令和8(2026)年度税制改正大綱(以下、税制大綱)が2025年12月26日に閣議決定されました。その中にはNISAの拡充として、つみたて投資枠に「こどもNISA」を新設、指定株価指数の追加、債券中心の投資信託の追加という項目が入っています。まだ国会での審議・可決が行われていませんので、あくまでの予定の段階ですが、その概要について見ていきます。
- こどもNISAを新設。対象は0~17歳、商品はつみたて投資枠と同等
- つみたて投資枠の指定株価指数として「読売333」など2つが追加
- つみたて投資枠に債券中心の投資信託を追加。低リスクの運用が可能に
「こどもNISA」の概要
金融庁が2025年12月に発表した「令和8(2026)年度税制改正についてー税制改正大綱における金融庁関係の主要項目ー」を確認しますと、こどもNISAはつみたて投資枠の中に新設されています。
その資料を参考に、「こどもNISA」の部分だけ抜粋したのが下記の表になります。
| 対象年齢 | 0~17歳 |
|---|---|
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有 限度額 |
600万円 |
| 投資対象 商品 |
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 (つみたてNISA対象商品) |
| 運用管理 | 原則、18歳までは払い出し不可。 ただし、一定の要件をクリアすれば12歳以降または12歳以前の払い出し可能。 |
出所:金融庁「令和8(2026)年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」と「令和8年度税制改正の大綱」を参考に筆者作成
こどもNISAの対象年齢は、0~17歳になります。
税制大綱では「令和9(2027)年以後、その年の1月1日において18歳未満および出生した日の属する年に限る」と記載されています。この文言から、「こどもNISA」の開始予定時期が令和9(2027)年1月1日であることがわかります。
こどもNISAの年間投資枠は60万円。毎月5万円、積立投資をすると使い切る金額になります。
非課税保有限度は600万円。年間投資枠の上限で積み立てると、10年で使い切る金額です。
投資対象商品は、つみたてNISA対象商品と同様の商品になります。
払い出しは原則18歳まで不可ですが、以下の要件を満たすと、子(契約者)がその年の3月31日において12歳である年以降の払い出しも可能です。
1)こどもNISA契約者の学校等の入学金又は授業料その他の教育に又は生活費に限る。
2)こどもNISA契約者の家屋が災害により全壊したことその他これに類する事由(税務署長の確認を受ける必要あり)。
また、2)については12歳以下であっても払い出しが可能な要件になっています。
払い出しに際しては、子が払い出しに同意した書面と一緒に親権者(口座管理者)が申出書を、こどもNISAの口座を開設した金融機関に提出して行います。
子(契約者)が18歳になった時点で、こどもNISAで運用している資産は自動的に一般のつみたて投資枠に移行されます。
以上が「こどもNISA」の概要です。12歳以降に教育費など一定の要件がありますが、払い出しが可能になったことで、学資保険のプラスアルファ的な利用も可能になります。
つみたて投資枠の指定株価指数が2つ追加される
NISAのつみたて投資枠の対象商品は、金融庁が告示した要件を満たした公募株式投資信託と上場投資信託(ETF)で構成されています。その中で、金融庁が指定した指数(インデックス)に連動するように運用する商品群が「指定インデックス投資信託」です。
税制大綱では、日本株を対象にした指定株価指数について、読売株価指数(読売333)とJPXプライム150指数の2つを追加しています。従来はTOPIX(東証株価指数)、日経平均株価(日経225)、JPX日経インデックス400、MSCI Japan Indexの4つでした。
読売株価指数(読売333)は、選定された333銘柄を同じ比率で構成する等ウェート型の指数です。時価総額加重平均型のTOPIXや株価平均型の日経平均株価のように、時価総額の大きい銘柄(TOPIX)や値がさ株(日経平均株価)の影響を受けづらいという特徴があります。
JPXプライム150指数は、東証プライム市場に上場している「稼ぐ力」をもつ日本を代表する150銘柄で構成された指数です。
読売株価指数が2025年3月24日から算出・公表、JPXプライム150指数が2023年7月3日から算出・配信と、比較的新しい指数になります。
つみたて投資枠で債券中心の投資信託を追加
従来、つみたて投資枠の「指定したインデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託など)」では、「主に株式に投資するもの」という要件がありましたが、今回の税制大綱では「主に株式または公社債に投資するもの」と変更されました。
一般的に債券は株式に比べ価格変動リスクなどが低い投資商品なので、リスク許容度が低い高齢者などの商品の選択の幅が拡がることにつながります。また、こどもNISAで安定した運用を目指したい場合の選択肢にもなり得ます。
以上、NISAの3つの拡充点について見てきました。
ただし、国会で上記の税制大綱を審議するには、選挙で自民党が政権与党を維持していることが必要になります。
















