資産運用に興味があっても、初心者にとって株式投資のハードルは高いもの。本連載では、現役の証券アナリストが株式投資の魅力や付き合い方をやさしく伝えます。

  • 消費が落ち込む中で業績を伸ばす、生活防衛関連の企業に注目
  • 業務スーパー、総合ディスカウントストアは業績の伸びが期待できる
  • ドラッグストア業界や価格比較情報サイトもねらい目

先行きが見通しにくい状況下で、消費者の意識は生活防衛へ

今回は生活防衛をテーマにした銘柄選びのお話です。

昨年(2019年)の消費増税、さらに足元の新型コロナウイルスの影響によって消費の落ち込みが顕著になっています。先行きが見通しにくい状況だからこそ、消費者の意識は生活防衛へと向いています。

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小売業などでは、前年比での業績は大きな落ち込みを見せています。しかし、そのような中でも逆に業績を伸ばしている企業もあります。今回は生活防衛関連のお勧め銘柄をご紹介したいと思います。

おすすめ① 神戸物産(3038)

まずは神戸物産をご紹介します。神戸物産はディスカウントストアの「業務スーパー」をフランチャイズ展開しています。安価なプライベートブランドを充実させているほか、輸入品などを大きなロットで仕入れることにより、低価格で提供しています。

新型コロナ肺炎の影響で外出自粛が続く中、買い溜めによる消費の恩恵や低価格志向にマッチしていることから株価は上昇傾向が続いています。高値圏ではありますが、今後も業績の伸びが期待されるため、利益確定売りなどで株価が安くなる局面で狙いたい銘柄です。

5月1日の終値は5210円で100株単位のため、約53万円から投資できます。

おすすめ② パン・パシフィック・インターナショナルホールディグス(7532)

続いてはパン・パシフィック・インターナショナルホールディグスをご紹介します。同社は総合ディスカウントストアのドン・キホーテを全国展開しています。系列ではユニーや長崎屋なども展開しています。

幅広い品揃えやレイアウトの工夫などで若年層やファミリー、女性客の取り込みに成功している上、足元の新型コロナ肺炎の影響下では保存の効く食品や衛生用品、紙製品などの日用雑貨などの売上が伸びています。バラエティに富んだオリジナル商品の開発も広げており、小売業界の中では相対的に業績は堅調さが見込まれています。

5月1日の終値は2108円で100株単位のため、約22万円から投資できます。

ドン・キホーテ渋谷本店パン・パシフィック・インターナショナルホールディグスは「驚安の殿堂 ドン・キホーテ」を展開
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おすすめ③ ウエルシアホールディングス(3141)

次にご紹介するウエルシアホールディングスはイオングループのドラッグストアチェーンです。M&Aによって規模の拡大を続けており、現在ではドラッグストア業界では首位となっています。

調剤薬局や訪問による服薬指導などにも力を入れています。ドラッグストア業界は日用品やマスク・消毒液など衛生用品の買い溜め需要などにより活況となっており、同社の今期の業績も増収増益が見込まれています。

株価は5月1日の終値が7710円で100株単位のため、約78万円から投資できます。こちらも増税や新型コロナ肺炎後に成長が期待できる銘柄として物色されているため、高値圏での株価推移となっており、利益確定売りなどの安い局面を狙いたいところです。

おすすめ④ カカクコム(2371)

最後にカカクコムをご紹介します。カカクコムはネットショッピングの際の価格比較情報サイトの「価格.COM」を運営しています。そのほかにもグルメコミュニティサイトの「食べログ」や賃貸・売買物件ポータルサイトの「スマイティ.COM」の企画・運営なども手掛けています。

外出自粛により世界的にインターネットショッピングの利用が急増しているほか、「価格.COM」は節約志向の高い消費者の利用が伸びています。もともと家電などを中心に消費者へのブランド認知も進んでいるため、ビジネスモデルとしては他社の参入しにくいポジションを確立しています。

株価は5月1日の終値が2151円で100株単位のため、約22万円から投資できます。

新たな状況に対応でき、業績を伸ばせそうな企業を発掘

消費増税や新型コロナによる消費者の生活防衛で恩恵を受ける銘柄を4つ紹介しました。

このように、株式市場では新たな状況に対応でき、業績を伸ばせそうな企業の発掘が常に行われています。皆さんも気になる企業がありましたら、ぜひ興味半分で良いので調べてみてください。思わぬ発見があるかもしれません。

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