【投資家】ぽんちよ」(2021年11月19日現在登録者数27.4万人)を運営し、「投資家ぽんちよのブログ」も大人気の投資YouTuberぽんちよさん。今回は、いま話題の「金融所得課税の増税」について。投資家だけでなく、広く国民全員に悪影響を与える可能性のあるこの法改正について教えていただきます。

  • 金融所得に課される税金(一律20.315%)を増税する可能性が浮上
  • せっかく広がった「貯蓄から資産形成への流れ」に水を差すことにもなりかねない
  • 「増税」で株価が下落すれば、公的年金の運用にもマイナスの影響

投資家にとって大問題の「金融所得課税の強化」

どうもこんにちはぽんちよです! 普段から投資発信者としてYouTubeチャンネル「【投資家】ぽんちよ」「投資家ぽんちよのブログ」を運営し、視聴者・読者の中の多くが投資初心者だと思います。そして、「投資」という一つの出会いをきっかけに「お金を増やしたい」と勉強を始め、なかには経済的自由を確立し、早期リタイアをする「FIRE」を目指している方も多いと思います。

ただし、このように資産形成やFIREを目指す人々にとって嫌なニュースが「金融所得課税の強化問題」です。今まで投資に対する税金が一律20.315%と、給与に対する所得税などに比べ低率であった税率がアップする可能性が浮上してきており、資産形成の足枷になったり、FIREへの道が遠のいてしまったりする未来が待っているかもしれません。

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金融所得課税の増税は誰に影響を与えるのか?

今回の金融所得課税の強化は、すでに多くの株式や金融商品を保有する富裕層が、莫大な配当金所得などを手にする一方、「投資の税率は低い」ということで「一律税率は富裕層優遇である」という側面もあり、このような不公平(格差)を是正する意図もあります。

しかし一方で、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などの政府主導の投資制度でようやく、老後に向けた資産形成を行い始めた国民にとっては、投資熱に水を差す可能性もあります。実際に、岸田内閣発足時に「金融所得課税の強化を主要テーマとして取り組む」と発表したのちに、日経平均は連続下落するといった影響も出ています。

一方で、もしかしたら「自分は投資をしていないから」 と金融所得課税の強化は影響を受けないと思っている方々もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

金融所得課税の強化イメージ
金融所得課税の強化は、貯蓄から資産形成への流れに水を差すだけでなく、広く国民の将来設計に悪影響を与える可能性がある

日本国民全員が投資家である理由

サラリーマン・個人事業主などの業態を問わず、国民すべてが加入しているのが年金制度です。サラリーマンの場合には厚生年金、個人事業主などの場合は国民年金となります。この年金を収めることにより、われわれは労働所得がなくなった老後でも、ある程度の生活費が支えられることになります。

そして現在、現役世代が納めている年金は、ただ貯金として積み立てられているだけではなく、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と呼ばれる年金運用機関により資産運用されています

GPIFの2001年以降の累積収益
出所:GPIFのホームページより

そして、GPIFは、長期で安定した年金制度を継続するために、日本債券・外国債券・国内株式・外国株式に四等分したポートフォリオを作成し運用しており、2021年度から年率+3.70%の運用成績を達成。このようなプラスの運用があるからこそ、我々の年金制度が成り立っているのです。

また、自分たちが納めた年金が運用されているということは、我々は間接的に老後に向けて投資を行っているといえることでしょう。このため、年金を払うすべての国民が「投資家」と言えるわけです。すなわち、「金融所得課税の強化」により相場全体にマイナスの影響が出るのであれば、たとえ貯金しかしていない人でも、自分の将来の年金運用に悪影響が出るということを理解しなければいけず、投資家である国民全員が「今後の金融課税がどう変わっていくのか?」ということに関心を持つ必要があるのです。

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