リスクが大きい半面、大きなリターンを狙えるかもしれない低位株投資。低位株投資にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本記事では低位株投資のメリットとデメリット、2021年の大化け銘柄について解説します。
- 低位株とは、比較的株価が低い企業の株式のこと
- 低位株は少額から投資できるが、株価の低迷を脱する有望銘柄を見つけるのは難しい
- 1年未満で株価が数倍に上昇する銘柄は少なくないが、急騰後下落するケースも多い
低位株とは株価が低い企業の株式
低位株とは、比較的株価が低い企業の株式のことです。「株価がいくら以下の企業は低位株」といった明確な定義はありませんが、おおむね一株あたりの株価が1,000円以下の企業は低位株と呼ばれています。一株が1,000円以下ということは、一単元(100株)の価格が10万円以下です。
低位株は株価が低い企業の株式なので、新しい企業が多いと思うかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。もちろん低位株の中にも新興企業は含まれますが、業績悪化によって株価が低迷している大手企業や、低い水準で長期間安定している老舗企業も含まれる点が特徴です。
一方、株価が高い企業の株式は値がさ株と呼ばれています。低位株、値がさ株は、あくまでも株価による分類に過ぎません。そのため、投資を行う際は企業の成長性や安全性を見極める必要があります。
低位株投資のメリット
少額から投資ができる
低位株は一株あたりの株価が安く、数万円で1単元(100株)の株式を買うことができます。値がさ株の場合は、ある程度まとまった資金の用意が必要です。
低位株は少額から投資ができますので、投資初心者にとっては特に嬉しいメリットだといえるでしょう。少額から投資ができると、多くの企業への分散投資もしやすくなります。
値上がり時の上昇率が高い
低位株は株価が低い企業の株式という性質上、値上がり時の上昇率が高い点が特徴です。低位株の運用がうまくいけば、値がさ株よりも少ない元手で大きなリターンを得ることが可能です。
低位株投資のデメリット
下落幅が大きい
低位株は上昇率が高いというメリットがある一方で、運用に失敗したときの下落率が大きい点がデメリットです。最悪のケースでは上場廃止となり、取引ができなくなる可能性もあります。値動きの大きい低位株はハイリスク・ハイリターンの投資といえるでしょう。
銘柄選定が難しい
低位株の株価が低い背景には何か理由があるはずで、そこから上昇が見込める銘柄を見つけるのは容易ではありません。低位株投資をする際には、企業動向や財務状況の分析もしっかり行って投資をする必要があります。
2021年に注目された大化け低位株
低位株では実際にどれくらいの利益をあげられるのかを確認するために、2021年の大化け銘柄を見ていきましょう。
ツインバード工業(6897)
ツインバード工業はユニークな家電製品をリリースする電気メーカーです。新型コロナウイルスワクチンを保管・運搬する超低温冷凍庫が話題となり、株式市場で注目を集めました。
2021年1月4日時点での株価は1,460円でしたが、1月27日時点では2,395円と急騰しています。しかし、その後下落し、12月30日現在では739円まで下落している状況です。
株価が低い低位株は急騰後の下落スピードが早いことも多く、見極めが非常に重要です。
FRONTEO(2158)
FRONTEOはAI技術を活用し、ヘルスケア、リーガル、金融など、さまざまな分野に向けたBtoBソリューションを提供している企業です。質の高いソリューションが多くの企業から支持を受けており、パナソニック、三井住友銀行、ライオンなど、大手企業も多く導入しています。
FRONTEOの株価は2020年12月末時点では617円でしたが、2021年12月30日現在で3,310円となっています。2021年10月には5000円を超える局面もありました。1年未満で急激に上昇する期待が持てる点は、低位株投資の魅力の一つといえるでしょう。
シンバイオ製薬(4582)
シンバイオ製薬は、治療が困難とされる病気の治療につながる新薬を開発している企業です。長らく赤字が続いていましたが、黒字化への道筋が立ったことが投資家に好印象を与え、2021年に大きく株価が上昇した企業の一つです。
シンバイオ製薬の2021年の年初来安値は1月4日の384円です。その後上昇を続け、6月17日には2,566円の高値をつけました。2021年12月30日現在は1,145円で推移しています。