人生に恋愛や結婚も必須じゃない。 - MonJa〈もんじゃ〉お金と暮らしの情報サイト

下ネタは“恥ずかしい”もの？

次は、「性的に惹かれない」という感覚について伺いたいと思います。例えば、映画やドラマの濡れ場シーンを見たとき、どんな感情が湧きますか？一般的には、ちょっと恥ずかしいとか、別に何も思わないとか、ラッキー！とかさまざまあるとは思いますが。

なかけん　小学生のときから濡れ場シーンはあくまで他のシーンと同じく、ただの一シーンとして捉えていました。
「ご飯を食べる」、「街中を歩く」、「喧嘩する」、「濡れ場」……。
こんな感じで、濡れ場も他のシーンと同列で考えていたので、特に濡れ場だけ意識するなんてことはなかったです。淡々と見ていた記憶があります。

そうなんですね。私の場合、小学生の頃は“恥ずかしい”という気持ちが先行していたような気がします。教室ではまだオープンに話すような雰囲気ではなかったですから。

なかけん　中学生になると、どうやら“自分はみんなと違う”と意識せざるを得ませんでした。
周りの友達が急に恋愛や性的な経験をし始めるんですよね。
そして、それを話のネタとして言いふらすという……。

でも不思議だったのが、どういうわけかみんな少し自慢げに話すんですよ。
言うほうもちょっと恥ずかしがっていたり、相手も「そんな下ネタ言うなよー」という感じで面白おかしく返す、みたいな。

当時、私は「何でみんな面白がっているんだろう？」と不思議に思っていました。
まったく意味が分からなかったんです。ただの言葉の掛け合いなのに……。
下ネタという感覚や認識もなかったんです。

なるほど。だとすると、なかけんさんにとって、中学時代は相当過ごしづらい時期だったのでは？

なかけん　実はそういうわけでもなかったんですよ。
生々しい性的な会話を周りの友達に聞かされる間、自然とそういった話に対して「恥ずかしいもの」「隠さなきゃならないもの」という感覚が分かるようになってきました。

自分の中で理解はできませんでしたが、少なくとも下ネタが何かは区別できるようになりましたね。学んだという感覚に近いと思います。
それができるようになると、随分楽になりました。みんながしているように恥ずかしがったり、避けるようなそぶりもできましたから。

それは演技ですか？周りに合わせなきゃという焦りからくるものですか？

なかけん　うーん。演技のような気もするし、単なる刷り込みというか反射のような気もします。
私は、刷り込みって誰しも小さいときに経験していると思ってるんですよ。
例えば、「男ならこういうものを着るべき」とか「女ならこういうものを見るべき」とか、男女規範みたいな暗黙の了解って、何となくあるじゃないですか。
あれも言ってしまえば、刷り込みの一種ですよね。

小さい頃から刷り込まれすぎて、みんな当たり前のように「男はこうすべき！」とか言い出すんです。
私の下ネタに対する反応も、これと一緒のようなものです。
最初は意味が分からなかったんですが、周りに揉まれて刷り込まれていく中で、自然と「恥ずかしいシーン」という感覚が出るようになりました。ただ本当にそう感じていたわけではないですが。

その場のノリに合わせるという感覚に近いのでしょうか……。そういえば、性的な感情って、「恥ずかしい」だけでなく「ムラムラ」もあると思うんです。なかけんさんは「ムラムラ」という気持ちは湧きますか？

なかけん　ないですね。
ただ、ムラムラするべき話題だろうという区別はつきます。
ですが、これも刷り込みで「恥ずかしい」という反応が出ていましたが、これはとっさの脳内の判断であって、私の感情としては淡々とした思いがありました。
ですからムラムラという感情は湧かないんです。