ランチのキャッシュレス化は難しかった
PayPayさん、LINE Payさん、Origamiさん。
このところ、キャッシュレスに関する取材が多いです。やっぱり自分が使ってみないと、記事に説得力は出ないよね、なんて思うのですが、40数年身に付けてきたジャラ銭文化を変えるのは、一朝一夕にはいきません。
1週間、現金断ちをしてみよう! と小さな一大決心で生活実験に臨みました。やればできるものです。
通勤は定期だし、仕事の移動はSuicaかPASMOで間に合います。自動チャージにしておけば、残高不足でお金を取り出すこともありません。
会社の近くのセブン-イレブンは、前からnanacoを使っているので大丈夫。ファミリーマートは、入れたてのLINE PayでドキドキしながらQRコードを立ち上げました。
スーパーの買い物は大体がクレジットカードで支払えるし、無人支払いレジのお店も増えています。近所のディスカウントスーパーのOK(※1)は、クレジットカードで払えるレジと払えないレジがあって、知らないと戸惑います。あと、現金でないと食料品の割引特典が付かないので、少し損した気分になります。でも、これも実験の一環なので、我慢することにします。
なんとか過ごせるなと高を括っていましたが、問題は昼飯にありました。
これが意外とハードルが高く、全国チェーンでも現金以外お断りのお店は、少なくないです。しばしば利用するサイゼリヤの高田馬場店(※2)でさえ、現金しかダメとのことで、同じ建物の吉野家で、WAONを使いました。吉野家と仲が良い、はなまるうどんも電子マネーが使えるだろうと思いましたが、やはり高田馬場は現金オンリー。調べてみると、ショッピングモールに入っているお店なら電子マネーが使えるようです。
庶民派の定食屋や中華料理屋さんは、どこもダメだろうなと思っていましたが、ポツポツとPayPay対応のポップを見かけるようになりました。お客さんが留学生ばかりの行きつけの中華料理屋も、PayPayが対応できるようになりましたが、ランチは600円につき、初回キャンペーン500円では支払えないのが残念なところです。(今のところ、私は銀行口座からのチャージまで対応させていません)
そんなわけで、ランチの現金断ちはストレスが高く、空腹に弱い私には苦痛でしかありませんでした。
※1 OK(オーケー)
首都圏のディスカウントスーパーチェーン(2019年2月時点で、首都圏1都3県以外は仙台市に1店舗のみ)。米国のウォルマートをモデルに「Everyday Low Price」を掲げ、特売日を設けないのが特徴。
※2 高田馬場(たかだのばば)
東京都新宿区にあるJR山手線と西武新宿線の駅。都内最大級の繁華街である新宿と池袋からいずれも2駅と近いものの、近隣に早稲田大学などがあり、駅周辺は学生街としての色合いが強い。
「タッチ決済」に対応しているかと思ったら……
少額でもスマートに買い物をしたものだと、昨年、デビットカードを作ってみました。住信SBIネット銀行のVisaタッチ決済付きのカードです。
※住信SBIネット銀行のウェブより
Wi-Fiのマークを横にしたような絵柄が右上にありますが、これが非接触のタッチ決済のマークです。同じクレジット支払いでも、カードを渡して暗証番号を入力する手間がないのが魅力で、使ってみたいなと思ったのです。
高田馬場のドン・キホーテのレジで、このWi-Fiのマークを横にしたようなマークを見つけました。そこで79円のチョコレートを買ってみました。
支払いはVisaでと店員さんに伝え、カードを端末にかざしたのですが反応しません。
……。
あれ?ダメですかねぇ。私がつぶやくと、優しい店員は大丈夫ですと答え、レジの磁気読み取り機にカードを通し、出てきた伝票を渡すと、金額をお確かめのうえ、こちらにサインをしてください、と説明されました。
私が想像していたスマートな買い物とは違いました。
後日、VISAの方にその話をしてみたのですが、同じマークでも対応していないお店もあるようです。
キャッシュレスとはいえ、支払い方法がいっぱいあると、どの支払い方法にするのかお店に伝えなければいけません。そのお店では対応していないと、すみませんという返事が返ってきます。
客とお店がお互いに“すみません”を連発するような決済は避けたいものですね。そのあたりが、いまのキャッシュレスの課題と言えば課題な感じがします。