確定拠出年金(DC)のように、運用できる期間が決まっている場合に利用される投資信託の1つとして「ターゲットイヤーファンド」があります。ターゲットイヤーファンドは、バランスファンドの一形態です。本記事では、一般的なバランスファンドとの違いや、ターゲットイヤーファンドの仕組みとメリット・デメリットについて見ていきます。

  • ターゲットイヤーファンドは、資産配分比率を自動的に変更するバランスファンド
  • 資産配分の見直しを自分で行う手間が省けて、最終年を設定した運用ができる
  • 運用期間の後半が好景気でも株式の比率を減らすため、収益機会を逃すリスクがある

バランスファンドとは

最初に一般的な「バランスファンド」について説明します。

バランスファンドは、株式や債券、REIT(不動産投資信託)など複数の資産に分散して投資をするファンドです。分散する資産(株式、債券など)や投資対象地域、為替ヘッジの有無などにより、ファンドごとに運用する資産の数は異なります。

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バランス型ファンドの3つの運用タイプ

バランスファンドの多くは、あらかじめ資産ごとの運用比率を決めています。運用期間中に、当初の比率からかい離した場合は、比率が増えた資産を売却し、減った資産を買い増して元の比率に戻すように調整(リバランス)します。
このリバランスにより、バランスファンドは安定した運用と、資産の増大を目指す運用を行います。投資家自身でリバランスを行う必要がありません。

以下の3つのグラフがリバランスの例になります。

リバランスの例

Aファンドの基本配分比率は、4資産(国内株式、国内債券、海外株式、海外債券)で均等の25%。

基本配分比率

1年後、国内株式、海外株式の価格上昇により基本配分比率から以下のようにかい離。
1年後の比率は、国内株式30%、国内債券20%、海外株式28%、海外債券22%。

1年後の比率

国内株式・海外株式を売却し、国内債券・海外債券を買い増しして基本配分比率にリバランス。

リバランス後

見直しのタイミングは、ファンドにより異なります。目論見書(投資信託説明書)で投資を検討する時、確認しておきましょう。

ターゲットイヤーファンドとは

ターゲットイヤーファンドは、上記のバランスファンドの特徴であるリバランス以外に、資産を配分する比率を自動的に変更していくファンドです。

資産配分比率の変更(リアロケーション)を行う理由は、最終目標年(ターゲットイヤー)に向けて徐々に株式などリスクが高い資産を減らし、リスクの低い資産(債券など)を増やしていくように設計しているためです。

また、大半の運用会社は、ターゲットイヤーの異なる(2035年、2045年、2055年など)複数のファンドを用意し、投資家のリタイアメントの時期などに合わせやすいように商品をラインアップしています。

下のグラフは、ターゲットイヤーファンドの資産配分比率の推移を表した例です。

【図表】2045年がターゲットイヤーのファンドの資産配分比率の例
2045年がターゲットイヤーのファンドの資産配分比率の例

運用初期は、株式への投資比率を高めて積極的に収益確保を目指す運用をしています。
その後、ターゲットイヤーに向かって徐々に債券の比率を増やし、安定的な運用を目指すように資産比率を変更していきます。また、ターゲットイヤー到達後も安定的な運用が継続されます。

継続期間は、期間設定(10年など)があるものと、ないもの(無期限)があります。継続期間中の資産構成もファンドにより異なりますので、投資をする前に目論見書で確認しておきましょう。

ターゲットイヤーファンドのメリット

ターゲットイヤーファンドの主なメリットは2つです。

1つ目は、ファンドが運用最終年(ターゲットイヤー)に向けて自動的に資産の配分比率を変更してくれる点です。それにより、投資家は自身の年齢などに合わせて資産配分比率の見直しや変更を行う手間が省けます。

2つ目は、運用最終年(ターゲットイヤー)を設定した運用ができることです。
ターゲットイヤーを目安に、ご自身の運用目的(退職時期、子どもの入学時期など)に応じて運用期間を選択することができます。

ターゲットイヤーファンドのデメリット

ターゲットイヤーファンドの主なデメリットは、市場環境に関係なく自動的に資産配分比率の変更を行う点です。ファンドの中には、市場環境に応じて機動的に資産配分比率の変更を行うものもありますが、多くのファンドは、1年ごとにリアロケーションを行います。

リアロケーションは市場環境に関係なく自動的に行われるため、運用期間の後半に株式市場が堅調に推移している場合でも、自動的に株式の比率を落としていく運用をします。そのため、収益機会を逃してしまうリスクがあります。

また、運用期間の前半に株式市場が低迷していた場合も、期待した収益が得られないまま、債券比率の高いローリスクローリターンの運用に移行してしまうリスクがあります。

まとめ

以上、ターゲットイヤーファンドの仕組みやメリット・デメリットについて見てきました。

ターゲットイヤーファンドは、リバランスやリアロケーションをファンドが自動的に行ってくれるメリットがありますが、市場環境の変化(好況、不況)に応じたリアロケーションは行われないため、収益機会を逃してしますデメリットもある点を押えておきましょう。

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