藤子不二雄先生(正確には藤子・F・不二雄先生)の『ドラえもん』には、お金を増やすヒントが満載です。

ドラえもんのてんとう虫コミックスは全45巻(小学館)

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その代表回が、てんとう虫コミックス3巻の「ボーナス1024倍」。のび太のパパに冬のボーナスが出ました。のび太は自転車を買ってもらう約束です。でも、家の屋根は雨もりしているし、浴室はこわれているし、いろんな月賦も残っている。パパは「自転車はまた今度」と言い残し、散歩に行ってしまいます。

のび太は「ボーナスをふやす機械はないかしら」とドラえもんに相談しますが、「そんなのあれば苦労しないよ」と一蹴されます。それでも粘るのび太にドラえもんがひねり出したアイデアが、「銀行に預ける」でした。銀行の定期預金だと10年くらいでお金が倍になる、20年で4倍、30年で8倍……100年後だと1024倍。預けた後にタイムマシンで100年後に行けば、利息でふくらんだボーナスが手に入るので自転車を買ってもらえると説明します。

銀行の定期預金に預けると10年でお金が倍になるのは本当でしょうか。銀行の定期預金や郵便局の定額貯金の利息は、「複利」というルールに沿って付きます。複利とは、預けたお金(元金)に利息を入れて計算する方法です。

例えば、年間の利息10%の定期預金に100万円を預けると、

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●1年目
 元金:100万円 + 利息(100万円×10%):10万円 = 110万円
●2年目
 元金:110万円 + 利息(110万円×10%):11万円 = 121万円
●3年目
 元金:121万円 + 利息(121万円×10%):12万円 = 133万円

※税金などは除く

――となります。

2年目以降の元金は利息を含めるため、最初に預けた100万円ではなく、2年目なら110万円、3年目なら121万円になることがポイント。最初預けた100万円は、10年後にはなんと約260万円にもなります。

てんとう虫コミックス3巻が発売されたのは、今からおよそ半世紀前の1974年。1970年代半ばの郵便局の10年物定額貯金の金利は10%を超えていたので、ドラえもんの説明どおり、銀行の定期預金や郵便局の定額貯金に預けていれば「10年くらいでお金が倍」になっていたのです。

ちなみに、現在の一般的な定期預金や定額貯金の金利は0.01%。年間の利息0.01%でお金が倍になるには約7200年もかかります。さすがの藤子先生も、21世紀初めの日本がこんな歴史的超低金利になっているとは思わなかったかもしれません。あのときタイムマシンに乗ったドラえもんとのび太は、100年後の2074年の日本でいくらになったボーナスと出会ったのでしょうか。