宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、小田さん自身の経験を交えながら、現物不動産投資の事例と活用法について説明いたします。

  • 新型コロナウイルスの影響は大きいが、投資信託もリートも価格はいずれ戻るはず
  • 人生の3大出費をまかなうのは難しいので、不動産の活用を考えてみる
  • 小田さんが子どもの通学のために買ったマンションが老後資金の運用に役立っている

深刻化する新型コロナ。不動産投資も焦らないことが大切

終わりはあるのか? そんな言葉が行きかっています。
「コロナウイルス・パンデミック」によって、世界経済が翻弄されている状態が続き、株安の連鎖が起きています。リーマンショックを超えかねない市場の動揺です。
物流、消費、娯楽などの停滞が長引くと、経済はより一層の負の連鎖が拡大していくことでしょう。日本にとっては、東京オリンピック・パラリンピックの開催問題も経済の足かせとなっています。予定どおり開催するのか、あるいは1年ないしは2年延期するのか。どちらにしてもハッキリと結論が出ないと、日本の株価はもう一段の下落が頭をよぎります。

私の運用資産も例外ではありません。株式、投資信託は3月に入って運用資産が約27%の目減りです。
ただし、株式に関しては、一部解約などで現金化して次のステップに入れるよう準備もしています。優良株の配当金狙いには絶好のチャンスが巡ってきました。

投資信託の定期積立はもちろん、断固継続です。現状では経済の破綻はあり得ません。複雑な要因がからみ合って起きたリーマン・ショックの金融危機とは違い、原因はウイルスとわかっているのですから、治療薬の開発など必ず終わりが来ます。焦らずに長丁場で挑みましょう。

不動産投資信託(リート)も同じです。特にホテルリートの下落はかなりキツイようですが、いずれ戻ります。焦らない、焦らない。

そこで今回は前回に引き続いて、経済の動きに資産価値が左右されにくい「現物の不動産投資」について考えていきたいと思います。

住居費を抑えて老後資金に回し、教育資金を確保

【質問】
大学受験中の息子が、受かったら来年から東京近郊の大学に行くっちゃけど、アパート代もたけぇわ。仕送りも大変じゃ。学費は奨学金を借りるけど、仕送り代のためのお金を、何か運用して増やせんじゃろか?

この方のように、お子さまの進学に関するお金の問題で悩む方は多いと思います。
一般論としては「お子さまが生まれた時から、学資保険などの積立で教育資金を準備しましょう」などとアドバイスするのでしょうが、金利も低い今の時代では、ご自身の老後リスクにも重点を置かなければならないと思っています。

人生の3代出費としてよく言われるのが、①教育資金、②住宅購入、③老後の生活です。人生の3代出費に備えるお金の割合は、①教育資金を30%、③老後の生活を50%確保して、②住宅購入は全体の20%くらいに抑えることがベストだと思います。
これだけ少子高齢化で人口減少が進めば、空き家などが増え、住宅は余ってきます。何も高額な新築に手を出さなくても、中古住宅をリフォームすればいい住宅に住むことができます。住宅にかかるお金の割合を、老後資金に回してあげましょう。それだけ高齢化社会は深刻なのです。

とは言っても、不動産を使った資産運用はなかなかコントロールが難しいものです。そこで方法論になりますが、私自身が実践してきたことにヒントがあると思いますので、述べていきます。

子どもが大学に通う部屋を、賃貸ではなく購入

前回、「意味のある資産(借金)」として現物不動産投資について説明しました。
何事もきっかけは必要です。14年前になりますが、子どもの進学時にあわせて中古ワンルームマンションを購入しました。
賃貸も考えたのですが、東京近郊で4年間の大学生活、トータルの家賃などを計算すると、最低限約400万円払わなければなりません。もちろん、払ったお金は全額掛け捨てです。もったいないと思いませんか?

そこで、考えました。資産として住宅を持とう。どうせなくなるお金です。子どもが大学に通学でき、卒業できれば4年後にはマンションを現物不動産として転用できる。お金を生み続ける財産としてのメリットが期待できるのです。
リスクを最小限にするために、借金の上限を400万円として、少ない頭金で購入できる物件を探しました。すると、会社員がバブル時代に購入したけれどバブル崩壊後にお金に困って手放したという物件が、ちょうど安価で購入できました。
これで、子どもの4年間の教育にかかるお金と、老後の生活資金を家賃収入でまかなうための現物不動産投資ができたことになります。

購入した物件は区分所有のマンションとちっぽけなものですが、後に絶大な効果を生みました。東京近郊とあって、物件価格は現状でも値崩れしていません。状況によっては売却も可能です。まさに「意味のある資産(借金)」ですね。教育資金と老後資金の一石二鳥に加え、子どもが大学に通うための住家も手にすることができたのです。

ワンルームマンション
立地が良いワンルームマンションなら値崩れしにくく、長期的に安定した家賃収入が期待できる(写真はイメージです)

良い不動産を持てば、老後資金の運用の足しになる

超低金利の今の時代、「人生の3大出費」すべてをまかなうのは厳しいことです。学資保険や個人年金だけでは難しいかもしれません。そこで、現物不動産投資という方法を選択肢の中に入れてみてはいかがでしょうか? 私も今は安定して家賃収入を得ることができています。目先のことにとらわれず、思い切って行動を起こした結果だと思います。

相談者のように、お子さまの進学をきっかけに現物不動産投資にチャレンジして、結果的に良い物件を購入できれば、教育資金や老後資金の運用が、株式や投資信託、保険だけでなく、現物不動産によって足されたことになります。ただ、良い物件を選定するには、労を惜しまず探さないと後で困ることになりますので、そこは慎重に検討ください。

投資用不動産の購入を検討していてもなかなか踏み切れない方にとっては、お子さまの進学や、ご自身やご家族の単身赴任などが契機となることもあり得ます。どこにチャンスが転がっているかわかりません。慎重に検討したうえで、ぜひ一歩を踏み出してください。

次回も引き続き「現物不動産」について考えていきましょう。

(次回は4月3日公開予定です)

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