日常生活を穏やかに過ごしたいという気持ちは、誰しもが持っているもの。しかし、意図せずトラブルに巻き込まれてしまうことも、残念ながらあるでしょう。トラブル解決に法律の専門家である弁護士を頼りたい、そんな時に備える保険が「弁護士保険」です。
- 弁護士に相談や依頼をした際の費用を補償するのが弁護士保険
- 補償されるトラブルや金額の範囲に違いがあるので加入前によく確認する
- 故意や過失で起こした事故などは補償されないケースもある
弁護士保険とは? しくみと補償内容の概要
弁護士に依頼した際の費用は、弁護士事務所の規程や依頼内容によって変わります。日本弁護士連合会のまとめた報酬に関するアンケートによると、5,000円で済む場合もあれば、10数万円~100万円以上かかる場合もあるようです。
そうした日常生活の中でトラブルに巻き込まれ、弁護士に相談や依頼をした際の費用を補償するのが、弁護士保険です。実際に必要となった弁護士費用を、支払限度額の範囲内で補償します。
弁護士保険で補償されるトラブルは主に「偶発事故」と「一般事件」に分けられます。
・偶発事故…偶然かつ突発的に起きてしまった事故
・一般事件…偶発事故に当てはまらない、法的トラブル全般
弁護士保険で補償されるのは主に偶発事故で、一般事件については補償対象としていない商品もあります。一般事件を対象とする商品の場合も、補償範囲が一部に限定されていたり、補償をされない待機期間や免責金額が設定されていたりするものが多いようです。
弁護士費用には法律相談料、着手金、報酬金、手数料、日当などがありますが、それも商品やトラブルの種類によって全額補償されることもあれば、一部補償対象外になることも。一口に弁護士保険といっても補償されるトラブルや金額の範囲に違いがあるので、検討時にしっかり確認しておきたいポイントです。
また、保険会社独自の無料サービスにも、それぞれ特色があります。自分の日常生活に有用な補償とサービスを合わせて準備できるのも、弁護士保険のメリットかもしれませんね。
また、火災保険や自動車保険などに、特約として弁護士費用特約が付いている場合もありますが、補償の範囲が弁護士保険と異なります。
たとえば火災事故や自動車事故で被害を受けた場合など、メインの補償に関連したトラブルに限定されていることがほとんどです。弁護士費用特約に入っているから大丈夫、と思っていたらトラブルが起きた時に補償されなかった……ということが起きないよう、補償範囲はチェックしてみてください。
弁護士保険で補償されるケース、補償されないケース
では実際にどういったトラブルが補償されるのでしょうか。偶発事故と一般事件それぞれ、以下のようなケースが例として挙げられます。
ただし、上記の例に当てはまるものでも、弁護士保険契約前や待機期間中に起きたトラブルや、自分の故意や過失で起こした事故など、補償されないケースもあります。
「現時点でトラブルに巻き込まれているので弁護士に依頼をしたい、だから弁護士保険に入っておこう」としても、そのトラブルについては補償がされず、自分で費用の準備をしなくてはいけません。トラブルの対応に加えて費用負担もしなくてはいけないとなると、場合によっては大きなストレスとなりかねません。もしもの時のための保険加入検討は、早めに行っておきたいですね。
※ここでは弁護士保険の概要をご紹介しています。詳細については各保険会社のパンフレットや約款などを必ずご確認ください。