金(ゴールド)の価格が値上がりを続けています。日本円でも、米ドル建てでも金価格は過去最高値を更新しました。新型コロナウイルスの影響で「有事の金」が注目を集めていますが、その陰でひっそりと、金をしのぐ勢いで値上がりを続けている貴金属が「銀」です。銀価格の動向と、銀に投資する方法について紹介します。

  • 金は3月の底値から1.3倍に値上がり。プラチナは1.7倍、銀はなんと2倍に
  • 銀価格の値動きは金より大きくなりやすい。銀が史上最高値を付けたのは40年前
  • 銀に投資するならETFが便利。1万円以下で投資を始められる

金価格は1年で4割上昇

金価格の値上がりを伝えるニュースを見かける機会が増えました。
古くから「有事の金」と呼ばれる金は、世の中が不景気や政情不安に陥ったときに価格が上がりやすいといわれています。新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済が停滞を強いられている今、個人の資産運用においても「守りの資産」として金への注目が高まっています。

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当サイトでも、金に関する話題を何度か取り上げてきました。

「金」で読み解く世界経済【第3回】 金(市場)に何が起きているのか?
「金」で読み解く世界経済【第4回】 金・プラチナ価格の逆転現象のなぜ
イラン情勢の緊迫化で金とビットコインはこう動いた

新型コロナウイルスの感染が世界に拡大した4月以降に金価格が上がった背景は、下記のピクテ投信投資顧問の解説がわかりやすいと思いました。
ざっくり言うと、「金融緩和政策によって投資家のもとに現金はあるけれど、新型コロナの影響で株式も国債も先行きが怪しいので、安全な資産である金を買う動きが強まった」ということでしょうか。

金融緩和と財政出動が金相場の追い風に(ピクテ投信投資顧問)

投信工房

本記事の執筆時点で、金価格は米ドル建てで史上最高値付近で推移しています(図表1)。7月28日には、一時1トロイオンス(※)=2000ドルを超える値が付いたそうです。1年前は1トロイオンス=1400ドル程度だったので、1年で4割以上の値上がりです。

【図表1】金先物価格の推移(2020年1月~7月27日)
金先物価格の推移(2020年1月~7月27日)
出所:市場データをもとに編集部作成

貴金属は金だけではありません。値上がりを続ける金に注目が集まる中、実は銀(シルバー)の価格が、ひそかに金を超える値上がり幅となっています。

※トロイオンス……貴金属の質量を表す単位。1トロイオンス=約31.1グラム

銀価格は3月の底値から2倍に急上昇

こちらが銀(先物)価格の直近の値動きです(図表2)。

【図表2】銀先物価格の推移(2020年1月~7月27日)
【図表2】銀先物価格の推移(2020年1月~7月27日)
出所:市場データをもとに編集部作成

このグラフだけではわかりにくいので、金と銀のグラフを重ね合わせて比べてみましょう(図表3)。

【図表3】金、銀、プラチナの先物価格の推移(2020年1月~7月27日)
【図表3】金、銀、プラチナの先物価格の推移(2020年1月~7月27日)
※2020年1月1日の価格を100として指数化
出所:市場データをもとに編集部作成

銀の値動きの幅が金より大きいことがわかります。
新型コロナウイルスの感染が欧米に拡大した3月には、株式も金も銀もプラチナもいっせいに売られたために価格が一時的に急落しましたが、3月20日前後に付けた底値からの値上がりは金が1.3倍程度、プラチナが約1.7倍だったのに対し、銀は2倍を超える値上がりとなりました。
グラフの右端にあたる7月20日以降の値上がりも、銀が突出しています。

銀の値動きが金より大きくなりやすい要因のひとつは、銀の市場規模が金に比べてはるかに小さいことです。今回の新型コロナのような危機が発生したときに世界中の投資家がいっせいに売りや買いに走ると、簡単に価格が動いてしまうのです。