同じ日本株でも、業種によってその値動きは大きく異なります。経済全体が低迷して株価が下落する局面でも、特定の業種の株式のみ上昇するケースもあります。そのため、株式投資をする際は、業種について理解を深めることが重要です。本記事では日本株の業種についてわかりやすく解説します。

  • 東証では一部上場銘柄を33業種に分類した「東証業種別株価指数」を算出している
  • 「TOPIX-17」は、東証一部の全銘柄をさらに17業種に集約した業種別の株価指数
  • 業種別の株価指標となるTOPIX-17には、ETFを通じて投資をすることが可能

TOPIX-17は東証一部の全銘柄を17業種に分類

日本の東証一部上場企業は東京証券取引所によって33種類に分類されており、業種別の株価指数が公表されています。その33業種を17種類に集約した株価指数を「TOPIX-17」と呼び、17業種の指数に連動するETFが上場しています。

東証の33業種およびTOPIX-17の分類は以下の通りです。

水への投資 世界的に不可欠な資源への投資機会 BNPパリバ・アセットマネジメント

【図表1】TOPIX-17の業種区分と東証業種別株価指数
  17業種区分   東証業種別株価指数
1 食品 1 水産・農林業
2 食料品
2 エネルギー資源 3 鉱業
4 石油・石炭製品
3 建設・資材 5 建設業
6 金属製品
7 ガラス・土石製品
4 素材・化学 8 繊維製品
9 パルプ・紙
10 化学
5 医薬品 11 医薬品
6 自動車・輸送機 12 ゴム製品
13 輸送用機器
7 鉄鋼・非鉄 14 鉄鋼
15 非鉄金属
8 機械 16 機械
9 電機・精密 17 電気機器
18 精密機器
10 情報通信・サービスその他 19 その他製品
20 情報・通信業
21 サービス業
11 電気・ガス 22 電気・ガス業
12 運輸・物流 23 陸運業
24 海運業
25 空運業
26 倉庫・運輸関連業
13 商社・卸売 27 卸売業
14 小売 28 小売業
15 銀行 29 銀行業
16 金融(除く銀行) 30 証券、商品先物取引業
31 保険業
32 その他金融業
17 不動産 33 不動産業

景気敏感セクターとディフェンシブセクターに注目

景気敏感セクター

TOPIX-17の業種区分の中でも、特に覚えておきたいものが「景気敏感セクター」と呼ばれる分類です。
景気敏感セクターとは景気動向に左右されやすい業種で「素材・化学」「自動車・輸送機」「機械」「電機・精密」などが挙げられます。

景気敏感セクターの指数に連動するETFの主な組み入れ銘柄は、以下の通りです。

【図表2】景気敏感セクターのETFの組み入れ銘柄トップ3
ETF名 組み入れ銘柄
NEXT FUNDS
素材・化学(TOPIX-17)
上場投信
信越化学工業
富士フイルムホールディングス
資生堂
NEXT FUNDS
自動車・輸送機(TOPIX-17)
上場投信
トヨタ自動車
本田技研工業
デンソー
NEXT FUNDS
機械(TOPIX-17)
上場投信
ダイキン工業
SMC
小松製作所
NEXT FUNDS
電機・精密(TOPIX-17)
上場投信
ソニー
キーエンス
東京エレクトロン

※2021年11月1日時点

景気敏感セクターの組み入れ上位となる銘柄は日本の景気が上向いた時に株価が上昇しやすい代表的な企業です。一方で景気後退局面でも景気の影響を受けやすく下落しやすいというデメリットがあります。

ディフェンシブセクター

ディフェンシブセクターは景気敏感セクターとは対象的に、景気の影響を受けにくい業種です。ディフェンシブセクターは「食品」「医薬品」などの生活必需品をはじめ、「電力・ガス」「運輸・物流」などのインフラ関連業種が挙げられます。

ディフェンシブセクターの指数に連動するETFの主な組み入れ銘柄は、以下の通りです。

【図表3】ディフェンシブセクターのETFの組み入れ銘柄トップ3
ETF名 組み入れ銘柄
NEXT FUNDS
食品(TOPIX-17)
上場投信
日本たばこ産業
アサヒグループホールディングス
味の素
NEXT FUNDS
医薬品(TOPIX-17)
上場投信
武田薬品工業
第一三共
アステラス製薬
NEXT FUNDS
電力・ガス(TOPIX-17)
上場投信
関西電力
東京瓦斯
中部電力
NEXT FUNDS
運輸・物流(TOPIX-17)
上場投信
東海旅客鉄道
東日本旅客鉄道
日本郵船

※2021年11月1日時点

ディフェンシブセクターは生活に密着している企業やインフラ関連の企業が多く、景気動向に左右されにくい点が特徴です。しかし、東日本大震災の時の電力会社やコロナショック時の鉄道会社のように、インフラ関連や生活密着企業であっても必ず安心というわけではありません。

ETFを通じてTOPIX-17に投資できる

業種別の株価指標となるTOPIX-17には、野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS」シリーズのETFを通じて投資をすることが可能です。

特定の業種の値上がりが期待できるような局面では、ETFを購入してみてもよいでしょう。

メルマガ会員募集中

ESG特集