日本ではここ10年ほど、毎年300本以上の新しい投資信託が設定されているのをご存知ですか? 「そんなに沢山あってもチェックしきれないよ!」と困っている人も多いかもしれません。そこでMonJa編集部が、数ある新規設定ファンドの中から注目のルーキーを紹介する本シリーズ。今回は、三井住友DSアセットマネジメントが2020年7月31日に設定した『世界新時代株式ファンド』を紹介します。
DXの加速により、これまでの常識は覆される
近年ビジネス誌で取り上げられる機会が増えるなど、注目を集めている「DX」。「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、デジタル技術による生活・ビジネスの変革を指します。
……と言われても、あまりピンときませんよね。身近な例を挙げると、キャッシュレス決済はDXの好例です。キャッシュレス決済の普及により、コンビニに無人レジができたり、現金をあまり持ち歩かなくなったりと、私たちの生活はより便利に変化しました。
テレワークやオンライン会議の増加も、ビジネスにおけるDXの一例です。新型コロナウイルスの影響もあり、この半年で在宅勤務が増えたり、初めてweb会議システムが導入されたという人も沢山いるでしょう。
こうしたDXが進むことで、世界は「ニューノーマル(新常態)=新たな常識が根付いた状態」になると言われています。DXにより「決済は現金でするもの」「会社には毎日通勤するもの」などの常識が覆され、新たな生活習慣や社会の在り方が定着していく……というわけですね。
これまでもDXはさまざまな分野で進んできましたが、新型コロナウイルスの影響でそのスピードはますます加速しました。感染拡大を防止するために、企業や私たち一般市民は従来のビジネス/ライフスタイルを変化させざるを得なくなり、その有効な解決策としてDXのニーズが高まったからです。DXが関心を集めるトレンドは、今後も続いていくと言えるでしょう。
ニューノーマル時代に向けて成長が期待される企業を厳選
今回紹介する三井住友DSアセットマネジメントの『世界新時代株式ファンド(愛称:World Change)』は、ニューノーマル時代に向けて長期的な成長が期待される企業に厳選投資するファンドです。DXによる社会の変化とともに、成長を加速させていきそうな企業を探し出して投資するということですね。
なかでも同ファンドが着目するのは、「ライフスタイルの変化」「企業戦略の変化」「医療・健康の変化」の3つのトピックです。
ライフスタイルの変化
ライフスタイルの変化のなかでも、同ファンドは主に2つの視点から将来有望な企業を選定しています。
1つ目が、ネットショッピングの拡大に代表される「買い物の変化」です。三井住友DSアセットマネジメントによると、過去5年間で世界のeコマース市場は約130%拡大している上、今後の5年間でも約95%拡大する見込みだそう。これに伴い、ネットスーパーなどのeコマース関連企業も今後、ますます成長していくと期待できます。
2つ目は、「教育の変化」です。オンラインで学校の授業が受けられたり、予備校に通ったり、英会話スクールのレッスンを受講したり……といった、教育のデジタル化が急速に進んでいます。経済状況や地域による学習の格差を解消する手段としても、注目を集めている分野です。
企業戦略の変化
ニューノーマル時代の企業において、生産性の向上や従業員の多様な働き方の促進は欠かせません。そこで役立つデジタル技術の一例が、ペーパーレス化やコスト削減などの効果が期待できる電子契約の導入です。
実際、電子署名サービスを提供する米国企業で、2020年6月時点の『World change』の組み入れ銘柄でもある「ドキュサイン」の株価は、新型コロナウイルスの影響で大きく伸長しています。加えて、同社のサービスを導入する企業は、過去2年で約77%増加。今後も成長の期待できる企業と言えるでしょう。
医療・健康の変化
近年では、AIなどデジタル技術を用いて新薬を開発することもあるのをご存知でしたか? AIを活用することで、開発にかかる時間を短縮できるとのこと。世界のヘルスケアAI市場の規模は年々増加しており、この7年間でなんと約951%も拡大したそうです!
ほかにも、新型コロナウイルスの影響でオンライン診療が活発になったり、ウェアラブル端末で健康管理をする人が増えたりと、医療・健康の分野におけるDXには目覚ましいものがあります。
多くの業界における成長ドライバー
こうして「DX」や「ニューノーマル」をキーワードに将来有望な産業や企業を探していくと、そのどれもが社会の変化を先取りしていくような事業であることがわかります。将来の世界のあり方を予測し、それにいち早く対応していく企業に投資することは、高成長が見込める株式を効率よく探すための一つの切り口とも言えるでしょう。
また、DXはさまざまな業界で進んでいるため、特定の産業に偏らない投資ができる点も魅力。多くの業界における成長ドライバーであるDXに着目した投資は、幅広い分野への分散投資とも言えそうです。
銘柄名 | 国・地域 | |
---|---|---|
1 | アトラシアン | オーストラリア |
2 | ドキュサイン | 米国 |
3 | エムスリー | 日本 |
4 | ニュー・オリエンタル・エデュケーション ・アンド・テクノロジー・グループ |
中国 |
5 | オカド・グループ | 英国 |
6 | オクタ | 米国 |
7 | ヴイエムウェア | 米国 |
8 | 万国数拠服務(GDS Holdings Limited) | 中国 |
9 | 美団点評(Meituan Dianping) | 中国 |
10 | ギリアド・サイエンシズ | 米国 |
2020年6月19日現在