新型コロナウイルスの感染拡大は、金融市場に多大な影響をもたらしました。先行きの不透明感や経済への悪影響を背景に、多くの株式やファンドが値下がりしています。一方、そんな逆境においても、堅調な値動きを維持する投信があります。本シリーズでは、不安定な相場でも好成績を収める実力派投信をMonJa編集部が紹介します。

下落局面では底堅く、上昇局面では回復の早い傾向

世界では今、あらゆるモノがインターネットに繋がっています。自動運転や、外出先から自宅にある家電の操作が可能になるなど、私たちの生活がますます便利になっていく一方、同時にサイバー攻撃の被害も深刻化しています。

そんなサイバー攻撃から個人情報やネットワークを守る「サイバーセキュリティ」の分野に投資するのが、三菱UFJ国際投信が運用する『サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)』です。

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基準価額の推移を見ると、“コロナショック”により2月下旬から大きく下げたものの、その後、3月の中旬を底にV字回復しています。

『サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)』の基準価額の推移『サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)』の基準価額の推移
※分配金はこれまで一度も出していない

1カ月騰落率 3カ月騰落率 年間騰落率
サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし) 11.48% -2.15% 7.30%
eMAXIS 日経225インデックス 4.24% -14.00% -12.24%
eMAXIS NYダウインデックス -0.53% -20.19% -17.68%

2020年5月8日現在

3カ月騰落率は、日経平均株価やNYダウに連動するインデックスファンドがいずれも2桁のマイナスなのに対し、『サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)』は-2.15%に踏みとどまりました。

さらに1カ月騰落率では11.48%と、ここ1カ月で基準価額が大きく回復しています。直近の値動きを見る限り、指数と比較して下落局面では底堅く、上昇局面では回復の早い傾向にあるといえそうです。

トラリピインタビュー

在宅勤務やリモート学習の増加が追い風

『サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)』の好調な推移の背景には、在宅勤務や、リモート学習の増加があると考えられます。

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、日本では4月16日から全国に緊急事態宣言が発令されました。海外でもロックダウンなどを行う国が相次いでいます。緊急事態宣言やロックダウンで外出が制限され、教育機関が休校となった結果、自宅から仕事をしたり、授業に参加する人が増えています。

企業が在宅勤務の体制を整えたり、教育機関がリモート学習のシステムを導入する際には、サイバーセキュリティ対策が欠かせません。新しいセキュリティソフトを購入したり、より高度なセキュリティ機能を有するサービスに乗り換えるケースもあるでしょう。

例えば『サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)』の組み入れ銘柄の一つである「ゼットスケーラー」は、クラウド型のセキュリティサービスを提供する米国企業です。同社のサービスは公的機関にも採用された実績があり、低コストで高速な通信が特徴。

2018年3月に上場したばかりのまだ新しい企業ですが、2019年7月には上場価格の2倍以上の高値をつけました。コロナショックを受け一時は大きく株価を下げましたが、2020年5月8日現在、すでにコロナショック前を上回る水準まで回復しています。

サイバー攻撃の増加などで以前から好調であったサイバーセキュリティ関連企業が、コロナショックの追い風を受け、ますます勢いを増しているともいえるでしょう。

これからの社会を支えるインフラに

2021年には、東京オリンピック・パラリンピックが予定されています。交通の混雑が見込まれることから、オリンピック・パラリンピックの開催期間は在宅勤務を推奨する企業もあるそうです。

加えて日本では、“働き方改革”が推進されています。コロナウイルスの感染が終息し、オリンピック・パラリンピックが閉会した後も、在宅勤務などの柔軟な働き方の実現に取り組む企業は多いでしょう。これからの社会を支える一種のインフラとして、サイバーセキュリティに注目してみるのも面白そうです。

組み入れ上位10銘柄

銘柄名 国・地域名
1 クラウドストライク・ホールディングス アメリカ
2 ゼットスケーラー アメリカ
3 マイクロソフト アメリカ
4 オクタ アメリカ
5 アマゾン・ドット・コム アメリカ
6 スプランク アメリカ
7 ベリサイン アメリカ
8 サムスン電子 韓国
9 アルファベット アメリカ
10 フェア・アイザック アメリカ

2020年3月31日現在

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