白井カイウ氏・原作/出水ぽすか先生・作画の『約束のネバーランド』には、REIT(不動産投資信託)の人気のヒントが満載です。

<ジャンプコミックスは13巻まで刊行中>

『週刊少年ジャンプ』で、今、勢いに乗っている作品の一つが、2016年8月連載開始の『約束のネバーランド』(約ネバ)です。コミックスは13巻までで累計1000万部を突破。2019年1月には、フジテレビ系でアニメ放送がスタートしました。

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森と草原に抱かれた一軒家「グレイス=フィールドハウス」は、親のいない子供たちが住むところ。血のつながりはないけれど、ママと38人の兄弟は幸せな毎日を過ごしていました。家事や赤ちゃんの世話などはみんなで協力・分担です。

しかし、笑顔あふれる日常は突然終わります。ハウスは農園。子供たちは鬼に飼われる食用人間。大好きだったママは子供たちの監視役。「これ以上、家族が死ぬのは嫌だ!」。主人公のエマたちは、命をかけた脱獄計画をスタートします。

ジャンプのヒット漫画の法則といえば、「努力・友情・勝利」。夕暮れまで殴り合ったり、ボールと友達になるくらいスポーツに打ち込んだり、腕をビヨーンと伸ばして海賊王を目指したりする熱血系作品が主流として人気を博してきました。

一方、『約ネバ』のキーワードは「戦略」です。主人公の5歳~11歳の子供たちは、360度敵に囲まれた過酷な環境でもあきらめず、生き残るために知恵を絞ります。古い本や日常に潜む“ヒント”を作戦に落とし込み、脱獄計画を進めていきます。

『約ネバ』は、出水ぽすか先生の洒落たヨーロッパ風な絵柄もあり、男性読者中心のジャンプの中では女性ファンが多い作品ともいわれています。ストーリーと絵のどちらもジャンプ「らしくない」ところが、人気の秘密といえそうですね。

実は、個人向けの金融商品の中にも、「らしくない」ところが人気の商品があります。それが、ネット証券などで購入できるREIT(不動産投資信託)です。

東京
REITに投資すれば、この写真に写っているどこかのビルの大家さんになれるかもしれない

定期預金だけでは全然お金が増えない。でも、株やFX(外国為替証拠金取引)は値動きが激しいので怖い。不動産ならじっくりお金を増やせそうだけれど、通常の投資用マンションでも、数千万円から数億円かかります。ハードル高……。

そこでREIT。2001年に誕生したこの商品は最近人気が高く、市場規模は2年前に比べて約13%拡大しています(2019年1月末時点)。ポイントは、次の5点です。

■REITは、まとまったお金がなくても不動産投資できる

① 多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入する投資信託の一種

② そこから得た賃貸収入や、物件を売却したときの利益を投資家に分配

③ どの物件に投資するか、どれを売るべきかは運用会社にお任せ

④ 5万円以下で投資できるREITもある

⑤ 証券会社を通じて買ったり売ったりできる(銀行では取り扱っていない)

つまり、「5万円でも大家になれる」のがREITの魅力です。急にお金が必要になったとき、実物マンションの場合は買い手がいないと換金できませんが、REITなら普通の株のようにいつでも売却できます。不動産投資「らしくない」なー。

REITは、2019年3月7日時点で62銘柄あります。オフィスビルや商業施設に投資するもの、なかには温泉施設に特化したものまでさまざま。東京証券取引所の専用サイトでは、各銘柄の投資物件タイプや最低投資金額、利回りなどを紹介しています。

REITは、預金のような元本保証はないので、運用状況によっては元本割れする可能性がある点は覚えておきたいですね。さあ、あなたもREITを上手に活用して、「お金が全然増えない」農園からのスマートな脱獄を目指しませんか。

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