レポート提供:ニッセイアセットマネジメント(2019年3月4日)

  • 5月の欧州議会選挙の議席予測では与党:欧州人民党が第1党を維持する見通し。
  • 大勢に変化はない見込みの一方で反EUなどを掲げる極右政党が議席を増加させる見通し。EU統合深化改革への影響も。各会派の移民政策への公約にも注目度が高まる。

大勢に変化はないが極右政党などが躍進か

3月1日にEU(欧州連合)の立法機関である欧州議会は今年5月に予定されている欧州議会選挙の予測を公表しました(毎月2回程度公表)。

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予測は各国の政党支持率(各政党は欧州議会各会派に所属)をベースに算出されており、今回の選挙での総議席数は705議席です。前回2014年から46議席が削減されていますが、英国のEU離脱の影響で英国分73議席が自然減し、新たに14ヵ国へ27議席が割り当てられました。直近の予測では、現状と同じく欧州人民党が議席を減らすものの第1党を維持する一方で、ポピュリズム(大衆主義などと呼ばれます)政党や極右政党が所属する会派が議席を伸ばしそうです。

反EU・反移民などを公約に掲げる会派「自由と直接民主主義の欧州」は、イタリアの与党である五つ星運動やドイツの極右政党「ドイツのための選択肢国家」などが所属しています。主にイタリアとドイツで議席を伸ばすことが予想されています。また、同様の公約を掲げる「国家と自由の欧州」はフランスの極右政党である国民連合(RN)やイタリアで五つ星運動と連立与党を形成する同盟が所属しており、フランスではマクロン大統領の支持率低下を機にル・ペン氏が率いるRNが支持率を伸ばし、議席を上積みしそうです。

【図表1】5月欧州議会選挙予測(2019年3月1日発表)
【図表1】5月欧州議会選挙予測
出所:欧州議会のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

【図表2】反EU会派等の議席占有率予測
【図表2】反EU会派等の議席占有率予測
出所:欧州議会のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

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EU統合深化改革に「待った」の声も

基本政策に違いがあるものの、EUの統合深化に反対する欧州懐疑会派(英国与党保守党が所属、EU離脱決定により英国議席が減少)や、自国を優先しEU離脱も辞さない反EU会派など、方法は違えどもEUの統合深化を目指す改革には反対の会派が一定程度議席を保持しており、反EU会派は支持を着実に伸ばしています。ただし、欧州議会の持つ権限上(欧州委員会への立法発議請求権のみ保持)、それらの会派が過半数を獲得したとしても、すぐにEU解体につながるような条約やルールが改正される可能性はかなり低いと思われますが、今後のEU改革へ一石を投じることにはなりそうです。

各会派のマニフェストは春に公表されることになっており、とりわけ欧州市民は移民政策に高い関心を示すとの調査結果が出ています。各会派の移民政策についての公約が注目されます。ドイツ・フランスなど与党の支持率が低下傾向にある中、欧州議会選挙の結果が、政権や政策へ大きな影響を及ぼすことも想定され、5月の選挙へ向けて各国政党の動きが活発になるものと思われます。

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