配当収入を目当てに株式投資をするという個人投資家は少なくないでしょう。高配当株の中には年率10%、15%を実現している銘柄もあります。とはいえ、配当の高さだけを基準に銘柄選択することはお勧めしません。YouTubeチャンネル「【投資家】ぽんちよ」(2023年3月4日現在登録者数37.1万人)を運営し、「投資家ぽんちよのブログ」も大人気の投資YouTuberぽんちよさんに、高配当株投資の注意点について教えていただきましょう。
- 不労所得を獲得する上で配当収入は魅力的な存在!
- しかし配当利回りの高さだけに注目して投資するのはちょっと待った!
- いま高配当でも将来的に減配が予想されていれば株価は上がらない
高配当利回りランキングの危険性
どうもこんにちは、投資YouTubeチャンネル「【投資家】ぽんちよ」や「投資家ぽんちよのブログ」を運営しているぽんちよです! 投資をする人の中には、不労所得が欲しい!と思って高配当株投資をする方も多いと思います。
資産に対し効率的に配当金を増やす方法としては「配当利回りの高い銘柄を買っていく」という方法があります。そして、投資情報サイトの中にも「日本株の配当利回りランキング」「3月高配当株ランキング」といった「配当利回り」に焦点を当てたページもあり、チェックしたことがある人も多いのではないでしょうか?
順位 | 銘柄名 | 配当利回り |
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1位 | 商船三井(9104) | 15.46% |
2位 | 日本郵船(9101) | 14.24% |
3位 | 川崎汽船(9107) | 11.81% |
4位 | 乾汽船(9308) | 8.53% |
5位 | 三井松島HD(1518) | 8.23% |
配当利回り上位銘柄の中には、配当利回りが10%を超えるような銘柄も掲載されています。もし配当利回り10%で株価が変わらないのであれば、仮に100万円でその銘柄を購入し配当金再投資をすれば、10年後には259万円(非課税時)まで増加します。10年で資産が2.6倍近くまでなるのですから、夢が膨らみます。
ただ残念ながら配当利回りランキングで上位に掲載されている銘柄が、順調に配当金を継続し今後も株価が一定であるというのは難しいのが現状です。例えば現在の日本株高配当ランキングを見ると、商船三井・日本郵船・川崎汽船・乾汽船など、海運系の銘柄が上位を占めています。ただこれらの銘柄の配当利回りが高い理由としては、「現在の業績・配当金が今後も継続するとは限らない」と投資家から予想されているからです。
海運系の銘柄は今後減配するのか?
現在配当利回りランキング上位の海運系銘柄は、ここ最近で急激に業績・配当金を伸ばした銘柄になっています。これは、コロナ以降急激な海運輸送需要の上昇・原油高などにより、コンテナ運賃が高騰し、その恩恵を受けたからです。実際に日本郵船の1株あたりの配当金は、2020年40円→2022年1450円と配当金も36倍近くになっています。ただこのような運賃価格のバブルはいつまでも続くわけではありません。
実際にすでにコロナ以降上昇した運賃価格は下落しており、それに伴い今後業績も落ちていくことが予想されます。また、それに伴い減配が予想され、すでに企業としても2022年→2023年にかけて減配することを発表しています。
このように、配当利回りランキング上位銘柄というのは、「配当金に対し株価が上がらない理由」というものが存在することを忘れてはいけません。参考までに現在配当利回りの高い銘柄の多くは、コロナ以降の海運バブルや世界的な資源高により業績を上げている企業となっています。もちろん配当利回りランキングをきっかけに銘柄を知る、というのは悪いことではないですが、このような背景を知ったうえで投資をするか判断しましょう。