病気やケガでかかる費用に備えたいと思って色々と検討していくうちに、医療と医療共済、どちらに加入するか迷う方もいるかもしれません。今回は、医療保険と医療共済の違いについて考えていきましょう。

  • 医療保険はニーズに合わせて保障を手厚くできる
  • 医療共済はシンプルでわかりやすい保障が魅力
  • メリット・デメリットを理解してより良いほうを選ぶ

医療保険と医療共済の特徴

医療保険と医療共済は、ともに病気やケガでの入院や手術に備えるための保障機能を持っています。保険と共済とで意味は同じでも、違う用語を使っていますので、保険と共済で比較を行いたいときは下記のように用語が対応していることを知っておくと便利です。

【図表1】保険と共済の用語比較
保険と共済

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では、それぞれどういった特徴を持つのか、概要をご紹介していきます。

医療保険の主な特徴

医療保険とは、民間の生命保険会社が販売する保障です。

一定期間の保障を得られる定期タイプと、一生涯保障される終身タイプとがあり、保険料は加入時の年齢と性別によって変わります。最近では、同じ年齢でも加入時の健康状態によって保険料が変わる商品も増えています。

保険料はほとんどの場合掛け捨てとなっており、保険期間中に入院などをせず保険を利用する機会がなかった場合でも、支払った保険料が戻ってくることはありません。

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保障内容は入院と手術への保障が主ですが、特約を付加することで、がんを含めた三大疾病や女性が心配な女性疾病などの保障を手厚くすることもできます。また、年齢が上がっても保障内容が変わることはありません。

契約者はもしも生命保険会社が経営破たんしてしまった場合にも、生命保険契約者保護機構により保険契約が継続できるなど、一定の契約者保護の仕組みがあります。

医療共済の主な特徴

医療共済とは、生協や農協、労働組合などの協同組合が組合員向けに提供している保障です。

医療保険と同様に定期タイプと終身タイプがあり、定期タイプは医療保険とは違って加入時の年齢と性別に関係なく掛け金は一律となっています。終身タイプは医療保険と同じで加入時の年齢と性別で掛け金の額が変わります。支払っていた掛け金は決算時に余剰金が発生すれば、割戻金として還元されることもあります。

入院と手術の保障が主なシンプルな保障内容のものが多く、交通事故での通院も保障されるものもあります。部分的に保障を手厚くできる特約については用意されていないか、種類が少ないものが多いようです。また、年齢が一定以上となるとそれ以降受け取れる金額が減るなど、保障内容が変わる場合もあります。

共済には公的な保護の仕組みがないため、破たんしてしまった場合には契約は解約、保障は終了する可能性があります。ただし、共済独自のしくみで組合員保護が準備されていることもあるようです。

手を重ねる医師と看護師
自分のニーズに合った保障を得るには両者の違いを知ることが肝心

医療保険と医療共済の選び方

上記の特徴をそれぞれメリットとデメリットにまとめると、下記のようになります。

【図表2】医療保険と医療共済のメリット・デメリット
医療保険と医療共済のメリット・デメリット

どちらもメリットとデメリットがありますので、ご自分のニーズに合わせて選ぶことが大切です。

例えば、自分の心配事に合わせて保障を手厚くカスタマイズしたい場合は医療保険、老後まで変わらない保障を備えておきたい場合は医療保険と医療共済いずれかの終身タイプ、月々の支払額を抑えて割戻金も受け取りたい場合は医療共済の定期タイプ、といった選び方があるでしょう。似たような保障名でも、内容に違いがある場合もありますので、中身までしっかり検討できると安心です。

また、それぞれ契約者向けに用意されているサービスにも違いがあります。医療保険なら、健康相談やセカンドオピニオンサービスを受けられるものがあります。一方、医療共済には、ウェディングドレスのレンタルやランドセルの購入、旅行での宿泊を特別料金で行えるものがあります。もしもの時の保障や月々の支払額に加えて、プラスアルファの検討材料として比べてみるのも良いかもしれませんね。

※ここでは医療保険と医療共済の概要の一部をご紹介しています。詳細は各保険会社・共済組合のパンフレットなどを必ずご確認ください。

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