相場や株式のニュースを見ていると「調整局面」という言葉をよく耳にすると思います。本記事では、調整局面とはどのような意味なのか解説するとともに、投資家が調整局面でとるべき行動についても考えます。

  • 株価の調整局面とは、値上がりが続いた後の下落局面のこと
  • 個別株投資では一時的な下落か、長期下落トレンドへの転換かを見極めたい
  • 長期的な成長期待に変わりなければ、積立投資では悲観の必要なし

株価の調整局面とは値上がり後の下落のこと

株価の調整局面とは、株価の値上がりが続いた後、一時的に下落するような局面のことです。

株価が勢いよく上がった場合に、上がりすぎた株価が調整されるように値下がりする様子から調整局面と呼ばれています。株価の調整局面では一時的な値下がりで終わることもあれば、そのまま下落局面となることもあります。

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株価の調整局面を乗り切る方法──個別株投資の場合

個別株投資の場合、調整局面によってせっかく上昇局面で得た利益を大きく削ってしまう場合もあります。

株価の世界の格言のひとつに「登り100日下げ10日」という言葉があります。株価が上昇するときはゆっくりで、下降するときは早いという意味です。個別株の株式が上昇する際に、新商品の開発や情勢の変化などによって株価が急騰することもあります。しかし、このような急騰は稀で、通常は業績の改善などによって少しずつ株価は上昇することが一般的です。

下落局面においては、上昇局面よりも早いペースで下落することが多くあります。特に下落局面が始まる前に株式が上昇していた場合、多くの投資家が含み益を持っているため、利益が出ているうちに解約しようと売り急ぐ傾向があるのです。

「一時的な調整局面だろう」と見守っていると、あっという間に下落して、これまでに得ていた含み益を失い、含み損となる可能性もあります。下落局面での選択肢は以下の3つです。

  1. そのまま保有する
  2. 売却する
  3. 買い増しする

下落局面では、上記の3つのうちから判断する必要があります。しかし、その判断は非常に難しいもの。判断に迷う場合は一つに決めず、さまざまな方法を組み合わせるとよいでしょう。

例えば②の売却を選んだ場合でも、保有している株の半分だけを売却することや、売却するとしても調整局面が終わったことを確認してから再度購入することも可能です。

株価が一辺倒で上昇し続けることは非常に稀であり、どのような優良株でも調整局面に入る可能性があります。調整局面で判断を誤らないことが長期的な株式投資の成功にもつながるため、しっかりと情報収集をして一時的な調整局面なのか、それとも長期的な下落トレンドへの転換なのかを見極めたいところです。

調整局面でうろたえないためにも、上昇相場の時には調整局面に入ったらどうするか、事前に考えておくことが賢明です。「登り100日下げ10日」といわれるスピードの早い下げ相場に対応するためには、事前の準備と的確な判断が欠かせません。

株価の調整局面を乗り切る方法──積立投資の場合

積立投資の場合は、下落局面であっても悲観する必要はありません。積立投資は上昇局面でも下落局面でも、一定額を購入する方法です。

下落局面では同じ金額でも安く多く購入できますので、積立投資を継続している場合であれば、下落局面は必ずしも悪い状況とはいえません。調整局面が一時的なもので、今後の値上がりが期待できるのであれば、そのまま積立投資を継続すればよいでしょう。

ただし、調整局面が一時的なものなのか、長期的に下落するような局面になったのかを見極めることは非常に重要です。調整局面が一時的と判断したのであれば、積立投資の金額増加や、積立投資の金額以外に臨時で買い増しを検討してみてもよいでしょう。一方で、投資対象の長期的な成長が期待できなくなれば話は別です。何も考えずに投資を継続するのではなく、継続するべきか否かについて、再度検討する機会にしてみてもよいかもしれません。

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