資産運用に興味があっても、初心者にとって株式投資のハードルは高いもの。本連載では、現役の証券アナリストが株式投資の魅力や付き合い方をやさしく伝えます。

  • ECとは「electronic(電子) commerce(商取引)」の略
  • 総決済額に占めるECの割合はまだ1割以下。今後も広がりの余地は大きい
  • BASE(4477)、モノタロウ(3064)、マクアケ(4479)に注目

総決済額に占めるECの割合はまだ1割以下

今回は、EC(電子商取引)をテーマにした銘柄選びのお話をしたいと思います。

すでにたくさん利用されている方も多いと思いますが、ECとは「electronic(電子) commerce(商取引)」エレクトロニック・コマースの略です。

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もともとECは、店舗を持たないことから価格面で競争力が高いことやネットを通じ世界中を商圏とできることから、米アマゾンや中国アリババなど巨大EC企業の成長が続いていました。コロナ禍による外出規制や巣ごもり消費がこの動きを加速させました。

さらに、リアル店舗とネットショッピングの融合の動きも進んでいます。世界最大のスーパーである米ウォルマートでは、ネットで注文した商品を店舗で受取るサービスが売り上げを大きく伸ばしています。あらかじめスマホのアプリで注文しておくと指定した時間に店舗に行けばスタッフが駐車場まで商品を運んできてくれる手軽さが受けています。筆者もマクドナルドのモバイルオーダーも便利で会計のレジの列に並ばなくてよいので多用していますが、このような動きはさらに広がって行きそうです。

2020年7月の経済産業省の電子商取引に関する市場調査によりますと、日本国内の消費者向けのEC市場の規模は2019年時点で19.4兆円と、前年に比べて約8%伸びました。しかし、リアルを含めた総決済額に占めるECの割合は約8%とまだ1割以下に過ぎず、今後も広がりの余地は大きいと言えます。

そこでECに関連したおすすめの銘柄を紹介していきます。

トラリピインタビュー

おすすめ① BASE(4477)

まずはBASE(ベイス)をご紹介します。BASEは東証マザーズの成長企業です。商材はあるがECの知見を持っていない中小の事業者向けにネットショッピングの支援サービスを展開しています。

サイトの構築や商品の管理などの必要な支援を初期費用ゼロで受けられる手軽さが人気となり、現在140万店舗がBASEの支援により、ネットショップを開設しています。またショッピングアプリや決済サービスも提供しており同様に需要が伸びています。

4月22日の終値は2016円で最低投資単位は100株なので、およそ21万円から投資できます。

おすすめ② モノタロウ(3064)

次にモノタロウ(MonotaRO)をご紹介します。モノタロウは、工事などの事業者が使う資材、工具のネットショッピングを手掛けており、「工具のアマゾン」のような存在です。

取り扱い商品の点数は約1800万件と非常に多く、15時までに注文すれば当日に出荷するという便利さが受けて業績の拡大が続いています。工事用の資材などは商圏が限られるニッチなものが多いこともあり、今後も事業者向けの伸びが期待されます。また、モノタロウのネットストアは一般消費者も利用でき、巣ごもりによるDIY需要も追い風となっています。

4月22日の終値は2845円で最低投資単位は100株なので、およそ29万円程度から投資できます。

いろいろな工具工具通販「モノタロウ」では約1800万点もの商品を取り扱う

おすすめ③ マクアケ(4479)

最後にマクアケをご紹介します。マクアケは、「世界をつなぎ、アタラシイを創る」を会社のミッションとするクラウドファンディング型のプラットフォームサイトを提供しています。

個人や企業が新たな新製品を作った際にマクアケのサイトに登録することにより、ユーザーに直接PRでき、クラウドファンディングや体験購入の形で商品を提供することができます。そのため新製品をマーケティングする手間や費用を削減できる便利さが受け、サービス利用が伸びています。クラウドファンディングはモノだけではなく、サービスなどの体験も対象としています。この他に自治体向けのふるさと納税型のサービスなど地方自治体との連携も深めています。

4月22日の終値は6460円で最低投資単位は100株なので、およそ65万円程度から投資できます。

なお、証券会社によっては1株から購入できるところもあります。少額から投資したい場合は、「単元未満株」の取引を検討するといいでしょう。

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