タブーなき事故物件サイトとしてその名を轟かせるWebサイト『大島てる』。その運営・管理をするのはサイト名にもその名を冠する、大島てるさん。同氏はサイト運営以外にも、自らが事故物件専門家として書籍や講演、テレビなど多数のメディアで活躍している。今回は、事故物件が生まれる最大の要因であり、いまや社会問題として誰しもが無関係ではいられない「孤独死」について、大島氏に伺う。

大島てる氏大島てる(おおしま・てる)
事故物件サイト『大島てる』の運営管理人
事故物件専門家
株式会社 大島てる 代表取締役 会長

事故物件サイト『大島てる』
■事故物件サイト『大島てる』
URL:http://www.oshimaland.co.jp/
タブーなき事故物件サイトとして名を馳せる、唯一無二のWebサイト。
不動産物件は、自殺、殺人、病死などあらゆる事情が背景にうごめき、簡単に「事故物件」になりうる。Webサイト『大島てる』では、全国各地の事故物件をインターネット上で公示。不動産会社も把握していないような正確性、真実性に基づく情報で、物件選びを検討する人々の強い味方となっている。

事故物件サイト管理人『大島てる』に聞く!あなたにも忍び寄る“孤独死”【前編】

「孤独死」は“少子高齢社会”の産物ではない。「単身世帯」の増加に注目

ペリー 孤独死が深刻な社会問題となったのは、何が原因なのでしょうか?

大島てる まず前提として、日本社会の高齢化がどんどん進んでいることを、孤独死の増加の“原因”に挙げるべきではありません。
平均寿命が長くなったことや、お年寄りが多くなったこと自体は、独りで亡くなることにつながらないからです。
少子化にいたってはなおのこと孤独死の社会問題化につながりません。子どもの数が減って、人口が減っていけば、むしろ究極的には、孤独死する人の数も減るわけですから。
単身世帯が増えていることこそがポイントなのです。

ペリー なるほど。独り暮らしだと、もし何らかの原因で亡くなった場合、なかなかすぐに発見されることは難しいでしょうね。

大島てる 同居人がいれば、誰かが家で亡くなってもすぐ見つかって、遺体が腐敗するところまではなかなかいかないでしょう。
そもそも、亡くなる前に救急車を呼んでくれたりすることも多いはずです。

ペリー 孤独死は、一体どのタイミングで発見されることが多いのでしょうか?

大島てる 孤独死の場合、腐敗した遺体が放つ悪臭で近隣住民がやっと気づくというパターンが多いです。
ちなみにそういった場合、血だらけで真っ赤というわけではありません。黒いです。

ペリー 黒くなった血なんて、見たことがありません! 正直、今後も見なくてすむよう生きていきたいです……。

同居していれば安心、ではない!? 「家庭内別居」「引きこもり」の危険性

ペリー ですが、誰か同居人がいれば、遺体の腐敗を防げるということですよね? 白骨化したり、血が黒くなったりというような、最悪な結果は生みませんよね!?

大島てる 独り暮らしでさえなければ孤独死しないとも言い切れません。
例えば夫婦仲が悪く、家庭内別居のような状態になっている場合があります。
妻が自宅で突然死してしまったものの、遺体が腐敗するまで夫に気づかれなかったということがありました。あるいは、見て見ぬフリをしていたのかもしれませんが……。

ペリー すでに夫婦関係が泥沼状態だったんですね。同居していたとしても、お互いの関係性が修復しようがないほどに破綻していれば、もはや2人ともそれぞれが独り暮らしをしているようなものです。

大島てる 夫婦ではなく、親子のパターンもあります。引きこもりの息子が実家で孤独死したのです。
(戸建ての)1階の両親は、2階の息子がいつものように自室にこもっていると思っていたら……とっくに亡くなっていたのです。いずれにしても、レアケースではありますね。

実家で孤独実家で親と同居していても……(写真はイメージです)

ペリー 夫婦と親子。本来なら親密な間柄はずですが……。いまの事例をお聞きして、少しやるせない気持ちがします。

大島さん 家庭内別居だとか引きこもりだとかは自分には関係ないと思われる読者の方も多いかもしれません。
夏ですから、もっと身近な熱中症についてお話ししましょう。
「熱中症で亡くなっても事故物件にはならない」と誤解している大家さん・不動産屋さんが多いんです。
病死と事故物件の関係については前編でも触れたとおりですが、ここでは、そもそも熱中症による死亡はいわゆる病死ではないという点を強調したいと思います。
厚生労働省が出しているお医者さん向けの「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル」においても、熱中症による死亡が、病死や自然死とはハッキリと別扱いされているのです。
持病がない人でも若者でも、あっという間に亡くなってしまいかねないのが熱中症ですから、当たり前と言えば当たり前ですけどね。

ペリー まだまだ暑い日は続きます。みなさんも熱中症には気を付けましょう!

(後編に続きます)