日本人にもおなじみのグローバル企業で構成

米国時間の2019年7月11日、米国を代表する株価指数の「NYダウ」が史上初めて2万7000ドルを突破しました。最近の世界経済の話題といえば米中貿易摩擦で、あいかわらすトランプ大統領と習近平国家主席が激しくにらみ合っていますが、そんなものはどこ吹く風といわんばかりの米国経済の勢いです。

ところでこの「NYダウ」って、ニュースでは名前をよく耳にしますが、どのような株価指数なのでしょうか?

tsumiki証券

経済ニュースでよく話題にのぼる「NYダウ」は、その正式名称を日本語で表すと「ダウ・ジョーンズ工業株30種平均」となります。1896年に米国の通信社ダウ・ジョーンズが、ニューヨーク証券取引所に上場する12銘柄の平均株価として算出したのがはじまりです。現在は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社がNYダウを算出しています。


名だたるグローバル企業が上場しているニューヨーク証券取引所

NYダウを構成しているのは、米国株式市場に上場している30銘柄です。かつてはニューヨーク証券取引所の銘柄のみで構成されていましたが、近年はマイクロソフトやインテル、アップルのように新興市場のNASDAQに上場している銘柄も採用されています。「工業株」という名前がついていますが、実際には金融業やサービス業、IT企業なども多数含まれています。コカ・コーラやマクドナルド、ナイキ、ウォルト・ディズニーといった、日本人にとってなじみ深いグローバル企業の名前も見つけることができます。

時代に合わせて銘柄の入れ替えが行われるのも特徴です。近年では自動車大手のGMや、電気機器大手のゼネラル・エレクトリック(GE)がNYダウから外されました。GEはNYダウの算出が始まった1896年から構成銘柄として残存し続けた唯一の企業でした。

投信工房

アメリカ、ヨーロッパ、日本の株価指数を比べたら……

そんなNYダウの過去40年の値動きは以下のとおりです。

【図表1】NYダウの推移

※1979年6月~2019年6月、月次、終値

大きな下落局面が何度かありましたが、基本的には右肩上がりを続けてきました。1979年6月末のNYダウは842ドルで、2019年6月末には26,600ドル。なんと40年間で31.6倍もの値上がりです。年平均で9.0%上昇したことになります。

米国にはNYダウのほかに、「S&P500種指数」という株価指数があります。文字どおり500銘柄の米国株式で構成されていて、米国株式市場全体の動きを示す指数として広く使われています。NYダウのように特定の銘柄に引っ張られることがなく、はやり廃りに影響されにくい指数ということができますが、その値動きをNYダウと重ねてみると、だいたい似たような形になっています(下記のグラフでは実際のS&P500指数の値を10倍して表示しています)。

【図表2】NYダウとS&P500指数の推移

※1979年6月~2019年6月、月次、終値

ここに日経平均株価を重ねてみたらどうなるでしょうか。

【図表3】日米の株価指数の推移

※1979年6月~2019年6月、月次、終値

1980年代の日本のバブル経済がいかにすごかったか、米国株式と比べるとよくわかります。2012年末からのいわゆる「アベノミクス」の相場も、当初は2011年の東日本大震災による落ち込みからの反動で大きく上がりましたが、その後はおおむね米国株と似たような動きとなっています。

最後に、1979年6月末の株価指数を100とした相対値で見てみましょう。ここではヨーロッパ代表として、ドイツの株価指数「DAX」も追加してみました。

【図表4】日米欧の株価指数の推移(1979年6月末を100として指数化)

※1979年6月~2019年6月、月次、終値

最も大きく上がったのがNYダウ。次いでS&P500。ドイツのDAXも、ほとんどの時期で米国株と同じ値動きを示し、値上がり幅も米国株に迫る勢いでした。日経平均は……ご覧のとおりです。あのバブル期の株高も、その後の米国やドイツの株式市場の成長と比べると、こんなに小さな山になってしまいます。

個人の資産形成において、日本だけでなく世界に分散投資することがいかに大切か、このグラフを見るとよくわかりますね。もちろん、向こう40年間も同じように米国の株価が上がるとは限らないので、米国株式に集中投資することも避けた方がよいかと思います。