燃料費高騰の影響により、燃料費調整額の上限を撤廃する電力会社が増えています。そのような中、契約する電力会社の見直しを検討している人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、そもそも燃料調整額とは何かという所から解説します。また、燃料費調整額の上限を撤廃した電力会社の一例や、電力会社を見直す際のポイントなどについてもお伝えします。
- 燃料費調整額とは、火力燃料価格に変動を電気料金に反映させるための仕組み
- 燃料費調整額の上限が撤廃されると、一般家庭の電気代も上がる可能性
- 電力の自由化により、電力会社の選択肢が豊富に。見直しにより節約できるかも
燃料費調整額は燃料価格を反映する仕組み
燃料費調整額とは、電気料金の算出項目の1つです。「燃料費調整制度」と呼ばれる制度にもとづいて、電気代へ自動的に加算されたり減額されたりする費用となります。
電力会社から消費者の家庭に届けられる電気は、基本的に電力会社が石油や天然ガスなどの「火力燃料」を使って発電したものです。火力燃料の価格には市場の影響を受けやすい性質があるため、常に一定ではなく、高くなったり低くなったりと変動し続けています。
仮に火力燃料の価格が暴落すると電力会社が儲かりすぎてしまい、逆に火力燃料の価格が高騰すると電力会社の経営が厳しくなります。電力会社の経営が不安定になると、電力会社は安定して消費者へ電気を届けることが困難になってしまいます。
こうした状況に対応するために定められたのが、「燃料費調整制度」です。火力燃料価格に変動があった場合、燃料費調整額を増減させることで電気料金へ反映し、消費者と電力会社の両方が安定的に電気を扱うための仕組みです。
なお、燃料費調整額は電力会社やプランによって異なります。
燃料費調整額の上限を撤廃する電力会社が増えている
2022年、急激な円安や海外情勢の悪化などに伴い火力燃料の調達コストが高騰しました。その結果、同年の9月時点で旧一般電気事業者10社すべての燃料費調整額が上限に達しました。
そうした状況の中、電力の安定的な供給を理由に燃料費調整額の上限を撤廃する電力会社が増えています。燃料費調整額の上限撤廃を行った電力会社の一例としては、以下の会社があります。
- 楽天エナジー(楽天でんき)
- Looop(Looopでんき)
- auエネルギー&ライフ(auでんき)
- ENEOSでんき(ENEOS株式会社)
- SBパワー(ソフトバンクでんき)
- 坊っちゃん電力
- オカモト(0円でんき)
- MCリテールエナジー(まちエネ)
- J:COM(J:COM 電力)
- 大阪ガス(大阪ガスの電気)
これらは一例であり、燃料費調整額の上限撤廃を行ったすべての電力会社を掲載したものではありません。燃料費調整額の上限が撤廃されると、燃料費の高騰が直接反映され、一般家庭の電気代も上がる可能性があります。
この機会に、自宅で契約している電力会社が燃料費調整額の上限を撤廃しているかどうかを確認し、必要に応じて電力会社を見直してみてはいかがでしょうか。
電力会社の見直しポイント
電力の自由化によって、数多くの電力会社の中から契約する電力会社を自由に選べるようになりました。そのため、現在契約している電力会社よりも電気料金単価や基本料金が安い会社へ乗り換えれば、電気料金を大きく節約できる可能性があります。
電力会社の見直しのポイントは、最初に現在の契約内容の詳細と、毎月支払っている電気料金の内訳を確認することです。
現在の契約内容の詳細や毎月支払っている電気料金の確認ができたら、他の電力会社の料金プランや割引システムなども調べて比較していきます。電力会社の数が増えているため、「価格.com」などの比較サイトを活用するのも手です。
多くの電力会社では、電気料金が「従量料金」と「基本料金」の2つによって主な料金が決定されます。従量料金は電気の使用量に応じて課金されるため、1KWあたりの単価が安い電力会社を選ぶことで電気代を節約できます。
一方、基本料金は毎月定額で課金されるため、あまり電気を使わない場合は基本料金が低い電力会社を選ぶことで電気代の節約が可能です。
それぞれの電力会社からさまざまな料金プランが提案されているため、自分のライフスタイルに合った会社とプランを探してみましょう。