資産運用に慣れないうちはなんとなく難しいイメージがある株式投資。「興味はあるけれども、どの銘柄を選べばいいのかよく分からない」。そんな人は、1つのキーワードをヒントに銘柄を探していくという取り組みやすい方法があります。本連載では「健康経営」をキーワードに、具体的な銘柄も含めて紹介していきます。

2019年度現在、健康経営銘柄は36銘柄、健康経営優良法人は3324社が認定されています。企業内の経営努力で認定に至ることもあれば、健康経営の認定取得支援を事業にしている他企業の力を借りることもあります。

今回は、健康経営の認定取得支援事業を行っている東証一部上場企業、かつ、初心者の方でも比較的取り組みやすい、株価10万円以下と20万円台(執筆時)の注目銘柄をご紹介します。

健康経営銘柄や健康経営優良法人の認定を受けるためには?

健康経営銘柄や健康経営優良法人の認定を受けるには、認定基準の評価項目を満たすことが必要です。一例を挙げると、「定期健診受診率が実質100%である」「従業員の食生活改善の取り組みを行っている」「病気の治療と仕事の両立に力を入れている」といった評価項目があり、施策実行として設定されている15項目中、一定数以上をクリアすると健康経営の認定に大きく近づきます。

【図表1】健康経営優良法人2020認定基準項目一例

健康課題の把握
1. 定期健診受診率(実質100%)
2. 受診推奨の取り組み
3. 50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
対策の検討 4. 健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定
ヘルスリテラシーの向上 5. 管理職又は従業員に対する教育機会の設定
ワークライフバランスの推進 6. 適切な働き方実現に向けた取り組み
職場の活性化 7. コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み
病気の治療と仕事の両立支援 8. 病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み
保健指導 9. 保健指導の実施又は特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み
健康増進・生活習慣病予防対策
10. 食生活の改善に向けた取り組み
11. 運動機会の増進に向けた取り組み
12. 女性の健康保持・増進に向けた取り組み
感染症予防対策 13. 従業員の感染症予防に向けた取り組み
過重労働対策 14. 長時間労働者への対応に関する取り組み
メンタルヘルス対策 15. メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
受動喫煙対策 受動喫煙対策に関する取り組み(認定にあたって必須項目)
出所:経済産業省HPよりMonJa作成

評価項目の達成を支援する新規事業が増加中

健康経営関連の事業を行う企業は多く存在しています。

野菜や健康的なお惣菜をオフィスの専用冷蔵庫にデリバリーする株式会社コンペイトウ、フィットネスジム運営のノウハウを生かし、健康維持をサポートするスポーツデータバンク株式会社、特典付き歩数計アプリの開発・運営を行い、行政とも協力している株式会社CUVEYESなど、これらはほんの一例です。

ここからは健康経営関連注目銘柄をいくつかご紹介します。

株価10万円以下(執筆時)——アプリ開発・運営で健康経営をサポートする一部上場企業

ネオス株式会社(3627)
ネオス株式会社はヘルスケアやメディカルの分野に力を入れつつ、歩数に応じてイオンで使えるWAONポイントが付く特典付き歩数計アプリ「RenoBody」の開発・運営も行っている企業です。社員向け健康促進サービスとして行った「RenoBodyウォーキングイベントサービス」は大塚製薬やJT、健保組合等、150を超える企業・団体に採用されるという実績があります。

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント(8769)
企業のメンタルヘルスケア対策支援を2002年という早い時期から事業化して取り組み、この分野では国内トップシェアの企業です。また、出勤はしているものの、体調不良でパフォーマンスが低下している状態をプレゼンティズムと呼び、その原因の1つとして不眠が指摘されている昨今、睡眠はプライベートのことなので対応が難しいと考えられていましたが、睡眠問題解消アプリ「アドバンテッジスリープ」の提供を企業向けに開始し、従業員の健康改善に取り組んでいます。

株価20万円台(執筆時)——健康診断の運営代行などで健康経営をサポートする一部上場企業

株式会社ベネフィット・ワン(2412)
株式の半数以上をパソナグループが占めている、グループ傘下の企業です。健康診断から保健指導までワンストップで利用可能で、それらの運営代行業が好調の模様です。最近では、女性向け30分体操教室の「カーブス」と連携して無料体験特典を提供し、運動習慣のきっかけ作りに取り組んでいます。

【図表2】ベネフィット・ワン株主分布状況
ベネフィット・ワン株主分布状況
出所:ベネフィット・ワンHPよりMonJa作成

アドソル日進(3837)
健康診断の運営代行業などを行い、大手企業の健康保険組合が顧客でもある「バリューHR(6078)」と今年5月に資本業務提携を結んだのがシステム開発企業の「アドソル日新(3837)」です。直接的に健康経営に携わっている訳ではないのですが、大量の個人データが集約されている健診結果のセキュリティー水準を高める業務を行っています。

投資を通じて、より良い社会作りに間接的に参加

従業員を大切にする健康経営への取り組みは、関係各位の企業にも良い影響を与えます。これらの企業への投資は、投資家にとっても間接的により良い社会作りに参加することができる行為と言っていいかもしれません。

次回は、健康経営を支える大企業の銘柄などについて取り上げます。