コロナ禍の厳しい状況で「空き時間に働いてお金を稼ぎたい」というニーズが高まる中で、家事や掃除など「個人的に仕事を依頼したい人」と「今すぐ働きたい人」を結び付ける、“仕事のマッチングサービス”への注目がさらに高まるかもしれません。そんなサービスのひとつ「シェアジョブ」を全国展開する株式会社エントリーの田中萌子さんに、実際にどんな仕事が行われているのか、サービスがどのように活用されているかをうかがいました。

エントリー田中さん
株式会社エントリー
田中萌子さん

「すき間時間」を活用して働きたいというニーズ

「シェアジョブ」のサイトを見ると、「カテゴリから助っ人を探す」の欄に「代行」や「家事・雑用」といったカテゴリーがあって、具体的にどういう仕事が行われているのか気になりました。シェアジョブのサービスについて教えていただけますでしょうか。

田中さん シェアジョブは仕事のマッチングサービスで、「今働いてほしい人」と「今働きたい人」をつなぐ仕組みです。シェアジョブに登録している、「働いてほしい」と思った方がお仕事の内容や場所、時間、料金を設定して、それに合う方が申し込んで実際にお仕事をする、という流れです。

ラッセル・インベストメントspendtime

日頃のちょっとした困りごとを「仕事」として依頼したい、ちょっとしたすき間時間を活用して働きたいというニーズの高まりを受けて着実に登録者が増え続けて、今年11月時点で登録者は70万人を超えました。

「代行」というのは、たとえば自分の代わりに行列に並んでもらったり、お花見などの場所取りを依頼したりするものです。新商品の発売日にお店に並びたいけど並べない、そんなときにシェアジョブを利用する方が多いです。

シェアジョブの主な業務
「シェアジョブ」で募集している主な作業内容。比較的短時間で働ける案件が多い
(クリックまたはタップすると画像が拡大されます)

「話し相手」にもなってくれる

行列に並ぶ代行はありがたいですね。最近は周りへの悪影響や転売防止などの事情もあって、お店に行列ができること自体減っていますが、まだまだ並ばないと買えない商品やチケットもありますからね。

田中さん そのほかに多いお仕事としては、家事ですね。料理や掃除、庭の草刈りや家具の組み立てなどです。

ラッセル・インベストメントright

家具もただ組み立ててもらうだけではなく、「話し相手になる」ということでシェアジョブを利用する方もいらっしゃいます。新しい家具を買うと、どこに置くのがいいか迷うこともあるので、それを相談したり決めてくれたりするのが便利だという声もあります。

確かに、部屋の模様替えをひとりで考えるのはたいへんだし、失敗してまた家具を動かすのはつらいので、いっしょに考えてくれる人がいると安心かもしれないですね。
現在シェアジョブに登録されているのは、どのような方が多いのでしょうか。

田中さん 7割くらいが学生さんですね。あとは主婦の方にもたくさん登録していただいています。

新型コロナウイルスの影響で飲食店や観光業などのアルバイトが減ったので、空き時間にお金を稼げるサービスは、学生さんにとっては特にありがたいかもしれないですね。

田中さん ほかには、たとえば普段はプログラマーのお仕事をしている方が、勤務後の空き時間を利用して働くという例もあります。

エントリー田中さん

農業のマッチングも。仕事の内容は動画やチャットで確認

普段デスクワークが多い人だと、「体を動かす」という意味でもいいかもしれませんね。そのプログラマーの方のように、シェアジョブを副業として利用する方も多いのでしょうか?

田中さん 会社員で副業という例はそれほど多くないようですが、ほかの派遣業務やアルバイトと組み合わせる方は多いですね。たとえば明日の派遣先での業務が何時に終わるから、そのあとでもう少し働ける仕事はないか、といった使われ方もしています。

並び代行や家具の組み立てのほか、シェアジョブならではのお仕事もあるのでしょうか。

田中さん 農業に力を入れているところはユニークかもしれません。以前には青森県で、自治体と協力して農業の働き手を募っていました。今は全国のいろいろな地域で、農家のみなさまにシェアジョブを利用していただいています。

農家は収穫のときが特に忙しいでしょうから、臨時の働き手がいるといいですよね。でも未経験者にとっては、農業ってなかなかハードルが高い感じがします。

田中さん 農業は体力がいるから自分にはできないのでは、と不安になる方もいらっしゃるので、農家の方が実際にどういうお仕事を依頼するのかを動画で説明したり、依頼する農家の方と登録者がチャットできるシステムを作ったりして、働く方の不安を解消できるようにしています。

収穫
農家が繁忙期に仕事を依頼して、働きたい人は仕事の内容を確認したあとで農作業に参加できる(写真はイメージです)

働く人、依頼する人を評価するシステム

不安という意味では、お仕事を依頼する側にとっても「期待どおりの仕事をしてくれなかった」といったミスマッチを心配することもあろうかと思います。そうしたミスマッチやトラブルを防ぐための仕組みはあるのでしょうか。

田中さん 先ほどのチャットシステムでお仕事の細かい内容を伝えるのもそうですし、あとは「評価システム」もあります。お仕事を依頼する方、受ける方がそれぞれ評価し合うシステムです。

オークションサイトと同じシステムですね。高評価の方なら安心できそうです。ただ、そうなると新しく登録した方は高評価がないから不利になってしまいそうですが……。

田中さん 評価システムがある一方で、「仕事をしたい方と、仕事を依頼する方の時間と場所が合うかどうか」というマッチングが成立するかどうかが何より優先されるので、新規登録者の方も心配しなくていいかと思います。
今のところ、マッチングに関して大きな問題は起きていないようです。

他社のサービスとは違う、シェアジョブならではの特徴は何でしょうか?

田中さん 報酬の受け取りが早いことですね。基本的には、働いたお金をその日のうちにお支払いしています。振込申請を行えば24時間365日いつでも報酬を受け取れる即払いサービスは、たいへんご好評をいただいています。

シェアジョブのメリット
仕事の手続きのスピード、お金を受け取れるスピードがシェアジョブのメリットとのこと(画像はエントリー提供)

仕事をしたい人が自分の能力をアピールできる

急な事情で手持ちのお金がなくなったときなど、働いたらすぐにお金をもらえるのは便利ですね。
最後に、シェアジョブの近況や今後の展開などお聞かせいただけますでしょうか。

田中さん 今まではお仕事を依頼する方が「こういう仕事をしてほしい」と伝えるだけの一方通行でしたが、この11月に新しく「助っ人登録」という機能を追加しました。これは、働きたい方が「私はこんな知識や経験があります」という自己PRを登録しておくことで、それを見た方が「この人に働いてほしい」と思ったら、お仕事を直接依頼できるというサービスです。

自分の経験や能力を誰かから必要としてもらえるのは、お金だけではない満足感が得られそうですし、学生さんにとっては「自分は何ができるのか」を第三者に評価してもらえることが、もしかしたら就職活動にも役立つかもしれませんね。

田中さん 今後も拠点の拡大に努めながら、お仕事を頼みたい方と働きたい方の縁を取り持つ新しいサービスを打ち出していければと考えています。

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