高配当株は、保有しているだけで安定的に高い配当金が期待できるため、定期収入の仕組みを作りたい人にとっては、魅力的な投資手段といえるでしょう。高配当株を上手に使えば効率良く資産形成が可能なため、挑戦する価値は十分にあります。ただし、投資前に知っておきたい注意点もあります。本記事では、高配当株でありがちな失敗例をまとめました。購入する前に参考にしてください。

  • 定期収入の仕組みづくりに高配当株はうってつけ
  • 高配当株といっても万能ではない。「株価下落」「減配」など注意点もある
  • よく知らない企業に投資すべきでないのは、高配当株にも当てはまる

高配当株の魅力はインカムゲインにあり

高配当株投資のメリットは、株式を保有しているだけで高い配当金が受け取れる点にあります。配当金のように定期的に得られる利益をインカムゲインといい、お金がチャリンチャリンと入ってくる仕組みを作りたい投資家にとって、インカムゲインは欠かせません。利回りの高い高配当株を複数保有していれば、FIRE(若いうちに投資などで経済的自立を確保し、早期リタイアすること)も夢ではないかもしれません。ちなみにテレビやマネー誌などでおなじみの投資家・桐谷広人さんは「株主優待」のイメージが強いですが、高配当銘柄もたくさんお持ちのようです。

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ただし、高配当株であれば何でもよいわけではありません。表向きは、魅力的な銘柄に見えるだけに、隠れた「落とし穴」に注意する必要があるのです。ここからは、高配当株投資でありがちな3パターンの失敗を紹介していきましょう。

よくある高配当株投資の失敗パターン1「株価下落」

高配当な銘柄の中には、株価がさえない、もしくは下落傾向にある銘柄などが混じっていることもあります。高配当であれば投資家に歓迎されるはずなのに、それでも株価が下落しているということは、もしかすると業績や財務内容、企業体質、将来性などに問題を抱えた企業である可能性もあります。こうした企業は、業績がよくないにもかかわらず、株価対策のために無理に配当金を出している可能性があるため注意が必要です。

たとえ配当金で定期的な収入が得られたとしても、株価がパッとせず含み損を抱えている状態であれば、資産がトータルでマイナスになってしまうかもしれません。したがって、業績がよい高配当銘柄を保有し、配当金を受け取りながら仮に売却しても、売却益でもしっかり利益を出せる銘柄に投資することが高配当銘柄投資には欠かせません。

株価下落のイメージ
いくら高配当でも株価がパッとしなければ、資産がトータルでマイナスになってしまうかもしれない

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よくある高配当株投資の失敗パターン2「減配」

投資した時点で高配当であっても、その水準が永遠に続く保証はありません。一時の高配当だけに魅力を感じて投資してしまうと、将来的に配当金が減ってしまったときに「買わなければよかった……」と後悔することにもなりかねないのです。

高配当銘柄の中には、一時的な好業績や特殊要因で配当が増えているだけの銘柄もあります。こうした銘柄の配当は、いずれは元の水準に戻る(減配または無配当)可能性が高いため、高配当が一時的なものでないかチェックしておく必要があります。

減配になると、それまで配当金をメリットに感じてきた投資家が離れていくため、株価下落とのダブルパンチを食らうことになります。減配の理由に納得し、引き続き会社の将来性に期待が持てるのであれば、そのまま持ち続けるという選択肢もあります。しかし、減配になって、もう魅力がないと感じるのであれば、手放すタイミングかもしれません。

減配のイメージ
一時的な好業績で配当が増えている企業も多いので注意が必要

よくある高配当株投資の失敗パターン3「よく知らない企業」

高配当・高い配当性向だけに注目して銘柄を選ぶことは厳禁です。その企業のことをよく知らずに高配当だけを理由に投資してしまうと、最終的に失敗する可能性が高くなります。例えば、米国株は日本株に比べ配当性向が高い傾向にありますが、よく知らない銘柄へ投資すべきでないのは、株式全般に言えることです。

成功する投資家はもう始めている「米国高配当株」

高配当をきっかけに興味を持った銘柄なら、その会社の業績や将来性はもちろん、なぜ高配当・高配当性向なのかよく調べましょう。

よく知らない銘柄へは投資しない
よく知らない銘柄へ投資すべきでない点は、株式全般に言えること

高配当株だからといって安心はできない

高配当株は、きちんと銘柄の見極めをすれば安定収入につながり、あなたの資産運用の強力なエンジンになってくれるでしょう。ただし、高配当株も常に株価が変動することに変わりはありません。配当は魅力的でも、株価が下落し、トータルで見たらマイナスなんてことにならないよう注意深くチェックする必要があります。

2022年は米国の利上げやウクライナ情勢などを反映し、不安定な株価が継続しています。考え方を変えれば、これまで投資したくても株価が高く手が出なかった高配当株を安値で仕込めるチャンスが巡ってくる可能性もあります。引き続き高配当株には、注目したいところです。もちろん、投資する際には中身をよく確認し、保有している間も定期的な見直しを忘れずに行いましょう。

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