預貯金の目安は収入の6カ月~1年分
シーズンオフの日本のプロ野球では、選手の契約更改の話題がよくニュースで取り上げられます。プロ野球は実力の世界なので、活躍すれば年俸が何倍にも増えるケースもありますが、期待を裏切った場合には数億円もの大幅減俸、あるいは戦力外通告という非常にシビアな評価を下されます。
大幅減俸や解雇された選手にとって、困るのがお金です。税金の支払いは、前年の収入をもとにして決められるからです。とくに何億円もの報酬をもらっていた選手の場合、翌年は稼ぎが少ないのに税金だけは高いままなので、支払いに苦労するという話も聞きます。
それほど高額の報酬を受け取っていない一般の人には、プロ野球選手のような税負担はありませんが、病気やケガなどによって仕事ができなくなれば、収入が大幅に下がったり、あるいは収入ゼロになってしまうのは一緒です。家賃収入など、本業以外の収入源があったり、共働きであればパートナーの収入でカバーすることも可能ですが、本業や自分以外に収入源がない人にとって就業不能は死活問題です。収入がなくなっても、食費や子どもの教育費、住居費といった支出は発生します。
万一のときにも生活を維持できるよう、ある程度の預貯金を用意しておくといいでしょう。目安は収入の6カ月~1年分ほどです。
公的保障や就業不能保険で生活費を補てん
万一働けなくなったときには公的保障として傷病手当金と障害年金があります。例えば傷病手当金であれば最長1年6カ月にわたって給与の約3分の2相当額が支給されます。法令で定める障害に認定されれば障害年金も支給されます。
この2つの公的保障に加えて、最近では民間の保険会社が販売している「就業不能保険」という保険もあります。就業不能保険とは、病気やケガで働けなくなったときに数十万円の給付金を受け取ることができる保険です。給付金額をふやせばその分保険料も上がるため、傷病手当金などの公的保障を踏まえて就業不能保険の加入が必要なのか、加入した場合はどれほどの給付金が必要なのか、よく検討しましょう。