現役証券アナリストの佐々木達也さんが、株式市場で注目度が高い銘柄の強みや業績、将来性を解説する本連載。第11回は、半導体や液晶パネルの製造装置を手がける精密部品メーカー、マルマエ(6264)を取り上げます。

  • マルマエは半導体や液晶パネルの製造装置を手がける精密部品メーカー
  • 半導体製造の心臓部で使われる精密部品製造を強みとする
  • 2022年8月期の利益・売上高は過去最高の予想。当面、買いが優勢となりそう

マルマエはどんな会社?

マルマエは半導体や液晶パネルの製造装置を手がける精密部品メーカーで、鹿児島県に本社をもつ唯一の東証1部に上場する企業です。

1965年(昭和40年)に製缶・配管を行う鉄工所として鹿児島県出水市に創業されました。転機を迎えたのは1997年、この年現在の事業の基礎となるR&D事業部を設立し、レース用のオートバイ部品製造加工を開始しました。この時の技術やノウハウがその後の産業用の部品製造に活かされています。

2000年代にはパソコンや液晶テレビの普及で需要が伸びたフラットパネルディスプレイ向けの真空パーツの提供を開始し、この頃に社名をマルマエ工業から現在のマルマエに変更しています。

しかし2008年のリーマン・ショックで当時注力していた太陽電池向けやフラットパネルディスプレイ向けの事業が大きく打撃を受け、経営が傾き、一時は第三者により債権者と協議しながら事業の再生を目指す事業再生ADR手続の対象となる場面もありました。

その後スマートフォンやサーバーの普及により半導体業界が活況となり、マルマエは半導体を製造する装置向けの部品が大きく伸び、現在の売上高の約8割を占めるほどに成長しています。

マルマエの強みは?

マルマエの強みは半導体の製造装置などで使われる真空パーツなど技術力の問われる精密部品です。

半導体の製造工程にはよく真空状態が用いられます。大気中には、酸素や窒素、水素のほか様々な気体が混ざっているため、半導体の化学反応にわずかながらも影響を及ぼします。真空の状態であれば、このような不純物が少なくなるため、目的とする化学反応を起こしやすくなるのです。

また、材料に化学的な膜を形成する工程などではプラズマが用いられる場合があります。この時に真空の状態であれば大気中に比べて低圧、低温でプラズマを発生させることができます。

マルマエは産業向け部品などで培った加工の技術で真空を作り出す容器の真空チャンバー、静電気で半導体の材料となるシリコンウエハーを固定する静電チャックなどの半導体製造の心臓部で使われる部品製造を強みとしています。こうした精密部品の切削加工から溶接、組み立て、表面処理などを一貫生産しています。

これらの部品は半導体製造装置の大手メーカーの東京エレクトロンなどに供給されており、精密な半導体の製造ラインに欠かせない存在となっているのです。

半導体イメージ
半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置の心臓部である真空パーツや高精度パーツを社内一貫生産体制にて製造(写真はイメージです)

マルマエの業績や株価は?

マルマエの2022年8月期は売上高が前期比34%増の72億円、営業利益が49%増の18億円と大幅増収増益、かつ利益・売上高は過去最高を更新すると予想されています。5G、AI、データセンターなどの投資加速による半導体の需要増加で受注高は拡大基調となっています。

またマルマエは新規顧客に対して品質の高い試作品を提供出来ていることからシェアの拡大も続いています。高まる需要に対して人員の採用強化や設備投資による対応も順調に進んでいることも背景となっています。

マルマエ(6264)の株価(週足、終値)
マルマエの株価チャート
期間:2021年6月1日~2022年1月7日

1月6日の終値は3150円で、投資単位は100株単位となり、最低投資金額は約31万円です。半導体は需要の増加と供給の不足が続いており、当面は製造ラインの新設が続きそうです。マルマエの技術による部品について当面受注が強い展開が見込まれ買いが優勢となりそうです。

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