近距離から遠距離まで、移動手段として便利なバイク。バイクに乗るのであれば、事故や車両盗難などへの備えもしっかり考えておきたいですよね。そこで今回は、2種類あるバイク保険の違いと、それぞれの補償内容について解説していきます。

  • バイク保険には「自賠責保険」と「任意保険」の2種類がある
  • 自賠責保険の補償額範囲を上回った金額部分を補償対象とするのが任意保険
  • 安心してバイクに乗るためには、任意保険も検討したい

バイクに乗る人全員が加入する「自賠責保険」

バイク保険には、バイク購入者は必ず加入しなくてはいけない「自賠責保険」と、加入するかどうかを自分で決める「任意保険」の2種類があります。

自賠責保険は、交通事故の被害者を救済する目的で、バイクに乗る人すべてに加入が義務付けられている保険です。補償は対人事故に限られており、傷害・後遺障害・死亡時に、被害者へ保険金が支払われます。

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補償内容と保険料はどの保険会社で加入をしても共通となっています。排気量によって保険料が変わります

【主な車種・期間の保険料(共済掛金)】
  60カ月 48カ月 36カ月 24カ月
軽二輪
(125ccを超え
250cc以下)
16,220円 14,110円 11,960円 9,770円
原動機付自転車
(125cc以下)
13,980円 12,300円 10,590円 8,850円

※令和3年4月1日以降始期の契約で、離島以外の地域(沖縄県を除く)に適用する保険料(共済掛金)
出所:自賠責保険(共済)ポータルサイト「自賠責保険について知ろう!」より抜粋

支払われる保険金額には限度額が設けられており、傷害の場合は被害者1人に対して120万円、後遺障害は75万円~3000万円(神経系統機能などに著しい障害が残り、介護を要する場合…第1級:4000万円、第2級:3000万円)、死亡時は3000万円の範囲で治療費や葬儀費、慰謝料などが支払われます。

しかし、対物事故への補償がないなど補償される範囲が限定されているため、自賠責保険だけで事故のすべての損害をカバーできるとは限りません。そこで活用できるのが、任意保険になります。

バイク事故の現場
自賠責保険だけでは事故の全ての損害をカバーできるとは限らないから、任意保険も併せて検討したい

より幅広い補償を備える「任意保険」

任意保険はその名の通り、希望する人が任意で加入する保険です。一般的に、「バイク保険」と呼ばれるのはこの任意保険になります。バイク事故で他人にケガをさせたり死亡させてしまったりした時の対人賠償補償と、他人の車両や所有品などを壊してしまった時の対物賠償補償が、バイク保険の基本補償です。

トラリピインタビュー

対人賠償については原則として、自賠責保険の補償額範囲を上回った金額部分を対象として保険金が支払われます。具体的には治療費や通院費、事故によって休業した場合の収入補償、障害を負った場合の介護費用、慰謝料などが補償対象です。

対物賠償については、損壊した物品の修理費用、またそれにより発生した営業損失費用などが支払い対象です。

他にも、バイクの運転者と同乗者が事故でケガをしたり亡くなったりした場合にその治療費などを補償する人身傷害補償、自損事故で治療費や修理費用がかかった場合の自損事故補償などが用意されている商品が多いようです。

【バイク保険商品を提供する保険会社の一例】
保険会社 概要
アクサダイレクト 電動バイクの契約についてはEV割引が適用され、保険料が1,500円割引される。
三井ダイレクト損保 全国の宿泊施設などを優待価格で利用できる契約者特典を用意している。
チューリッヒ保険 盗難時の臨時費用や他人のバイクを運転した場合の補償などを特約として用意する。

※ここでは保険商品の概要を説明しています。詳細は各保険会社のウェブサイトやパンフレットなどを必ずご確認ください

安心してバイクに乗るため、必要な補償の準備に保険の活用を

先述のように、自賠責保険に加入をしていれば一定の補償は確保できます。しかし、自賠責保険はあくまで相手のための補償であり、その金額にも上限が設けられています。自賠責保険で補償されない範囲については自費負担となりますので、もしもの時の経済的リスク軽減のため、任意保険が活用できると安心でしょう。

これから来る行楽シーズン、バイクに乗る機会も増えそうです。その前に改めて、バイク保険の検討をしてみてはいかがでしょうか。

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