子育て中の方にとって、子どもの病気やケガは心配なことです。特に行動範囲の広がる小学校進学以降は、思いがけないできごとに巻き込まれ、肝を冷やすことも増えるでしょう。そうなると、お金の面での備えも必要かな? といろいろな方法を考えることもあるかもしれません。今回は、義務教育に入った子どもの医療費の備えを考えてみましょう。
- 子どもの医療保険、民間保険の中には0歳から加入できるものもある
- 自治体の助成制度があるので保険に加入していなくても医療費負担は軽減できる
- とはいえ、自治体ごとに助成制度は異なるのでまずはそれを調べてみる
民間の医療保険への加入は0歳からでも加入できる
大きな病気やケガへの備えというと、民間の医療保険を思い浮かべる人もいるでしょう。民間の医療保険は、病気やケガで入院や手術をした際に、給付金を受け取れるものです。
民間の医療保険の中には、0歳などから保険契約できるものもあります。また、それに加え進学や20歳を迎えたタイミングなどで成長祝い金を受け取れるものもあります。そうしたタイプを選択すれば、医療費の備えと将来かかるお金への備えをある程度両立が期待できます。また、大きな病気にかかり入院が長期化した場合に、親の付き添いなどが必要なときにはその費用に充てることもできるでしょう。
保険会社 | 保険商品名 | 概要 |
---|---|---|
三井住友海上 あいおい生命 |
&LIFE こども保険 | 契約年齢に応じて進学時期にお祝い金を、 契約者の万が一のときには養育年金を受け取れる |
太陽生命 | 子供医療保険 | 入院への一時金保障を主に、不慮の事故での 入院や手術保障も選択できる |
ただし、民間の医療保険に加入するということは当然、月々の保険料支払いが発生します。年齢が若いうちに加入すると一般的に保険料も割安になりますが、それでも支払いが子どもの独立などのタイミングまで続くことは留意しておきたいポイントです。
自治体の助成制度で子どもの医療費負担は軽減される
もしも民間の医療保険への加入が厳しくても、心配し過ぎる必要はないでしょう。自治体が子どもの医療費助成を用意していることも多く、医療費負担はある程度軽減されるためです。
東京都の例では、義務教育就学前までは「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」、義務教育就学後は「義務教育就学児医療費の助成(マル子)」から助成を受けられます。また、2023年4月からは15歳の4月1日から18歳になった直後の3月31日までを対象にした「高校生等医療費助成制度(マル青(あお))」も始まります。これらの助成では、健康保険の自己負担額の一部が助成されます
こうした医療費助成には地域差があるため、自身の住んでいる自治体でどのような助成が用意されているか、また利用するための条件はどういったものかを把握しておきましょう。自治体のウェブサイトなどで確認ができます。
学校の授業中などのケガは「災害共済給付制度」を活用できる
学校の管理下にある中でケガをした場合には、学校で加入をしている共済の「災害共済給付制度」を利用できます。
以下のような状況の中でケガをして病院をした場合、この制度から給付を受け取ることができ、自己負担費用が相殺されます。
- 授業中、保育中
- 部活動や臨海学校などの課外活動中
- 昼休みや放課後などの休憩時間または学校の定めた特定時間中
- 登校中、下校中など
なお、上記の助成制度と併用はできません。
子どもの医療保険、必須ではないがニーズに合わせて検討を
子どものケガや病気について、通常の公的医療保険に加えて、医療費助成制度と災害共済給付制度を併用することで、負担はかなり軽減できます。そのため、子どもの民間の医療保険加入は急いでしなくてはいけないというものでもありません。
しかし、医療費助成制度には地域差があるため、お住いの自治体によっては思ったよりも費用がかかることも考えられます。その不足分を補うのに民間の保険が必要だと感じた場合や、貯蓄性のあるものの活用などを希望する場合には、ニーズにあったものがあるかどうか調べてみると良いでしょう。
また、保険加入の優先度としては生活を支える保護者の方の方が高いとも考えられます。もし保護者の方がまだ保険に加入していない場合、まずはご自身の保険検討から始めてみるのはいかがでしょうか。