「ビットコインの利益に対する税率は最大45%にもなる」と聞いたことがある人も多いでしょう。株式の利益に対する税率は20.315%なのに、ビットコインはなぜこんなにも高いのでしょうか? その理由は、ビットコインの利益は雑所得に分類されるからです。雑所得の税率と、ビットコインに有効な節税対策をまとめました。
- 暗号資産(仮想通貨)に課税されるタイミングは、主に4つ
- 共通するのは、いずれも利益が確定したとみなされたとき
- 年間20万円以上の利益が確定すると確定申告して納税する必要がある
仮想通貨への課税タイミングを知っておこう!
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の税金について
ビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)にかかる税金の仕組みは、株式などの有価証券とまったく異なるので注意が必要です。課税されるタイミングは主に以下の4つがあります。
- 暗号資産(仮想通貨)を売却し、利益が出たとき
- 暗号資産(仮想通貨)で購入金額より高い買い物をしたとき
- 暗号資産(仮想通貨)で他の暗号資産(仮想通貨)を購入し、時価が増えたとき
- 暗号資産(仮想通貨)をマイニングで入手したとき
少し複雑に感じるかもしれませんが、いずれの場合も暗号資産で利益が出て、その利益が確定したとみなされたときが課税のタイミングです。確定申告のときに困らないよう、日頃から取引履歴や暗号資産で決済した記録をこまめに残しておきましょう。
ビットコインの税率は?
ビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)の所得区分は雑所得です。雑所得は総合課税の対象となっており、給与所得やその他の所得と合算した所得の合計額に所得税率をかけて算出されます。なお、雑所得の場合には、確定申告が必要です。
所得税の税率は、所得金額が大きくなるほど税率が高くなる累進課税です。税率は5%から45%の間で変動し、所得金額によって税率が定められています。
具体的な税率は次の表をご覧ください。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
雑所得の利益を年間20万円以下に抑えて、節税対策を
納税するには?
ビットコインで年間20万円以上の利益が出た場合は、確定申告して納税する義務があります。確定申告が必要にもかかわらず確定申告を行わなかった場合は、延滞金と無申告加算税が課されますのでご注意ください。ただし、ビットコインの利益も含め雑所得の総額が20万円に満たない場合は、確定申告は不要です。
ビットコインは総合課税のため、利益が多くなればなるほど所得税だけでなく住民税や健康保険などの社会保険料が増えます。納税も意識した運用が必要ですのでご注意ください。
ビットコインの節税対策
ビットコインの節税対策としてもっともオーソドックスなものが、利益を20万円以下に抑えるようにコントロールすることです。もしビットコインの売却益が20万円を超えそうな場合は、含み損のある仮想通過を売って損益通算すると利益を減らせます。
また、利益確定のタイミングとされるのは、換金したりビットコインで商品を購入したりした場合です。年間の利益額が20万円を下回るようにタイミングを調整するのも有効でしょう。
その他にも、個人事業主として青色申告するか法人化して事業所得として申告すれば、雑所得の税率との違いを利用して税額を減らせます。