人生には「お金がない」と正直に言いづらい場面がある
嘘には、2種類あります。
「良い嘘」と「悪い嘘」です。
前者は、通称“優しい嘘”とも呼ばれ、現代社会で生き残るためには、誰しもが身につけておきたいスマートな術ともいえます。
こういう嘘をさりげなくつけたとき、良いのか悪いのか不明ですが、「私もそこそこ大人になったなあ」としみじみ思います。
今回の記事の主旨は、ざっくり言うと、「金欠時、友人または会社の先輩から飲み会などの誘いがあったときに、いかに“優しい嘘”をついて上手に断るか」というもの。
人生の中で本当にどうでもいい事柄なのに、微妙に私たちの頭を悩ませ続ける小さな問題がテーマとなります。
金欠の度合いは、その月の状況によって変わるもの。
余裕があって、たくさん貯蓄&投資に回せるハッピーな月も。
また、冠婚葬祭や、思わぬアクシデント(例:突然冷蔵庫が壊れた)などが重なり、出費がかさんで生活がカツカツになるものの、給料日まであと2週間……。絶対に手を出さないと決めていた非常用貯蓄専用の通帳に手を出しそうになって、(精神的に)死にたくなる月も。
そんな金欠状態の時に、仲の良い友人から「久しぶり! たまには一緒に飲まない? 来週いつ空いてる?」と気軽なLINEがきたとき、あなたならどういう返答をしますか?
または、顔見知り程度でそこそこの仲の友人からの誘いでは?
さらには、年次が1~3個上ぐらいの同世代の先輩からの、飲みorランチの誘いだったら?
この場合、もしあなたが22歳くらいの新人1年目だったら、おごってもらう流れになりそうですが、社会人2~3年目ぐらいになれば、さすがにそろそろ「自分で出さなきゃなあ……」という気になってくるもの。微妙な頃合いです。
(もし本当に行きたい場合は)おそらく、泣く泣く断るハメになるでしょう。
お金が足りないのなら、しょうがありません。給料日後に行きましょう。
何かを上手に取捨選択するのも、賢いマネーライフを送るコツの一つです。
それに、ミレニアル世代は、友人はもちろん、カップル同士でさえも割り勘が基本。
「経済的な面でも“対等な関係”を築いている実感がほしい」という、意外としっかりとした一面もあるんです。
もちろん、「今回は私が奢るから、次回はよろしくね!」と持ち回りで奢り合うような、臨機応変な方法をとることもあります。
となれば、ときにはやっぱり勇気を出して断ることも大事です。
とはいえ、先輩やそこそこの距離感の友人など、相手によっては、正直に「お金がなくて……」と言いづらい場合も。
また、正直に金欠と話して、相手に「え、この人お金ないんだ。へえ……」と思われた場合、勝手に金銭事情を推測されて、こちらの足元を見られるかもしれない、それはなんだかしゃくにさわるというか、恥ずかしいというか……と、考えすぎちゃう面倒くさいタイプも、正直に金欠とは言いづらいですね。
(世の中、みんなそんなに暇じゃないので、そんなことまで思う人は案外いないと思いますが、少しメンタルがコジれているタイプだと、グジグジと気にしてしまうものです……)
ちゃんと「金欠なんで、行けません」とストレートに断れる自立した、メンタルの強いタイプだと上手く立ち回れるのかもしれませんが、みんながみんな、そうはいかないはず。
なんだかんだいって、角が立つのは避けたいものです。
さて、(私のように)豆腐メンタル(※)のみなさん!
そんなときでも、もう安心です。
以下、“言い訳”ではなくて、“優しい嘘”を用いてその場を切り抜ける方法を、相手別に紹介していきます!
私も実際に使ったことあるので、実践に役立つこと(たぶん)間違いなしです。メールやLINEの場合は、以下の囲み部分の文面例をコピペして使ってみてください。
それでは順番にみていきましょう!
※ 少し力を込めると簡単にくずれてしまう豆腐のような弱いメンタル。よく「ゆとりに多い」なんて言われることもありますが、私自身が豆腐メンタルなので、何も言い返せません。
今すぐ使える“優しい嘘”3つの実例
①仲の良い友人
これは、一番簡単です。
正直に言いましょう。
文面はこちら。
「あのさあ……。今月、金欠でさ……。○○とか△△が重なってしまって。給料日まで、あと□□円ぐらいで過ごさなきゃいけないんだよね(涙の絵文字)。だから、今回はパスさせて!」
※○○や△△や□□には好きな文字や数字を入れてください。
LINEの場合は、あとは泣いている様子や悔しがっている様子のスタンプを最後に添えれば、そこまで深刻感も出ずにすむことでしょう。
優しい友人の場合、こちらの懐具合を本当に心配してくれる場合もあります。
「そこまで深刻な金欠ではないから大丈夫なんだけど、心配してくれる気持ちはうれしい。むしろ必要以上に心配をかけさせて申し訳ない」というニュアンスが出ると、かえって友人の頭を悩ませてしまうかもしれません。そうならないように、適度な軽さを醸し出すようにしてください。
また、案外「じゃあ、今回は奢るよ」と言ってくれるような、ラッキーな展開もあるかもしれません。
もしその言葉に甘える場合は、次回絶対にその人に奢ってあげてくださいね!
②そこそこの距離感の友人
まあまあの難易度です。
おそらく年に数回ほど、たまに会う程度でしょうか。
1対1で会うことはなく、何人かのグループで会うなかの一人。
人当たりの良い子で、もちろん仲もいい。
ですが、家族や仕事の悩みなど、まだお互いのパーソナルな部分を打ち明けたこともなく、そこまで密な関係とはいえない。
「金欠って言ってしまうと次回、誘われづらくなるかな……。せっかく気の合う子なのに」という姑息な計算も働きそうです。
そんな時の対応はこちら。
「え?○日?うそ!本当に偶然なんだけど、その日歯医者の予約入ってる……(涙の絵文字)。前から虫歯で、なるべく右奥歯でかまないように、日々気を付けてたんだけど、それも限界がきちゃって。歯医者って人気な所だと、本当に混んでるよね!ようやく予約取れたんだよ~○日に。本当に偶然過ぎて、いま言葉も出ない……」
ここで、あえて歯医者をチョイスしたのは、もちろん狙いがあります。
“病院”と聞いて一般的に想像される内科だと、リアルに心配されてしまう可能性もあるからです。
「そんな心配、余裕で受け流せるけど?」というどっしり構えたタイプなら問題ありませんが、繊細なみなさんは、罪悪感や心のしこりを抱えたまま、数日を過ごすことになります。
それにもう一つのメリットもあります。
今回の事例では、○日と向こうから日時の指定があった場合を想定していますが、具体的な指定がないときや、“来週あたり”というざっくりとした指定が来る場合も十分考えられます。
しかし、虫歯と伝えておけば、安心です。
「歯が痛くて、食べるのも飲むのもつらい……。いまはおかゆとかゼリーしか受け付けない」というニュアンスが十分に伝わっているので、おそらくスケジュールの再調整はないとみてよいでしょう。
③年次の近い先輩
おそらく、みなさんはいま、「いま仕事が立て込んでて……」という言い訳、ではなくて“優しい嘘”を一瞬思い浮かべたのではないでしょうか。
それは、非常に危険です。
なぜなら、優しい先輩だと、「何の仕事? いまどんな感じなの? どこまで進んでる? 大丈夫? 誰かからいびられてる?」と心配してくれる場合があるからです。
そうなれば、あなたは大して忙しくもない仕事をでっちあげ、嘘に嘘を重ねるはめになります。
繊細なみなさんは、きっとしどろもどろになるはず。
また、なんとか上手くその場を切り抜けたとしても、実はそんなに忙しくないことがバレてしまったら、あなたの信頼は一気に落ちかねません。
今回の対処法としては、基本的には「②そこそこの距離感の友人」で紹介した対応(虫歯のやつ)の敬語バージョンでOKです。
しかし、ランチに誘われた場合のみに使える方法ですが、こんな対処法もあります。
ランチだとおそらく口頭で誘われることが多いと予想されるので、今回は話口調の返答を考えてみました。
「うわあ!ありがとうございます。でも、非常に残念なお知らせが……。せっかく誘ってくださったんですが、実は今日、銀行(または郵便局)に行かなければならないんです。今日、帰りが遅くなりそうなんで、なるべく昼休みに行っておきたいんですよ。ああ、本当に残念です。銀行(または郵便局)って、本当に閉まるの早いですよね。何でなんですかね?せめて19時くらいまでは空いててもいいですよね!?まあ、でも、最近流行っている働き方改革的には、正しい方向性なんでしょうね。とにかく、ぜひまた誘ってくださいね! では、早速、銀行(または郵便局)に行ってきまーす!」
銀行(または郵便局)というお金がからむ用事の場合は、深くつっこまれないはず。
「とはいえ、どうしても罪悪感が残ってしまう。」という繊細すぎる人は、嘘を本当にするために、実際に銀行(または郵便局)に行って、ATMなどでお金を降ろしてきてもいいかもしれませんね。
本当は強いメンタルを身に着けたい
さて、ここまで、“あなたの大事なお金を確保しつつ、角を立てず人からの誘いを断る実践的な方法”を紹介してきました。
もちろん、せっかく紹介したからには、実際に日常生活で使ってほしいのはやまやまです。
ですが、ここまで言っておいてなんですが、やっぱりはっきりと「金欠です!」と言えるメンタルをいつかは身に着けたいもの。
(私のような)豆腐メンタルの人は、最初はなかなかハードルが高いかもしれません。
ですが、ゆっくり成長していきましょう。
強いメンタルを獲得するまでの間は、今回紹介した“優しい嘘”を活用しまくって、あなたのお金を誘惑から守りましょう!