豊かな人生とは何をもって言うか、その指標はお金だけでしょうか? ビジネスを成功させた人に聞くと「人に恵まれた」エピソードが必ず語られます。コロナ禍を体験し、先が見えない世の中だからこそ「人と繋がる」ことの大切さが身に沁みます。“人”という字が支え合っているように、この先どんな人と出会っていくかは、人生において大切な自己投資になります。この連載では、専門知識に秀でたスペシャリストとの出会いがもたらすサクセスへの道を探求していきます。第1回は起業・副業の時代に頼れる税理士、井上一生さんに聞く自己投資術!(聞き手・文=さらだたまこ)

井上一生さんの写真
井上一生 (いのうえいっせい)さん
税理士、行政書士。税理士でありながら、いくつもの事業を立ち上げてきた連続起業家。国家資格の士業・専門家集団を組織化したSAKURA United Solution代表。経営の伴走者として“100年企業を創る”を目標にアライアンス戦略を進めている。

兼業・副業、IC時代のビジネスパートナー

みなさんは税理士さんとのお付き合いはありますか?
会社勤めの方はあまり縁が無いかも知れませんし、お商売やフリーランスの方でも「確定申告は自分でやれてるから」という方も少なくありません。

しかし、近年、副業を認める会社が増え、日本には馴染まないといわれていた社員のIC(インディペンデント・コントラクター=個人事業主)化も、アフターコロナの時代に加速するのではと思われます。そんな時代に、誰もが企業家として仕事をする意識を持つことが、もっとも大切なのではないでしょうか?

働き方改革の先にあるものは「雇われない&雇わない生き方」つまり、たった一人で起業するソロプレナーとして、独立すること。よってビジネスパートナーも雇い・雇われの関係ではなく、みな独立したソロプレナー同士で連携してプロジェクトごとに仕事をこなしていくのが未来型。となれば、一番近いところで伴走してくれるビジネスパートナーとしての頼れるのは誰か?
それが、税理士さん
なのです。

税理士はパートナーのイメージ
事業主にとって、税理士さんは一番近いところで寄り添ってくれるビジネスパートナー

税理士であり連続起業家として活躍する井上一生さんは「風邪をひいたら診てもらう近所の“かかりつけ医”のように、税理士と付き合ってほしい」といいます。たとえば「売り上げが足りないんだけど、どうやったら売り上げが上がるか?」といった経営コンサルタントのようなことも。

もっとも、国家資格の士業は、各々の専門分野のスペシャリストで、やれることの範囲は決まっています。けれども、井上さんは「税理士にできないことも、クライアントの相談に応じて適材適所、法律の専門家などのスペシャリストに繋げるコネクターの役割はできます。“Know How”より “Know Who”だといいますが、税理士は税務のノウハウにプラスして、クライアントにいかに有益な人脈を繋げられるジェネラリストになれるか?」と、求められる税理士像を描き、実践しています。

直接税務に関わることでなくても、「クレジットカードを持つならどちらのブランドのどのグレードのクレジットカードがお得か?」みたいなことで迷っていたら、相談者にとってそれぞれの個別事情からアドバイスも。また「身体を鍛えるにはどんな運動がいいか?」「おいしいワインが飲めるお勧めの店」などなど、様々な生活情報を得るにも、「税理士の知恵袋には役立つ情報が詰まっているので活用して欲しい」と井上さんはいいます。

将来、やがて個人事業主になる、あるいは、会社員で居続けても副業で収入を得た場合は、税務申告は避けて通れないもの。悪意があるわけではないけど、知らないで申告漏れして、脱税していたら!?『国民には納税の義務がある』わけで、脱税する者には、ナサケの女(米倉涼子のような査察官)が現れて「脱税するヤツは日本の道路を歩くな!」と追徴金をがっぽり持っていかれることになるやも。笑い事では済まされないのです。

税理士さんが願うのは「本当のお金の価値」を知って欲しいということ

「税理士の機能は、ただ税金を安くすることだと思っている人がいますが、それは間違った税理士の活用法です。長期的に見て、相談者にとって得であると言えることがあるか判断できる場合、あえて今回は税金を多めに払ったほうがいいと言うアドバイスするのが正しい税理士です」と井上さん。
税金を安くすることを私たちは“節税”という感覚で捉えています。確かに節税は合法であるのだけど、素人判断では節税と思ってることが脱税であることも!

その境目が実は危険ゾーン。だからこそ、「正しい知識で、脱税を犯さないようにきちんと納税すること」が必要で、そのために税理士さんに正しく導いてもらうわけです。

井上さん曰く「脱税=犯罪=人生のマイナス投資でひとつも得になることはない」と。いやはや、長期的に見据えたら、正しく税金を納めて、人生に汚点を残さなかったことを幸福だと考えないといけないですね。

そういえば、フリーランスの仲間で、急に売れっ子になって稼ぎが良くなったが、確定申告の折り、領収書がほとんどなくて、経費の計上ができず、巨額の税金に泣いたとか、あと、税理士さんにお金を払うのがもったいないと自分で毎回、申告していたけど、あるとき大きな計算間違いをして、無駄に時間を浪費して、心身まで疲弊した、などという話を聞くと、本業の仕事に専念して、税務はその道のエキスパートに任せたいとつくづく思います。

時は金なり
時は金なり。税務はその道のプロに任せて、自分は本業に専念したい

そう、時は金なり。
とはいえ、気になるのが税理士さんに払う費用。起業したばかりだったり、個人事業主になったばかりだと、月々の顧問料を払えるか、そんな余裕があるのかも不安になります。「申告時だけのスポットでの依頼も可能です。かつては税理士に領収書や伝票を送ってもらって記帳するアナログな作業をしていましたが、今は通帳などをスキャンして、クラウドのソフトで管理できるし、経理をお一人でやるとしてもいまどきはシンプルになりましたから」と井上さん。

ちょっと、安心。そして話を聞くと、さらなる知恵が!たとえば、経費の支払いをすべてクレジットカードにしておけば、経理も繁雑にならないばかりか、ポイントやマイレージも貯まってお得。また、公共料金の支払いや、医療費の控除で節税になる知恵も。

一方、親からの相続など、ビジネス以外でも税金で頭を悩ませることも。「相続では家族や親類に諍いが起こることもあります。人生にとってかけがえのない絆が崩れては、取り返しがつかなくなります。そんなことを避けるためにも税理士の知恵はあります。税理士としては、クライアントさんに、もっとご自身の可能性を広げるためにお金と時間を使って欲しいと思います。そのためのサジェスチョンもいたします」と井上さん。

お話を聞いていて、チマチマとした節税のウラ技を聞こうなんて姑息なことは、やめて、目指すところは立派なタックスペイヤーであるべきだと猛省。

タックスペイヤーのイメージ
税理士さんには立派なタックスペーヤーに育ててもらおう!

税理士さんに話を聞いて学んだことは「本当のお金の価値」と「お金では買えない大切な人の道」。そのことを、いつも気づかせてくれる税理士さんに、ちゃんと伴走してもらえるように自分の可能性を再度見直し、アフターコロナに備えようと思いました。

Know Whoを加速させて!
そこからまず、自己投資を始めようと思います。

井上一生さんの著書

井上一生さんの著書『会社を辞めて起業する前に読む本』(ファストブック刊)は、Amazonでもポチできるオンデマンドペーパーバック。起業に興味がある人も、すでに起業の準備を始めた人も、そして、起業はしたけどまだまだ不安がよぎるときに読めば目からウロコ! 思いついたことを書き込めるワークブックとしても活用できる。

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