、A証券とB証券の何が違うのでしょうか?

証券会社を比較するポイントとして、以下の点が挙げられます。

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①手数料

ひとつは手数料です。株式は買うときと売るときに手数料が発生します。当然、投資家にとっては安い方が有利ですが、ことはそれほど単純ではありません。たとえば「購入額が50万円以下の場合はA証券の方が手数料は安いけど、50万円を超えるとB証券の方が安い」といったように、投資金額と手数料体系によって、どこが高いか安いかの基準が変わってくるのです。そのため、どこの証券会社が安いとは一概には言えないのです。

②取引画面の使いやすさ

証券会社ごとの違いは手数料だけではありません。最近はインターネットで株取引をする人が増えていますが、取引画面の使いやすさも証券会社選びの基準となります。買う商品は同じでも、取引画面は全社共通ではなく、各社それぞれが開発した画面を通じて取引を行います。スーパーマーケットでたとえると、同じ食品を取り扱っていても、イトーヨーカドーとイオンと西友で商品の陳列が異なるのと同じです。

③IPOの取り扱いの多さ

IPO(新規株式公開)の取り扱いが多いかどうかも判断材料のひとつです。企業が新規に公開する株式は公開後に値上がりすることが多く、IPOの株式を入手できれば利益が上がる可能性が高くなります。現状では、インターネット専業証券より大手証券の方がIPOの扱いが多い傾向があります。

④株式以外の商品のラインナップ

株式以外の金融商品がどれだけ充実しているかもポイントとなります。特に差が出るのは外国株式の扱いです。例えば中国株式の個別銘柄に強い証券会社、東南アジアの株式が充実している証券会社などがあるので、国内株式に飽き足らない方は、外国株式のラインナップで選ぶのもいいかもしれません。

⑤情報提供力

株式投資で成功するためには情報収集が欠かせないため、証券会社の情報提供力も重要なポイントです。口座を持っている人だけが読めるマーケットレポートの存在も、証券会社を選ぶ判断基準になりえます。

このように、証券会社を選ぶ際にはたくさんの基準があります。どこで口座を開くべきか迷ってしまうようなら、候補となる複数の証券会社で口座を開いて、実際に使いながらメインの口座を選ぶというやり方でもいいかもしれませんね。

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