2023年は4月29日からゴールデンウィーク(以下:GW)が始まります。5月1日と2日は平日ですが、3日~7日まで土日を入れて日本では五連休です。しかし、3日~5日の3日間海外マーケットは平常通り取引をしています。海外資産で運用しているファンドの連休明けの8日の基準価額は、その3日分の値動きを加味して算出されますので、大きく変動する可能性があります。今回は、ファンドの基準価額の値動きに影響を与えるGW前とGW中の主なイベントと発表される経済指標について見ていきます。(この記事は、2023年4月26日に執筆しています)

  • 5月3日~5日の3日間、日本市場は休みだが、海外マーケットは平常通り取引
  • GW中のイベントや経済指標の発表は、連休明けのファンドの値動きに影響を与える
  • GW中もFOMCとECB理事会で決定した事項や経済指標の結果を確認

GW前とGW中の主なイベントと経済指標

GW前とGW中の主なイベントと経済指標

GW前の主なイベント

・日本

GW前の主なイベントとして、植田新総裁になって初めて「日銀金融政策決定会合」(以下:政策決定会合)が4月27~28日の日程で開催されます。また今回は日銀が先行きの経済や物価見通しについての考え方を整理した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)も政策決定会合終了後に公表されるので、日銀のサイトなどで目を通すようにしましょう。

今回の政策決定会合で注目されているのは、YCC(イールドカーブコントール)の長期金利の許容変動幅(現在±0.5%)を拡大するかどうかです。仮に許容幅を拡大した場合は円高に振れる可能性があります。

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GW中の主なイベントと経済指標

・米国

GW中の主なイベントとしては、5月2~3日に行われる「米連邦公開市場委員会(以下:FOMC)」があります。今回の注目点は、FF金利の上げ幅ですが、4月の雇用統計の結果が堅調だったので、0.25%の利上げが市場の見方になっているようです。日本の政策金利が据え置きで米国の金利が上がれば円安の方向に動くことが予想されます。

米国FF金利の推移

また、経済指標として「ISM製造業景況感指数」がFOMC前日の5月1日、「ISM非製造業景況感指数」がFOMC開催期間中の5月3日に発表されます。両指数とも購買担当役員へのアンケートを集計して算出します。50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示します。

ここ半年は非製造業に比べ製造業の景況感が悪い状態が続いています。もし、一段の悪化が確認されれば利上げを見送る材料になる可能性があります。

ISM製造業景況感指数とISM非製造業景況感指数の推移

FOMCの2日後5月5日には、雇用統計の発表があります。発表内容で注目されるのは、非農業部門雇用者数と失業率です。事前の予想より非農業部門雇用者数が増えたり、失業率が下がったりした場合、労働市場は堅調と判断されます。それにより利上げが継続すると投資家が判断すれば株式市場にはマイナスに働きます。

非農業部門雇用者数と失業率の推移

以上が米国のGW中の主なイベント及び経済指標になります。5月1~5日までFOMCを間に挟んで主要経済指標の発表が相次ぎますので、その影響でNYダウやナスダック総合指数、S&P500などの株価指数がどう動くかも確認しておきましょう。

・欧州

欧州では米国のFOMCが終了した翌日5月4日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され、金利などの政策が決定されます。前回3月では0.5%の引き上げが行われ現在の政策金利は3.5%になっています。

EU政策金利の推移

前回ECB後のラガルド総裁の記者会見ではインフレの状況など今後のデータ次第で政策金利を考えていくとの発言がありました。欧州消費者物価指数(CPI)は2月8.9%から3月6.9%と下がっていますが依然高い水準で推移している状況です。4月のCPIは5月2日に速報が発表され、高い水準で推移した場合は利上げが継続される可能性があります。

欧州消費者物価指数の推移

GW中のFOMCやECB理事会などを要チェック

以上がGW前、GW中に開かれる日米欧の主なイベントと注目すべき経済指標です。

GW明けに保有しているファンドの基準価額が大きく変動していても、落ち着いた判断ができるように、GW中もFOMCとECB理事会で決定した事項や上記の経済指標の結果を確認しておきましょう。

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