レポート提供:アセットマネジメントOne(2019年4月22日)
- 国内市場の10連休を控え、国内投資家の売りが目立つ状況に。ただし、総じて堅調な米国経済や持ち直しの兆しがみられる中国経済などを考慮すれば、海外のイベントに波乱となる要素は少ないか。
- 過去、米国株の5月の月間騰落は総じて良好。また、欧州で政治的に突発的な悪材料が出る可能性は年初に比べ低下したと考えられ、連休明け後の日本株急落の可能性は大きくないと思われる。
4月に入り国内投資家の売りが目立つ状況
国内市場の10連休を控え、投資家に警戒感が高まっているとの報道が多数見受けられます。
日本の連休中に米国株などが大幅下落した場合に、連休明けの日本株急落が懸念されているとみられ、4月に入り株価指数先物や信用取引の買い残などからは国内投資家の売りが目立つ状況となっています。はたして、急落の可能性は高いのでしょうか。
【図表1】10連休の海外注目イベント
※日本の10連休は4/27(土)~5/6(月)
出所:各種資料、報道等をもとにアセットマネジメントOne作成
海外のイベントに波乱要素は少ないと思われる
まず、株式市場に影響を与えるとみられる海外のイベントですが、米雇用統計など重要な指標の発表が相次ぐものの、例年の日本のゴールデン・ウイーク時と特に変わりはありません。
米連邦公開市場委員会(FOMC)や米大手企業の決算発表も毎年この時期に行われます。欧州の一部で選挙が行われることには留意が必要なものの、毎年5月1日はメーデーにあたり、欧州や中国なども休場となることから、世界的にもこの時期、重要イベントが比較的少ないのも特徴です。
総じて堅調な米国経済や持ち直しの兆しがみられる中国経済などの動向を考慮すれば、波乱となる要素は少ないと思われます。
5月の米国株のパフォーマンスは総じて良好
次に、連休明け後の日本株に与える影響が大きいとみられる米国株については、過去の5月の月間騰落は総じて良好で、直近6年間は全て上昇しました。
2010~2012年には大幅下落もありましたが、これはリーマン・ショック後の世界的に景気回復が途上にあり、経済が不安定ななか、ギリシャを中心に欧州債務問題が深刻化した時期でした。ただし、2010年と2012年については5月末から年末にかけてそれぞれ+15.4%、+8.8%と下落を取り戻す展開となりました。
足もとで英国の欧州連合(EU)離脱の期限が10月末まで再延期されており、政治的に突発的な悪材料が出る可能性は年初に比べ低下したと考えられます。こうしたことから、連休明け後の日本株急落の可能性は低いと思われます。また、中長期投資の視点からは目先の動きに一喜一憂することなく、世界経済の拡大に見合った投資パフォーマンスを追求することが必要と考えます。
【図表2】米国株(S&P500種指数)5月の月間騰落率
※期間:2009年~2018年(月末値ベース)
出所:ブルームバーグのデータをもとにアセットマネジメントOne作成
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