退職後の一定期間を、物価が安い東南アジアなどの海外で過ごす方が増えているようです。気になってインターネットで調べてみると、「海外移住は素晴らしい」と言う人もいれば、「やめておいた方がいい」と言う人もいて、評価は両極端に分かれているように見えます。それだけメリットとデメリットがはっきりしているということです。

タイなら275万円の預金でビザを発行

退職後は収入が現役時代より少なくなるので、いかにして生活費を安く抑えるかが重要になります。その手段のひとつが、物価が安い国で暮らすことです。

アジアには、食費や家賃などの生活費が日本より安い国がたくさんあります。そうした国で一定の期間を過ごすことで、退職後の支出を減らすことができます。もちろん、異国に住むことそのものを楽しみとして、退職後の数年間を海外で暮らすという考え方もあります。

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退職後に海外に住む場合、行き先の国から「リタイアメントビザ」を発給してもらうことになります。退職者向けのビザで、通常の旅行者より長い期間滞在できるものです。多くの国で、年齢と銀行預金を発給の要件としています。たとえば、日本人の移住先として人気が高いタイでは、50歳以上で、タイ国内の銀行に80万バーツ(日本円で約275万円。1バーツ=3.44円で計算)の預金があることなどが、1年間のリタイアメントビザが発給される条件となっています。

食料品や住居費は安いけれど……

日本より物価が安い国で暮らす最大のメリットは、生活費を安く抑えられることです。たとえばタイの場合、食料品は日本の水準と比べて3分の1程度といわれます。住宅も、日本円で4~5万円ほど払えばかなり高級な部屋に住めるようです。
デメリットとして考えられるのは言語の違いですが、日本人の移住者が多い地域であれば、日本語だけで生活することも難しくないといいます。

ただし、すべてのモノやサービスの物価が安いわけではありません。
たとえば医療費は、病気やけがの種類によっては、日本で保険が適用された場合に比べて高くつくことも多いようです。救急車が有料の国もあるので、急病の場合は思わぬ出費が発生してしまうこともありえます。
食事についても、現地の食生活になじめれば良いのですが、どうしても和食が食べたいと思ったとき、和食のレストランで食事すると、日本の飲食店並みかそれ以上に割高になってしまうケースもあるようです。
治安についても日本ほど良くないところがほとんどなので、盗難などへの備えも必要になります。

やはり、住み慣れた日本を離れて暮らすことは相応のリスクを伴います。退職後の海外移住は、メリットだけでなくリスクも踏まえたうえで検討したいものです。

トラリピインタビュー

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