令和8(2026)年度税制改正大綱にて、NISAつみたて投資枠の対象株価指数に「JPXプライム150指数」と「読売株価指数」(読売333)の2つの指数が新たに追加されました。
今回は、追加された2つの指数のうち、JPXプライム150指数について日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)と比較しながら、その概要や特徴について見ていきます。
- JPXプライム150指数の銘柄は「エクイティ・スプレッド基準」を重視
- TOPIXと比べてJPXプライム150指数は現時点で商社のウェイトが高め
- NISAつみたて投資枠の対象株価指数となったことで投資の幅が広がる
JPXプライム150指数はどんな指数?
JPXプライム150指数は、名称が示すように、東証プライム市場に上場している銘柄から150銘柄を選定して算出する指数です。
日本取引所グループのサイトで「JPXプライム150指数」についての説明を読むと、対象になる銘柄は「時価総額上位銘柄」であり、かつ財務実績に基づく「資本収益性」と将来情報や非財務情報も織り込まれた「市場評価」を基準に、「価値創造が推定される我が国を代表する企業」となっています。
資本収益性の観点から75銘柄を選定、市場評価の観点から75銘柄を選定し合計150銘柄で構成され、指数を算出します。
資本収益性を「エクイティ・スプレッド基準」、市場評価を「PBR(株価純資産倍率)基準」としてそれぞれ選定条件を設けています。以下、エクイティ・スプレッド基準とPBR基準について詳しく見ていきます。
エクイティ・スプレッド基準とは
エクイティ・スプレッドは、「ROE(自己資本利益率)-株主資本コスト」で求められる数値です。
JPXプライム150指数では、ROEが8%超でエクイティ・スプレッドがプラスの銘柄を基準適格銘柄として、当期の推定エクイティ・スプレッド上位75銘柄が選定されます。
PBR基準とは
PBR基準の選定は、エクイティ・スプレッド基準で選定された銘柄を除く銘柄が対象になります。この点から、JPXプライム150指数はエクイティ・スプレッド基準を重視していることがわかります。
PBR基準は、当期のPBRおよび、2期(当期・1期前)の平均値が1倍超の銘柄(PBR基準適格銘柄)が選定の対象になり、その中の上場時価総額上位75銘柄が選定されます。
選定銘柄のウェイト上位10銘柄は?
ここでは、JPXプライム150指数と日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)の3指数のウェイト上位10銘柄を比較してみました。JPXプライム150指数とTOPIXが2025年12月30日時点、日経平均株価は2026年1月30日時点のデータになります。
| 銘柄名 | 業種 | ウェイト |
|---|---|---|
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 銀行業 | 5.57% |
| ソニーグループ | 電気機器 | 4.99% |
| 日立製作所 | 電気機器 | 4.53% |
| ソフトバンクグループ | 情報・通信業 | 3.04% |
| 三菱商事 | 卸売業 | 2.72% |
| 三菱重工業 | 機械 | 2.61% |
| 東京エレクトロン | 電気機器 | 2.61% |
| 三井物産 | 卸売業 | 2.54% |
| 伊藤忠商事 | 卸売業 | 2.53% |
| リクルートホールディングス | サービス業 | 2.42% |
出所:日本取引所グループ「JPXプライム150指数 構成銘柄のウェイト一覧」を参考に筆者作成
| 銘柄名 | セクター | ウェイト |
|---|---|---|
| アドバンテスト | 技術 | 12.79% |
| ファーストリテイリング | 消費 | 8.85% |
| 東京エレクトロン | 技術 | 7.77% |
| ソフトバンクグループ | 技術 | 6.40% |
| ファナック | 技術 | 1.96% |
| KDDI | 技術 | 1.96% |
| TDK | 技術 | 1.86% |
| 中外製薬 | 技術 | 1.66% |
| 信越化学工業 | 素材 | 1.61% |
| リクルートホールディングス | 消費 | 1.52% |
| 銘柄名 | 業種 | ウェイト |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 3.70% |
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 銀行業 | 3.21% |
| ソニーグループ | 電気機器 | 2.88% |
| 日立製作所 | 電気機器 | 2.61% |
| 三井住友フィナンシャルグループ | 銀行業 | 2.26% |
| ソフトバンクグループ | 情報・通信業 | 1.75% |
| みずほフィナンシャルグループ | 銀行業 | 1.65% |
| 三菱商事 | 卸売業 | 1.57% |
| 三菱重工業 | 機械 | 1.51% |
| 東京エレクトロン | 電気機器 | 1.51% |
出所:日本取引所グループ「TOPIX 構成銘柄ウェイト一覧」を参考に筆者作成
JPXプライム150指数(図表1)と日経平均株価(図表2)を比べてみると、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、リクルートホールディングス以外の銘柄が異なっていることがわかります。
JPXプライム150指数(図表1)とTOPIX(図表3)を比べてみると、JPXプライム150指数にはトヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループが上位10位になく、TOPIXには三井物産、伊藤忠商事、リクルートホールディングスが上位10位にありません。2025年12月30日時点では、TOPIXに比べてJPXプライム150指数は商社(卸売業)が多く採用されていることがわかります。
*JPXプライム150指数とTOPIXは日本取引所グループの業種区分、日経平均株価のセクターは日経業種区分36種を6つのセクター(技術、金融、消費、素材、資本財・その他、運輸・公共)に大分類しており、分類方法が異なります。
3指数の概要と特徴
最後にJPXプライム150指数、日経平均株価、TOPIXの対象市場、構成銘柄数、銘柄選定方法、指数の算出方法、値動きの特徴について図表4にまとめておきます。
| JPXプライム150指数 | 日経平均株価 | TOPIX(東証株価指数) | |
|---|---|---|---|
| 対象市場 | 東証プライム市場 | 東証プライム市場 | 主に東証プライム市場 |
| 構成銘柄数 | 原則150 | 原則225 | 1664 (2025年12月30日時点) |
| 銘柄選択の 方法 |
エクイティ・ スプレッド基準 PBR基準 |
売買高の多い銘柄 セクターごとの バランスに配慮 |
整理銘柄・特別注意銘柄・ 流通株式100億円未満の 銘柄は除く |
| 指数の 算出方法 |
浮動株時価総額加重型 | 株価平均型 | 浮動株時価総額加重型 |
| 値動きの 特徴 |
時価総額の大きい銘柄の 値動きに影響される |
値がさ銘柄の値動きに 影響される |
時価総額の大きい銘柄の 値動きに影響される |
NISAつみたて投資枠の対象株価指数が増えることで、投資信託の選択の幅も広がります。それぞれの指数の概要や特徴を理解して、ご自身の投資スタイルに合わせて投資信託を選びましょう。

















