豊かな人生に欠かせない健康。マネーを投資するのと同じように、健康にも価値を見出してライフスタイルをより充実したものに! 漢方薬にも詳しい薬剤師の視点で、健康投資に役立つ話題を毎月ゆるっとお伝えしていきます。
暦の上では立春も過ぎ、そろそろ本格的に花粉が飛ぶシーズン。本来、花粉で強い症状が出るのは当たり前ではありません。鼻水が止まらない、頭が重い、集中できない……それらは体のバランスが崩れているサインでもあります。今から体全体を見直していくことは、毎年繰り返す医療コストや将来の不調リスクを減らす「健康投資」。花粉への過剰反応が落ち着くだけでなく、体全体のコンディションが底上げされるリターンも期待できます。今シーズンこそ、その場しのぎではなく、土台から整える投資を始めてみませんか。
- 砂糖の摂りすぎも腸のバリア機能を弱め、花粉症の大敵に。発酵食品で“腸活”を
- 花粉症による炎症を抑えるには油を変えることと、水分補給が効く
- つらい鼻水には漢方薬も有効。一時的な対処だけでなく、花粉に強い体づくりを
今回は、花粉シーズンのつらさにサヨナラするために必要な体づくりの第2弾。
前回の記事では、小麦と乳製品を控え、腸を健やかにしていくというお話をしました。
今回はその続きとして、さらに一歩踏み込んだ食事のポイントをお話ししていきます。
甘い習慣が、腸のコスト高になる?
白井 栄里奈well2 Lab代表
薬剤師
前回、小麦と乳製品は、腸のバリア機能の低下=「リーキーガット」という状態を引き起こすというお話をしました。実は砂糖の摂りすぎも、リーキーガットが起こることが分かっています。
特に精製された白砂糖は腸内細菌のバランスを崩しやすく、その結果、炎症が起こりやすくなり、花粉に対しても過敏になりやすくなります。
ついつい甘いものに手が伸びたり、糖質ばかりの食事になってしまう。そんな方は、甘いものの量は控えめに、食事は野菜やおかずをしっかり食べることを意識して、糖質だけの食事にならないように取り組んでみてください。
発酵食品が腸を救う
腸のバリア機能を立て直すうえで欠かせないのが、腸内細菌のバランス。腸内細菌は「数」と「多様性」がカギになります。
サプリで乳酸菌やビフィズス菌を補うのも一つの方法ですが、まずは日々の食事が一番の腸活投資。味噌汁、納豆、ぬか漬け、麹料理などの発酵食品を足すのが◎。
日本の伝統食、和食を取り入れるだけで腸活になっちゃうんです。毎日取り入れて、腸によい一手を積んでいきましょう。
和食中心の食生活で、味噌汁や納豆などの発酵食品を無理なく摂取して腸内細菌のバランスを整える油を変えて、炎症をしずめる
油も、アレルギー症状に深く関わる要素の1つ。
油には炎症を促進しやすい油と、炎症をしずめてくれる油があります。
炎症は本来、体を守る大切な反応。ただし慢性的に続いてしまうと、花粉に対しても過剰な反応になってしまうのです。
炎症を促進しやすいのは、酸化している油や、オメガ6系脂肪酸に分類される、サラダ油、紅花油、ごま油など。
一方で、体の炎症をしずめてくれる油は、青魚に含まれるDHA・EPA、エゴマ油、アマニ油など。これらは、積極的に取り入れたい油たち。
- 揚げ物の頻度を減らす
- 魚料理を一品増やす
- 炒め物の油を変えてみる
体の6割は水分。細胞の脱水がかゆみや炎症を招く
私たちの体は、細胞ひとつひとつが十分に水分を含むことで、正常な働きを保っています。
ところが、脱水状態になると、細胞は乾いた状態になり、花粉などの異物が触れただけで「危険だ!」と免疫が強く反応してしまいます。
特に乾燥の強い季節は、1日1.7L程度の水分補給が必要。花粉症の人は、水分の巡りが上手くいっていないケースが多いんです。水分の摂り方についても、ぜひ過去の記事を参考にしてくださいね。
水分をしっかり巡らせ、細胞を潤した状態に保つことは、花粉に振り回されない体づくりの大切な要素です。
花粉症に使われる漢方薬
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
小青竜湯は、サラサラとした透明な鼻水が大量に出るときに用いられる漢方薬。
花粉症だけでなく、風邪の初期や鼻炎の症状にも使われます。
この漢方は、腸や体質を根本から整えるというより、つらい症状を和らげるためのサポート役です。花粉症以外にも、気管支炎、気管支ぜんそく、むくみ、感冒などにも用いられます。
前回からお伝えしてきた、花粉に振り回されない体づくり。薬を飲んで症状を止めるのは簡単ですが、今年はその一時的な対処ではなく、元のコンディションに戻していく投資をしていきませんか。それが花粉の症状をやわらげるだけでなく、全身にもプラスにはたらき、日常のパフォーマンスを高めるリターンとして返ってくるのです。
花粉に悩まされることなく、これからくる春の季節を喜べる、心も体もかる〜い状態にしていきましょう!













