豊かな人生に欠かせない健康。マネーを投資するのと同じように、健康にも価値を見出してライフスタイルをより充実したものに! 漢方薬にも詳しい薬剤師の視点で、健康投資に役立つ話題を毎月ゆるっとお伝えしていきます。
朝晩が涼しくなってきた今の季節。季節の変わり目の体調をととのえていきましょう。

  • 寒暖差や気圧などの環境変化に弱いのはたんぱく質不足が原因かも
  • 肉や魚、卵などでたんぱく質を摂取。胃腸の機能が弱い場合は消化に良い方法で
  • 低気圧による頭痛やめまいの対策として、漢方薬で体内の水分バランスを整える手も

季節の変化に強くなる健康投資

白井 栄里奈白井 栄里奈
well2 Lab代表
薬剤師

秋分を過ぎて、涼しい秋の気配を感じる季節となりました。
健康投資をしていれば、季節の変わり目もすこやかに過ごすことができます。

この季節は、雨の日が増え、台風も訪れます。
1日の寒暖差や低気圧など、環境の変化が苦手な方は、体調を見直すチャンスです。

アート投資を資産形成に!

  • 雨の日や台風の日は、体がだるく、なんとなく調子が悪い
  • 朝晩の気温の変化に、体がついていかない
  • 冷房や寒い季節は、冷えるので苦手

これらには、実は「たんぱく質不足」が潜んでいるんです。

たんぱく質は、三大栄養素のうちの一つ。肉や魚や卵、大豆に含まれている栄養素のこと。
私たちの体……内臓、血管、皮膚や骨も、多くはたんぱく質でできています。

食事でたんぱく質を取り入れ、胃腸で消化・吸収が行われ、体の一部となるためにたんぱく質が再構築されて、新しい自分が作られていきます。
そしてエネルギーが作られるようになれば、環境の変化にも負けない体となります。

秋の季節変化以外でも、風邪を引きやすい、冬から春の季節の変化も体調を崩しがち、夏はバテてしまう……という、一年を通じた環境変化にも強くなることができますよ。

たんぱく質不足を解消する方法は?

たんぱく質が不足してしまう原因は、2つあります。
それは、食事の中のたんぱく質が不足していることと、胃腸の機能が低下していること。

例えば、朝はパンと牛乳、お昼はラーメンや、うどん、パスタ……となると、ほとんどが「炭水化物」となり、たんぱく質は大幅に不足してしまいます。また、おかずを食べても肉か魚の1品だけ、となると、1日のうちの必要量を大幅に下回ってしまうんです。

1日の必要なたんぱく質量は、自分の体重〇〇(kg)→〇〇(g)と換算します。例えば、体重が60kgであれば、60gのたんぱく質が必要です。
しかしこれは1日の最低量。もっともっと摂取しても大丈夫です。
特に50代以降は、胃腸の機能がやや落ちてしまうため、しっかり食べることが大切です。

卵1個で約6gのたんぱく質。肉・魚はおおよそ100gで15~20gのたんぱく質が含まれます。
一度、今の食事量を見直してみてくださいね。

納豆や豆腐などの大豆を摂取しても良いですが、肉や魚、卵などの動物性のたんぱく質とは異なり、植物性のたんぱく質であるため、取り込んだたんぱく質が自分の体になる効率が少し落ちてしまうのでご注意を。

たんぱく質が含まれる食材たんぱく質を積極的に摂取することが、環境の変化に強い体をつくる健康投資になる

もしも、しっかり食べているのに季節の変化に弱いのであれば、胃腸での消化が元々弱く、しっかり吸収できていない可能性も。
たんぱく質や油をとると、胃がもたれたり重くなったりする場合も、消化が弱いといえます。
この場合は、少量を何回かに分けて食べたり、消化に良い食材と一緒に食べるのがおすすめ。大根おろしや生のキャベツは消化を助けてくれます。また、煮込み料理もお肉や魚が柔らかくなって、消化しやすくなるのでおすすめです。

季節の変わり目、助けになる漢方薬

食事と併せて、台風や雨の日に頭痛やめまいが起こっていることを改善するには、漢方薬も助けになりますよ。

五苓散(ごれいさん)

気圧の変化により体内の水分バランスが崩れてしまった時に、水分バランスを整え、余分な水分を排出させてくれる漢方薬です。頭痛やだるさ、むくみに効きます。

まずは食事を見直して、たんぱく質をコツコツ摂取する健康投資を。
胃腸に不調がある場合や、他にも症状がある場合は、漢方相談薬局に相談して、細かく体の状態を聞いてもらうのも一手ですよ。