新年度に入り、新しい環境での生活をスタートしようという人も多いでしょう。特に、社会人になりたての方などは、思い切って一人暮らしを始めたいなと考えているかもしれません。一人暮らしを始めると、それまでの生活とは違ったお金も発生します。まずはどういった費用が必要になるのか、データから確認していきましょう。
- 単身世帯の3大支出は食費、住宅費、水道光熱費の順
- 家賃の平均は約5万6000円。毎月払い続けられるかよく考える
- 一人暮らしは手元にお金がある状態で始め、さらに貯蓄できるゆとりがあると安心
一人暮らしをすると生活費はどれくらいかかる?
これまで実家暮らしなどで、生活費のすべてを自分でまかなったことがないという場合、実際の支出がどれくらいになるのかはなかなか想像しづらいかもしれません。
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)」から、2022年の単身世帯の支出金額データを見てみると、年間の支出は以下のようになります。
日本全国からのデータのため、家賃などの金額が実際とは異なる可能性がありますが、最も多くかかったのが食費、次いで住宅費、水道光熱費となっているようです。
ひと月あたりに換算をすると、食費(外食費も含む)は約4万3000円で、支出全体の約26%を占めています。また、水道光熱費は約1万3000円、季節によってはエアコンなどの器具の使用が増え、さらに大きな金額がかかる可能性があることに注意が必要です。
住宅費は約2万3,000円で全体の14%程度になっていますが、これは地域や物件の状況によってはさらにかかると考えられます。住宅費については、同じく総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果」も参考にしてみましょう。こちらのデータでは、全国の1カ月当たりの家賃・間代は5万5675円になっています。
家賃・間代は増加傾向にあり、今後一人暮らしを始める場合はさらに支出が大きくなる可能性もありそうです。
このように、一人暮らしをするには月々さまざまなお金がかかります。まずは自身の収入で本当に生活をしていけるのか? 概算をしてみるところから始めることをおすすめします。
一人暮らしを始めるときの費用や続けるための費用も必要
また、一人暮らしは始めるときや続けるための費用も必要となります。一例として、以下の費用が発生すると考えておきましょう。
【一人暮らしを始めるときにかかる費用】
- 日割りの家賃(月途中の契約の場合、月末までの日数分の家賃)
- 敷金・礼金(1カ月~数カ月分の家賃と同額)
- 賃貸保証会社への保証料(数千円~1万円程度)
- 引っ越し会社の利用料金(現住居から新住居の距離に応じて数万円~)
- 火災保険の契約料(補償額に応じて数千円~数万円)
【一人暮らしを続けるための費用】
- 物件の更新料(1カ月分の家賃と同額)
- 火災保険更新料(契約内容に変更がなければ契約料と同額)
- 賃貸保証会社更新料
いずれも、大きい時には10万円を超える大きな費用負担になります。クレジットカードなどを使っての分割払いが可能な場合もありますが、口座振り込みのみ対応といったケースもあります。一人暮らしは、手元にお金がしっかりある状態で始め、そして定期的な更新などに向けた貯蓄もしておけると安心です。
昨今の物価上昇も考慮に入れて
ここまでいろいろなお金について見てきましたが、2022年に引き続き、2023年も物の値上がり傾向は続くといわれています。そうなると、今の状況であれば問題なかったとしても、半年後には家計が厳しい、といった変化も起こるかもしれません。
そうした場合、すぐには見直しにくい家賃のような固定費が家計を圧迫することもあります。「こんな物件に住みたい」という理想は誰もがあると思いますが、自分の収入で無理なく払い続けられる範囲に抑えるよう、しっかり検討してみてくださいね。