若い単身者の平均消費支出は15万5808円
「いますぐ実家暮らしから抜け出したい」
「息苦しい田舎の生活から脱出したい」
「憧れの東京での一人暮らしをはじめたい」
……そんなふうに考えている人は多いのではないでしょうか?
一人暮らしは、実家暮らしよりとにかく自由度が高いです。出かけるたびに「どこへ行くの? 何時に帰ってくるの?」と、いちいち家族に問いただされる生活からは解放され、自分の好きな時間に好きなことをやり放題……。夜遅くまで飲み歩いて早朝に帰宅したって、部屋に友人をたくさん呼んで大騒ぎしたって、警察や近隣住民を除けば、うるさく注意されることはありません。何より、都会暮らしを経験すれば、なんだか人として一回り大きくなれたような気持ちになれます。
そんな、誰もが一度は憧れる東京の一人暮らしの生活ですが、「どのくらいお金がかかるか分からない」、「生活していけるのか不安だ」と考え、なかなか踏み出せない人も多いと思います。そこで今回は、東京での一人暮らしにどのくらいのお金がかかるのかを紹介します。
一人暮らしにかかる費用をざっと並べると、家賃、食費、水道光熱費、通信費、雑費(日用品など)、交際費などが挙げられます。
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要」によると、単身世帯の(平均年齢56.8歳)の消費支出は、1世帯当たり1カ月平均16万1623円、35歳未満の世帯に限れば15万5808円となっています。
35歳未満の消費支出の詳しい内訳は以下の通りです。
項目 | 月平均額 |
---|---|
食料 | 3万9510円 |
住居 | 2万9811円 |
光熱・水道 | 6959円 |
家具・家事用品 | 3339円 |
被覆および履物 | 7712円 |
保険医療 | 3627円 |
交通・通信 | 2万2848円 |
教育 | 0円 |
教養娯楽 | 1万7155円 |
その他の消費支出 | 2万4847円 |
交際費 | 1万1780円 |
仕送り金 | 1874円 |
消費支出(合計) | 15万5808円 |
食費や水道光熱費、通信費など基本的な生活費に関しては、東京に限らず、だいたいこの水準といえるでしょう。ただし、東京の一人暮らしとなれば、住居にかかる費用はもう少し高くなります。
例えば、住みたい街ランキングで上位常連の吉祥寺(東京都武蔵野市)で一人暮らしをする場合はどうでしょうか。大手不動産仲介会社が算出する吉祥寺の家賃相場を見ると、ワンルームのアパートで7~8万円前後となっています。
そのほか、学生からの人気が高いといわれている練馬区は6~7万円、東京23区から西に離れたところに位置する八王子は5~6万円と、地域によって家賃相場は大きく異なるようです。平均すると、だいたい6~8万円が東京の一人暮らしの住居費の相場と言えそうです。
この金額を考慮すると、東京で一人暮らしをするには、だいたい20万円は必要になりそうです。もちろん、この20万円というのは「それなりに豊かな生活をするのに最低限必要なお金」であって、趣味をめいっぱい楽しみたい方や、将来のために貯蓄や資産運用をしたい方にとっては、もう少し余裕が欲しいところですが……。
ちなみに、引っ越しにかかる費用まで計算に入れるのであれば、初期費用として家賃の約4倍程度(敷金、礼金、仲介手数料がそれぞれ1カ月分に加え、引っ越し業者へ支払う金額)は準備しておく必要があります。