豊かな人生に欠かせない健康。マネーを投資するのと同じように、健康にも価値を見出してライフスタイルをより充実したものに! 漢方薬にも詳しい薬剤師の視点で、健康投資に役立つ話題を毎月ゆるっとお伝えしていきます。
暦の上では小雪。冬の訪れを感じる寒さとなりました。空気も乾燥し、インフルエンザが流行するシーズンとなりました。風邪を引いてしまうと、仕事を休んだり、思考も低下したり、お金も時間もロスすることに。普段から風邪をひきにくくなる体づくりをお伝えします。

  • 免疫に効く代表的な栄養素はビタミンC、ビタミンD、亜鉛
  • 冷えも免疫の大敵。食養生や漢方で冷えに強い体をつくる
  • 過労などで風邪を引いてしまったら、漢方の力を借りて症状を抑える
白井 栄里奈白井 栄里奈
well2 Lab代表
薬剤師

いよいよ、冬の到来を感じる寒さとなってきました。今年は例年よりインフルエンザの流行が早く、巷では学級閉鎖となる学校も急増しています。

猛暑によって体力が消耗し、さらに大きな寒暖差により、免疫力が低下している可能性も考えられます。風邪をひけば薬代や医療費がかかるだけでなく、仕事の生産性が落ち、家庭の時間も失われます。まさに「見えないコスト」。

アート投資を資産形成に!

だからこそ、風邪をひかない体づくりは最もリターンの高い“健康投資”。この冬を風邪知らずの万全な体調で乗り切るには、”攻めの守り”が必要です。

免疫力、抵抗力を高める鉄板の栄養素

① ビタミンC

ビタミンCは白血球の働きを支え、ウイルスと戦う力を高める栄養素です。
寒暖差・ストレス・慢性的な炎症などで、どんどん消費されてしまいます。そのため毎日コツコツ補うことが大切です。

食材では、じゃがいも、ブロッコリー、赤パプリカなどはビタミンCが多くおすすめ。いちごにも多く含まれていますよ。

赤パプリカとブロッコリーのサラダ免疫にはビタミンCを意識した野菜の摂取を

② ビタミンD

免疫が活性化するために必要なのがビタミンD。のどや鼻などの粘膜でのバリア機能を高めてくれます。また、免疫細胞を作る腸の粘膜も強くしてくれますよ。

ビタミンDの多くは、日光を浴びて皮膚から作られます。食事ではキノコ類がおすすめ。けれどやはり一番は、“日光を30分浴びること”。
どの地域に住んでいるかによって、冬の弱い日差しでは足りないことも。サプリメントも活用して補うと安心です。

③ 亜鉛

免疫細胞がしっかり働くためには、亜鉛が欠かせません。のどや鼻の粘膜を強く保つ役割もあります。

冬に旬を迎える牡蠣は亜鉛の代表格。ほかにもレバーにも多く含まれています。

冷えると免疫の力もパワーダウン

冷えは万病の元。体温が1度下がると、免疫力が30%低下するとも言われています。

冷えによる免疫低下、パフォーマンスの低下を防ぐ食養生や漢方の活用については、過去の記事もぜひご覧ください。

冷えを克服! ぽかぽかボディでマネー感覚も高める

風邪の時に役立つ! 漢方で“損失を最小化”

風邪をひきにくい体にするためには、日々の健康投資が一番。しかし、食生活の乱れや睡眠不足、多忙による過労などで、風邪をひいてしまう時も。そんなときにこそ漢方が役に立つんです。

葛根湯(かっこんとう)

風邪の漢方といえば葛根湯ですが、風邪は刻一刻、症状が変わっていくもの。
葛根湯が一番効くタイミングは、風邪の引き始め。悪寒があって、汗をかいていない状態に適しています。体温を高め、汗をかかせて、病を体から追い出してくれます。

銀翹散(ぎんぎょうさん)

特にのどの痛みがあり、のどや鼻の乾燥を感じる時におすすめです。風邪の比較的初期に役立つ漢方で、炎症を抑えてくれます。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

風邪の中期、後期に使う漢方で、頭痛や発熱などの症状だけでなく、風邪によってお腹の調子も悪くなってしまった場合に。風邪の諸症状にもお腹の症状にも効果が期待できます。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

風邪の治りかけ、乾いた咳が続く場合に喉を潤してくれる漢方です。
主成分の「麦門冬」が、粘膜を潤し、咳を鎮め、痰を出やすくしてくれます。

寒くなるこの季節、「風邪ゼロの最強ボディ」にすることで、体調不良でダウンする日、集中力が落ちる時間、予定が狂うストレスなどの、目に見えないコストを確実に減らし、日々の生産性を守る、まさに最強の健康投資です!

ブレにくい身体をつくることで、忙しい毎日のパフォーマンスは大きく底上げされます。先回りのケアこそが、最大のリターンを生む自己投資。冬こそ、自分の体にしっかり投資していきましょう。